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歓迎会

キャッキャウフフ、そして時より混ざる奇声。吹部は女の花園なんて思う方も居るかもしれないが男が少ない分、はっちゃけている。あげたらキリがないが、聞けば後悔すること請け合いだ。


「よぉ~一年坊主、飲んでるかぁ?」


「こんにちは、田中先輩。コップの中身、お酒じゃないですよね?」


トランペット2年の田中修先輩だ。同じ男であるのが相当うれしいらしく、よく絡んでくる。今は1年生歓迎会の真っ最中だ。


「んなわけあるかぁ。おーい、フルートの一年坊主も来いよー」


「ウッス」

 ノソノソと歩いてくるのは、フルート1年松尾 春俊。元水泳部で吹部と水部を間違えて入部。鍛えられた身体そして180cmを超える松尾がフルートを持つと、短くみえて笑える。フルートになったのは、体験したのがたまたまフルートでそのまま入部してしまったからだ。


「はーい、注目!ここで、1年生に自己紹介をしてもらいたいと思いまーす。名前、パート出身中学と最後に目標!木管からよろしくお願いします」


「松尾 春俊、舘前中学校出身、フルートになりました。目標は……フルートが似合うようになりたいと思います」


「「「あはははははは」」」


 フルートから始まり、クラリネット、サックス……そして金管に順番が回ってくる。だいたいは初々しく「県大会にいきたいです」とか「上手くなります」たまに、「東関東大会に行きたい」という具合だ。

 ついに、トロンボーンパートに回ってくる。


「だるいな……」


「じゃあ私から行くわ」


 聞かれたのか。


「柿原莉子、玉水中学校出身、トロンボーンです。私の目標は今のメンバーで全国大会に行くこと!よろしくお願いします」


 沈黙が下りる。そして次第にザワザワとし始める。


「無理だよ……」

「玉中って全国常連校じゃん。言うことが違うねぇ。でも、今からとか無理っしょ」

「すげーな」

「ウチのとこ、B編で県大会行くのにも精一杯なのに」


 ここの吹部はなんとなくの集まりだ。なんとなく吹部に入って楽器を触ってる。俺もそうだ。でも、アイツの音を聞いて久しぶりにワクワクした。どうせコンクールにでるなら、


「俺も全国大会に行く。無理じゃないと思います。無理って決めつけたら本当に無理です」


「よく言った!冴木!コンクールでるならテッペン目指さないとな。前々から思ってたんだ俺も。1年に言われるなんて恥ずかしいね!さぁ、自己紹介続けようぜ」


 田中先輩が声を発するとみんなが笑った。先輩はムードメーカーだ。いるだけでその場が和む。凍った雰囲気が溶けていった。

 その後、自己紹介が再開し無事終わった。


「やる気なさそうなフリして、あるんじゃない。最初っから本気で練習しなさいよ」


もそもそと歓迎会のお菓子を食べているとコソッと話しかけられる。


「やる気がでたのは柿原の音を聞いてからだよ。柿原の音が耳について離れないんだ。てか、なんで強豪校に行かなかったんだ?正直言って、ここはなんとなくの集まりで、県大会に行ったり行かなかったりの部活だぞ?ここ」


「親が進学校行け行けうるさくて。遠いところも嫌だったし、ここにしたのよ。吹部があればいいやと思ったしね」


「ふーん」


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