尾崎正敏先生による、曲解説のコーナーwith冴木とたまに柿原
「おひさ~と言ってもチラチラッとは出ていたのだけど」
「尾崎先生に「春の猟犬」について解説してもらいたいと思いまーす。いえーい、ドンドンパフパフー」
「棒読みするくらいなら無理に盛り上げなくてもいいわよ」
「先生っ!私は最高に盛り上がってますっ!イェイイェイ」
「この子キャラ崩壊大丈夫かしら……「春の猟犬」はアルフレッド・リードが作曲した、吹奏楽のための演奏会用序曲よ」
「えーっと、演奏会序曲とはー……物語性があるもので、序曲とは言ってもこの曲で完結しております」
「そのカンペ読んでます口調どうにかならないかしら!?リードさんはある詩人さんの詩に触発されてこの曲を書いたそうね。さっき演奏会用序曲には物語性があると言ったけれど、この曲には抑えられない若さと甘さの2つのメッセージがあるわ。曲構成としては激しく始まり中間部でゆっくりになり、初めのように激しくなって終わる。単純な曲です。最近はコンクールで聴かなくなったけれど、昔はよく演奏されていたのよ~」
「アルフレッド・リードさんは2005年まで生きていた最近の人物で、20世紀を代表する音楽家とされているの。「春の猟犬」以外にもたくさんの名曲を残している、ほんとに素晴らしい作曲家だわっ!!」
「曲には難易度があり、5段階評価となっています。グレード1、グレード2…グレード5と数字が大きくなるほど難しいです。ちなみに、「春の猟犬」はグレード5です」
「柿原さん、好きなのはわかったから落ち着きましょうね。中間部の4分の4拍子以外はほとんど8分の6拍子。8分の6拍子は1小節に八分音符が6個入るって言う意味なの。日本人はこれが苦手なのよー。まず根本的に、日本人ってワルツのリズムつまり、3拍子が苦手なのよ。だから123,456と感じるのは難しいの。ということで…」
「「「ぜひ、原曲を聴いてください」」」
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職員室にて。
「先生、自由曲が決まりました」
先生にスコアを手渡す。
「「春の猟犬」ねぇ。いいセンスしてるんじゃないの。で、合奏はいつ?」
「明後日の休日練習の午後にお願いします。5月の第一土曜日です」
「もうあなた達で合奏はしたの?」
「してません。先生の合奏が初合奏になります」
「そう。楽しみね……」
先生の眼がキラリと光った。




