着地点
意味の無い発言を先に言えばいいのだろうね。
とてもよく分からないその、言葉。
棘を除去しようにも、打たれ弱い心にはちひしがれる。
淡い感情に乗せては繰り返す。
もどかしい夜。
虫の残響が不眠症へと木霊する。
焦る焦燥、馳せる衝動。
右腕を掴まれ、残された左手はただ、静観するのみ。
繋がれた補聴器が鼻のノズルへと着地する。
幼気な少女が真横を横切る毎秒5km/h。
砂混じりのスライムが耳から目の奥へと突き破る。
俺は何を考えているのだろう。
果たして、ゴールは何処なのだろう?
日本海を渡っても着きやしない、着陸不可能という。
ズルズルと中弛みが生じて、夏休みは消えゆく貞子。
自分本位に意識を遠退き、退く後光を指し示す。
また朝日が来るのはいつだろうか。
寝て待て。