圧倒的な力
ブレイドはクロエと共に悪魔と対峙していくうちに少しずつだが古代術式の使い方を学び始めていた。
少しずつだが仕事の間に本を読み進めていたブレイドは、目の前でクロエというお手本が古代術式を利用した魔法を発動させていたこともあり大まかにだが術式を構築することができるようになっていた。
「チッ、なぜこのワシが押される…なぜ殺しきれない…なぜワシより魔力の少ない小童どもに苦戦しなければならんのだぁぁぁあああ!」
そう叫ぶと悪魔は大量の魔法の術式を展開していく。
「ふぅ〜、とりあえずあの術式をなんとかしないと…ってことでお願いできますか?」
『まぁできるけど…でも条件がある!』
「え〜めんどくs…んんっ、まぁ条件次第ですね」
『ねぇ今めんどくさいって言おうとしたよねっ、どういうこと?ねぇねぇねぇ』
そんな馬鹿な会話をしながらも必要最低限の力で悪魔の魔法を2人は防いでいく。
それに悪魔は着々とイライラを募らせていたのだった。
「はい、そう言おうとしましたよ。で、どういう条件ですか?」
『前から気になってたけど敬語で呼ぶのをやめて。もっと親しい感じで接してくれるとありがたいかなぁ〜なんて』
「まぁそれくらいなら…じゃあクロエ、お願いしてもいい?」
『うん!うん!任せてよ!』
そう言って嬉しそうに悪魔の構築した術式を破壊していく。
「なっ…なぜワシの術式が消え…くっ…術式の構築が追いつかん……」
クロエの妨害を受け、ブレイドの魔法を食らう。
そして相手には一切のダメージが与えられないという悪循環に陥ってしまい、悪魔は焦りを募らせていた。
(これは本格的にマズイ…ワシの今の全力をぶつけて勝てるか…?いや、勝てぬであろうな。かと言って逃げるのはワシの沽券に関わる…こうなれば一か八か一発逆転を狙うとしよう)
そのように考え、悪魔は突然術式の構築をやめた。
それに2人は多少の不信感を募らせながらも攻撃を続けていく。
それに対して悪魔は一切の防御を捨て、ある1つの術式の完成を目指した。
そして、その魔法は術式の完成を邪魔されないように自然と悪魔の意思に関係なく防御を始める。
これには全力を出すことを制限しているクロエは邪魔をすることができなかった。
そして、その魔法が発動する。
「食らえ!ワシの命を賭した全力の攻撃!ワシも死ぬがおぬしらも道連れだぁぁあ!バースト・オブ・ライフ!」
その魔法が発動し、全てを等しく死へといざなおうとする。
それは悪魔の全魔力、そして命までもをかけた絶対の攻撃。
これを食らえばクロエはともかくブレイドは致命傷を免れないほどの破壊力を秘めていた。
そう、これを"喰らえば"だが…
(クロエは古代術式の応用で相手の魔法を消していた…そして目の前で見たことにより大体は理解できた。魔力にも余裕がある。今なら…いける!)
そうしてブレイドは見様見真似で術式の破壊を試みる。
なるほど…確かにあの術式の防御は硬い…だけど更に出力を上げれば破れる!
そうしてブレイドの魔法は悪魔の術式を破壊しようとするが、悪魔側も抵抗する。
しかし、ブレイドのほうが出力が上で悪魔の術式破壊に成功する。
「これ以上被害は出させない…だから、これで終わらせる!」
そうしてブレイドは戦いを終わらせるべく古代術式を利用した魔法の展開を始める。
それはこれまでの比ではない威力の魔法だ。
しかし、魔力消費はまだブレイドが慣れていないこともあり、これまでの比ではない。
そんな中でもブレイドは数え切れないほどの術式を展開する。
「これで終わりだ」
その魔法を防ぐ力が残っていない悪魔にはただただ受け入れる他道は残されていなかった。
(あぁ、これは…無理だな…ワシはどこで間違えた?はじめから…か……)
そうして悪魔は消えていくのだった。
「ルミナス、二人の容体は?」
『うん、ひとまずは大丈夫、呪いも解除したからこっちは任せて仲間のとこに行ってあげなよ!』
「うん、ありがとう」
そうしてブレイドはそれだけいうと時を止め、当たり前のように動いているクロエと共にエイダの下へと向かうのだった。




