天からの贈り物
…あたしは、いじめられてる。
もう、学校に行くのが嫌になってきた。
そんな毎日が、あたしは嫌い…だいっ嫌い。
いつの日か、こんな毎日がなくなる……そう、前は思っていた。
でも今は、そんなこと考えていない。
なぜだろう……。
そんなあたしのところに、あたしの毎日を変えた、『天からの贈り物』が届いたのは…。
「ただいまー。」
「あら、帰ってきたのね。今日は、塾お休みなのよ。家に居ていいわ。」
この声は、お母さん。
右の方から聞こえる…キッチンで何か作っているのかな。
「…うん」
今日は塾が休みかぁ。
『日課』がのんびりできるなぁ。
…あ、あたしの日課とは、あたしの部屋から窓の外を見ること。
そこから、近くの森が見える…この景色が、あたしは好き。
早速、窓の外を見ていた。
「あれ?…これ、なんだろう…?」
ひらひらと、光る小さな物が降ってきた。
それが、あたしの手に乗った。
「あっ!!これはまさか……天使の羽根!?」
…天使の羽根。
どんな雪より白く、金のように綺麗にキラキラと光り輝く、そんな天使の羽根を、あたしはすぐに気に入った。
…天使の羽根は伝説とか、物語とかの事だと思ってた。
確か、『両手で持って…願い事を言うと、願いが叶う』。
よし、言おう。
「い、いじめなんか……無くなりますようにっ!!」
その時、天使の羽根が光りだした。
「キャアァァァッ!!何…!?」
気付くと、天使の羽根はなかった。
……次の日の事。
いつもの様に学校へ行くと、いじめ……は、なかった。
……あたしを幸せにしてくれた『天使の羽根』は、あたしへの…『天からの贈り物』だと、あたしは思う。