用語・機体・登場人物等説明(第1章)
第1章に登場する、用語・人物・機体について、まとめてあります。
今後も章の区切りのいいところにちょくちょく入れていきたいと思います。
(特に興味のない方は読み飛ばしてください)
用語について:
・ディセンダント
2031年ころから出現しはじめた、敵性地球外生命体と考えられる異種族の総称。
「末裔」「降りてきたもの」を意味する英語から取られている。
同年に南極大陸に落着した巨大隕石から発生したと考えられている。
特徴として、下記パワー・マトリクスによる高い攻撃力を持ち、また重力の影響を軽減した高い機動性を持つ。
ヌミノーゼ膜と呼ばれる防御構造により、攻撃への耐性も高い。
その特性上、最下級の個体を除けば通常兵器での破壊は困難を極める。複数の種類が存在する。
外見的特徴は種類により様々だが、概ね共通しているのは六角形の装甲板で覆われたような外表組織を持つ。
その肉体はケイ素で構成されていると考えられており、コアを失うとつちくれに戻り、塵に帰す。
・パワー・マトリクス
ディセンダントの力の根源となる、多面体の宝石状の存在物。
通常個体のものは橙色の光を放つ。
状態よく摘出されたものは、機動兵器のコア部品としても転用されている。
西側のものはマトリクスのエネルギーからフィールドを形成・加工することにより
人体への毒性・環境への影響を軽減しており、緑色の燐光を放つ。
・ヌミノーゼ
パワー・マトリクスから放たれる神秘の輝き、その光をドイツ語の「神威」に準えて呼称した用語。
原理は完全には解明されていない未知のエネルギー素子であり、しかし機動兵器の駆動系やエネルギー兵器の弾丸など、多くの用途で使われている。
その輝きには慣性の影響を軽減する作用が備わっており、ディセンダントや機動兵器の物理法則を超越した戦闘機動の根源ともなる。
・ヌミノーゼ膜
主にディセンダントや、パワー・マトリクスを使った機動兵器が纏う光の防御膜。
物理攻撃に対して高い耐性を発揮する。膜構造を形成する都合上、一点を集中攻撃されると弱く
またひとたびほころびが生じると全体の防御力が低下するという弱点を持っている。
・機動兵器
特にパワー・マトリクスを主動力として設計・開発された人型のロボット兵器。
兵器としての歴史は浅いものの、現在の戦場においてはその卓越した機動性と火力により主力兵器の座に躍り出ている。
・重力跳躍
マトリクスのエネルギーを使い、慣性制御を行うことによる重力の影響を無視した飛翔技術。
パイロットの必須テクとされる。
・ゼノグラフト
「異種移植」を意味する英語。
ディセンダントのパワー・マトリクスを制御・同化するためには、ディセンダントの体組織を体内に移植することが必須の条件である。
異星人の体組織を後天的に外科手術で移植・神経系と一体化させる技術を特にこう呼称している。
機動兵器の操縦者は基本的に全員、ゼノグラフト手術を受けている。特にこの移植片、異星人の生体組織をグラフトと呼ぶ。
・『地球連邦』
2032年、異星人の攻撃に対し、アジア圏の国連常任理事国2カ国を中心として成立した全体主義国家。
ディセンダント駆逐、人類の生存・救済を掲げ、ディセンダントへの対応を行う国家群共同体とされている。
東欧・アジア諸国を実質上武力制圧し、人類の生存領域のおおよそ半分を支配下においている。
・『自由主義同盟』
『地球連邦』の成立とほぼ時を同じくして、北米大陸を中枢として成立した軍事国家。
ディセンダントへの対処、難民問題、及び『連邦』への加盟を希望しない諸国家への支援を行うことを提唱した。
北米・西欧諸国を支配下に置いており、『連邦』とは成立当初より激しく対立している。
機動兵器など:
・連邦軍
ZS-44 オホートニク
全高 5.1メートル
全装備重 10.2トン
動力:パワーマトリクス+補助バッテリー
装甲材質:高硬度装甲鋼板/セラミック素材複合装甲
武装:12.7mm内蔵機銃、20mmアサルトライフル、シールド、ロケット砲、マトリクスブレイド等
『狩人』を意味する、『地球連邦』の量産機。
連邦加盟諸国に配備されており、東側の兵器としては最もポピュラーな機体である。
2044年に正式配備が開始されて以来、『獣』狩りから西側との戦闘に至るまで、あらゆる戦線に配備されてきた。
ディセンダント技術により反重力跳躍を行えるため、機動性は高い。
また、ヌミノーゼ膜による防御性能も兼ね備える。
30mmガトリング砲、多連装ミサイルランチャーなどを装備した重装備型も存在する。
なお、下記レインジャーと装備が似通っている理由は、『同盟』の技術をリバースエンジニアリングしたものであるとする説が有力だが、『連邦』は本機を独自開発の機体であると主張している。
XS-13 スミェールチ
全高 5.4メートル
全装備重 7.8トン
動力:パワーマトリクス複数、他
装甲材質:不明(ディセンダントの肉体のケイ素化合物を纏う)
武装:鎌状大型ブレイド、専用ヌミノーゼ・ライフル
『死神』を意味する、漆黒の機動兵器。
『地球連邦』が、特殊処置を施したグラフトのために開発した最新鋭機であり、秘密兵器でもある。
本来は占領下の日本から旧ロシアに移送され、改造処置を受けた吉成真冬をコアとして調整されていたが、カムチャツカ半島での戦闘及び偶発的事故によりコアは生命活動を停止、本機も輸送車両内に格納された状態で機能を停止していたが、『巨獣』との戦闘で死亡した関雅也の意識と、真冬の肉体を再構成し、コアとして蘇生させている。
その際、真冬の意識も本機と同化した状態となった。
独特の武装を施されており、特に装備されたサイズ状の武器は、切りつけたディセンダントの再生能力を封じる機能が与えられており、極めて有用な攻撃手段となる。
・同盟軍
M3A1 レインジャー
全高 4.9メートル
全装備重 9.7トン
動力:改良パワーマトリクス+補助バッテリー
装甲材質:劣化ウラン使用複合装甲
武装:12.7mm機銃、20mmアサルトライフル、シールド、対ヌミノーゼ膜グレネードランチャー、マトリクスブレイド他
『野伏せり』を意味する、『自由主義同盟』の主力量産機。
同軍の3代目の量産機にあたり、機動性と火力を両立した高性能機である。
またパワー・マトリクスには改良が加えられ、人体への悪影響を軽減しているが、反面出力は若干低下している。
多彩な武装オプションパックが用意されており、ミッションに応じて換装が可能。
・ディセンダント
『獣』型
全長5m前後の四足動物の形を模した、最もポピュラーな異星からの侵略者。
その見た目通りの鋭敏さと、ヌミノーゼ光をまとった牙・爪・尾による物理攻撃、及び頭部からのビーム攻撃能力を持つ。
現在、人類側に配備されているオホートニクやレインジャーの装甲をもってしても、これらの攻撃の直撃は致命傷となりうる破壊力を持っており、下位個体とはいえ未だに人類にとって大きな脅威で有り続けている。
連邦側呼称はズヴェア、同盟側呼称はビースト。
『目玉』型
全長3メートルほどある、空飛ぶ球体型のディセンダント。
完全自立飛行能力を持ち、瞳の中心からヌミノーゼ・ビームを放つことができる。
小型故にヌミノーゼ膜強度に劣るのか、通常兵器の地対空ミサイルなどでも破壊が可能である。
連邦側呼称はグラース、同盟側呼称はアイボール。
『巨獣』型
体長100メートルをゆうに超える超巨大なディセンダント。
7本の肢と、巨大な6つの瞳から放たれる超強力なヌミノーゼ・ビームによる圧倒的な攻撃性能を持っており、かつ超巨大な肉体とその高い再生能力は、パワー・マトリクス部分への攻撃を著しく困難にさせている。
また、傷ついた肉体から下位のディセンダントを呼び出す力も持っている。
概ねテリオンの呼称で呼ばれる、上位個体と考えられている。
登場人物:
・関 雅也
主人公。17歳、男性。
学校で優秀な成績を収め、グラフト処置を受けオホートニクのパイロットに選出される。
・佐野 結莉亜
17歳、女性。雅也の幼なじみ。ロシア人とのハーフ。オホートニクのパイロット。
・洪司令
42歳、男性。網走基地司令。ディセンダントの襲撃を水際で防ぐ、優れた司令官と評価されている。
・島田
25歳。男性。島田小隊の隊長を務める。雅也の直接の上官。
・大村
21歳。男性。島田小隊の小隊員。
・吉成 真冬
14歳、女性。雅也の妹。重度の先天性障害のため、モスクワ近郊の病院に移送されていた。
・イワン・マクシモビッチ
連邦軍大佐。