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新しい仲間

ブレイドが魔王軍に入ることになり、まずは幹部との顔合わせが行われることとなった。

ブレイドが会議室の扉を開けるとそこには、エイダとブレイドが倒してしまった3人の幹部の姿があった。


「ほれ、そこに腰を下ろすが良い」


「しかし、僕のような新人が魔王様や幹部の皆様のようにするわけには…」


ブレイドが迷いを見せていると幹部の一人が高らかに笑いながらブレイドを無理やり座らせた。


「ハッハッハ、お前も今日から俺たちの仲間なんだ。遠慮は要らねぇよ。それにお前と俺等は対等な立場だからな」


「は?………え?」


何を言っているのかわからないと追った様子のブレイドを放置してエイダは自己紹介を始めた。


「まずは自己紹介じゃな。わしはエイダ・オリヴィア。父上の座を継いで魔王をしておる」


「俺はグレゴリー・バーンだ。これからよろしくな!」


「あたしはスレッド・オベール。きのうは悪かったわねいきなり襲いかかってしまって」


「次は私ですかね?私はエリア・トレスト。一応魔法が得意なんですけどあなたほどじゃないかな?」


四人の自己紹介が終わるとブレイドも、自分のことについて話し始めた。


「僕はブレイド・オーティスです。気がついたらここにいたんですけどこれからは魔王軍のために自分の持てる力を使っていこうと思います」


「うむ、それはいいことじゃ。ちなみにさっきの話じゃがこれは4人で話し合った結果じゃ。お主のようなわしらよりも力を持つものが幹部におるほうがいざというときに便利じゃろ。それにおぬしは裏切れぬゆえ安心して任せられるというものじゃな」


「それに魔王様としては新人でも力を身につければ幹部になることができる、と皆さんのやる気を出させたいみたいですね」


「その理屈はわかりますがさすがに魔王軍に入ってすぐ幹部になるということはよくないのでは…」


「うむ、それもそうじゃな。それならば他の兵にも伝えるとしよう。反発するものもおるじゃろうがその場合はお主の力で勝利し、魔王軍幹部としての立場を確立してみせよ!」


「そういうことでしたら了解しました。認めてもらえるようが頑張ります」


「おぬしなら心配は要らぬであろうが頑張るが良い。それに善は急げじゃ。明日にでもこのことを発表するとしよう。お主の部屋を用意させたゆえゆっくりと休むのじゃぞ。とは言ってもベッドくらいしかないのじゃがな。お主の仕事部屋の裏に作らせたゆえそこを個人スペースとして使うがよい」


「何から何までありがとうございます。絶対に活躍してみせますね」


そうして、ブレイドは部屋へと案内され、休息をとるのだった。


「ふぅー、今日は疲れたな。魔王軍に入って早々に幹部になれとか言われたしこれから頑張っていけるかな…。いや、魔王様のために働くと決めたんだ、精一杯頑張ろう!まずは明日の顔合わせだけど…まぁ細かいことは明日考えるか」


そうしてブレイドは眠りにつくのだった。



ブレイドの魔王軍入隊の直後、エイダとエリアとスレッドとグレゴリーは密かに話し合いを行っていた。


「お主らはブレイドをどのような立場にすればよいと思うかの?」


「私は1回誰かの部下として働いて経験を積んだあとに昇級させて幹部にするのが良いと思います」


「いんやあいつはもう俺らと対等な立場で働かせたほうがいいだろ。なんせあいつは俺らよりも強いんだ。部下に教えを乞うなんざ俺にできるかよ。それに比べて対等な立場のやつとならお前らも指導してもらいやすいんじゃねぇのか?」


「あたしはどちらかといえばグレゴリーの案に賛成ね。私たちの強化につながるしブレイドという大きな壁を目標として皆やる気を出してくれそうだもの」


「ふむ、2人がすぐに幹部とするほうが良いと考えているようじゃがエリアはどうじゃ?」


「確かにそうすることによるメリットもありますが兵たちからの目が気になりますね…入ってすぐに幹部だなんて羨望の目を向けられ、あまり良く思われないのは確かでしょう」


「それに関しては実力を示してもらえばいいだろ。あいつの実力なら誰も文句は言わねぇだろ」


「はぁ〜、あなたは意見を変える気がないようですね…。仕方ありません今回はあなたたちの案に賛成してあげます」


「そうこなくっちゃな」


「そうよ、最初からそう言えばよかったじゃない」


「まぁまぁお主ら一旦落ち着かんかい。それではブレイドには明日伝えるとしよう」


そうして、この日の会議は終了したのだった。



「緊張しておるか?」


「はい、さすがに心の準備ができてないというかなんというか…」


「まぁ安心せい、おぬしならきっと大丈夫じゃ。ほれ、さっさと行くぞ!」


そうしてエイダに半ば強制的に連れられて兵たちの前にブレイドが出た。


「お主らに新たな幹部を紹介しよう。ブレイド・オーティスじゃ。新参者じゃが実力は確かじゃ。お主らも鍛えてもらうと良いぞ」


ざわざわと兵たちが話し、疑いの目と羨望の目がブレイドに向けられていることがわかった。


「始めまして、この度幹部になったブレイド・オーティスです。これからよろしくお願いします」


まばらな拍手に包まれているとエイダが突然


「まぁお主らが疑う気持ちもわかるからお主らにこれからブレイドとの模擬戦を行ってもらう。魔法から物理攻撃まで何でも使って良いぞ。それが一番手っ取り早いじゃろうて」


そうしてブレイドと魔王軍の兵士たちの模擬戦が行われることとなった。

結果はもちろんブレイドの圧勝で今度はブレイドへの憧れの目が向けられることとなるのだった。

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