三話
ーーーーーー紗耶香視点ーーーーーー
「さっきは驚きましたよまさか先生が奏太君のお姉さんだったなんて」
「まあ、言ってないからな」
奏が風呂に入っている間沙紀と紗耶香は話していた
「そういえば、お前もよく男の家に泊まるなんていったな」
「なんていうか、奏太君と話しているのってあんまり男の子の話してる気分じゃないんですよね」
そう言っているさやかに沙紀は小声で
「・・・・まあ、そうだろうなあいつ女だし」
「えっ、先生何か言いましたか?」
と何か聞こえたので聞いてみたが
「あ、いや何でもない」
「あ、先生トイレ借りていいですか?」
「女がトイレなんて言うなよ…場所は脱水所を入って左だ」
「わかりました」
といい脱水所のところに行き扉を開け中に入ると後ろからお風呂場の扉開ける音が聞こえたので後ろを見た時そこには
「え」
紗耶香の目の前には黒い髪を背中半分まで伸び長い前髪も水のせいでまとまっていて顔も整っていて文字通りの美少女が全裸で立っていた
(あれ?ここに来た時こんなかわいい子言ったっけ?その前に今お風呂入っていたのって・・・ってことはもしかして)
「…えっと奏太君?」
と紗耶香が奏太に聞くと
「~~~~~っ!み、見ないで」
顔が真っ赤になっている
紗耶香が唖然としながら立っていると
「委員長」
と掠れた声で
「な、なに?」
「服着たいから出でいってもらっていい?」
「う、うん」
そう言って紗耶香は脱水所からでる
(えっ待って今のって奏太君よね?でもどう見ても女の子だったし…ってことは奏太君って女の子だったの?!)
自問自答していると
「あれ、増田どうしたんだ?」
と沙紀が声をかけてくる
「せ、先生!あれはなんですか!」
腕をつかまれ揺さぶられながら聞かれ驚く沙紀
「あ、あれって何だ」
「あれはあれです!奏太君です!」
「あ、あ~そのことか」
「そうです!奏太君は女の子だったのですか!しかも可愛すぎです!」
紗耶香は学校ではあまり出さないが大の可愛いものずきである
「お、落ち着け増田」
「これが落ち着いていられますか!」
「そのことは奏が出てきてからにしよう」
「奏って?」
「あ~、あいつの本名だよ」
「そうですか、わかりました」
と食い下がる紗耶香である
ーーーーーー奏視点ーーーーーーーーーー
紗耶香が出て行った後
(み、みられた~~~~)
としゃがみながら思う奏
「どう説明しよ~」
「とりあえず、服を着ようかな」
そういった後いつも着ている女物の服を着る
そして脱水所の扉を開けて姉と委員長のもとに行く
「おっ出てきたな」
「う、うん」
(こ、怖い、変に思われてないだろうか)
「そ、奏太君」
と後ろから
「ひぃっ!」
と驚き奏は沙紀の後ろに隠れる
すると姉である沙紀から
「あ~奏この際だから増田には本当のことを言わないか」
そういいながら奏のほうを見る
奏は俯いた
俯いていると沙紀が
「一人でもお前のことを知っている奴がいたほうがいいだろ、6月には修学旅行もあるしそのほうがいろいろフォローできるからいいだろ、それに増田のことは怖くないんだろ?」
コクコクとうなずく奏
「それなら大丈夫だろ」
「う、うんわかった」
「というわけだ、増田今から話すことは誰にも話すなよ」
「わかりました」
「えーっと、奏はな・・・・」
沙紀は紗耶香に今まであった話をすべて話した
小さいころのトラウマのせいで女の子の姿で人の前に出れなくなったこと
出ると体中が震えて怖がってしまうこと
「・・・ってことなんだ」
「そんなことが」
「奏はこの年でそれを治そうとしているから何かあったらフォローしてくれないか」
「わかりました!任せてください!」
と了承する紗耶香
そして奏のほうを向き
「奏太君!いや奏ちゃん!」
「ひゃい!」
ビクッとする奏
「これからどんどん私を頼ってね!」
勢いよく迫ってきた紗耶香に
「う、うん」
と涙目になりながらうなずく奏に紗耶香は
「~~~~~っ!もう我慢できない!」
といい奏に抱き着く紗耶香
「先生何なんですか!この可愛い生き物!持ち帰っていいですか!」
「私の可愛い妹だからダメだ、というか増田お前そんな性格だったのか」
「む~そうですよ~、もういいです今日は一緒に寝るだけで我慢します」
「え、え」
いきなりのことで狼狽える奏
「じゃあ行こうか、奏ちゃん!」
「ふぇ~~~~」