待遇の差
結局、柿原の問題集は終わることなく、最終下校を迎えた。
「まだ明るいわねー。よく勉強したわぁー」
首をぐるぐる回す柿原。
「よく勉強した割には進んでなかったみたいだけど?」
「うるさいわねー間宮。なんで間宮は最後まで居たわけよ?」
「別に、家に帰っても暇だからっ!それだけですっ」
「本当かしら?なにか怪しいわね……吐きなさい!!」
じゃれあう二人。
「今じゃとっても仲良しだね、あの二人」ニコッ
佐野が二人を眺めながら言う。
「コクリ」
「だな」
「そういえば、坂下って講師の先生っていないのかしら?」
ふと、じゃれていた柿原が発言する。
「えっ、講師の先生いたのか?」
まぁ、玉水くらい強豪なら居てもおかしくないか……
ここで言う講師とは、楽器のプロの演奏家のことだ。お金を払い、楽器ごとにプロを呼んでレッスンをしてもらうのだ。
「ウチの中学もいたよ。まぁ、その割に弱かったけどね」
佐野のところまで……
「俺の中学はいなかったぞ」
「あれかなー、部員だけは多かったからお金があったのかな?」
「世の中って金なんだな……」
「ちょっと、達観したような顔で言わないで」
間宮がツッコミを入れる。
「そうね、練習環境で言うなら中学校の方がよかったかも。練習してる教室とかエアコン自由に入れ放題だったし」
トドメの一撃を間宮が放つ。
「「「はぁ……」」」
全員、ため息をついた。
エアコン云々(うんぬん)は、坂下を選んだのがいけないな。坂下、貧乏だし。




