プロローグ
将来はゲームクリエイターになる!
子供の頃は無邪気にそんな事をほざいていた。
モニタの光だけが生える薄暗い部屋。
コントローラーの音が響く。
僕は絶賛ひきこもり中だ。毎日がゲーム三昧だ。
後悔?そんなものは無い。俺は今の生活で十分満足している。
はぁ!?ラスボスのくせに弱過ぎるだろ!これじゃ今までの冒険が台無しじゃないか!誰だよこんなクソゲー作ったやつ。俺ならここは絶対もっと鬼畜設定にしているな。まあ、俺がゲームクリエイターならの話だけど。
一つ嘘をついた。俺は後悔している。こんな人生を歩む予定じゃなかった。子供の頃の俺はもっと輝いていたのに。
ああ、考えていると喉が渇いた。コンビニでコーラでも買ってこよう。
今日は、近くで花火大会をやっているようだ。低い破裂音が聞こえる。それを聞く度僕の心は締め付けられるようだ。さっさと買い物を済ませよう。近所のコンビニに着くと、涼しい風が俺を出迎えてくれた。
無事、コーラを入手した俺は急ぎ足で歩いた。辺りには何人か人がいる。みんな空を見上げている。ここらは花火が良く見えるらしい。俺も少しは見てみるか。少しだけ。
空を見ると、丁度花火が打ち上がった。が、何か様子がおかしい。打ち上がった筈の花火が上に上がるのを止め、どんどん大きくなっている。いや違う!こっちに来ているんだ!気づいた頃にはもう遅かった。俺の目の前は真っ白になった。
気が付くと、俺は見知らぬ部屋にいた。
何故だろう。俺はこの状況がすぐに理解できた。俺は死んだんだ。
しばらくすると、どこからともなく声が聞こえてきた。
「世界を作ってくれないか?」