グレゴリー・バーン?
エイダがスレッドの回復をしている頃、魔法の直撃を受けたグレゴリーは自身から魔力が抜けていくのが分かった。
(あぁ…所詮これは仮初の力で俺の力ではない。だが…ここで……ここで終わるわけには行かないっ…!)
グレゴリーが体に力を入れて立ち上がろうとしても体が思うようには動かない。
(クソッ……なんで動かねぇんだ。動け、動けよ…!)
必死になって魔力を使いながら体を動かそうとすると、異変は突然起こった。
グレゴリーの身体からドス黒いが溢れ出し、グレゴリーを包み込む。
それと同時に、グレゴリーの意識は闇の中へと沈んでいった。
回復が終わったエイダは異変を感じていた。
「なんじゃ?グレゴリーの魔力ではない魔力を感じたと思ったが…」
「魔王様、グレゴリーはもとからあんなに強くはありません。ですからおそらく何らかの禁術を使ったのかと」
「なるほどのぅ…確かにエリアの言っていることは一理あるのぅ。しかし、だとすると身体をのっとられたと考えるべきじゃが…わしらだけで勝てるか?いや、意地でも倒してやろうぞ」
「「はい」」
そうして、3人はグレゴリー?と対峙するのだった。
「久しぶりのシャバだなァ!てか何だよコイツ。オレ様の力を貸してやったっていうのに負けやがってよォ。確かコイツを倒したヤツらがあっちの方に行っていたな…っとあいつらか……まぁ余裕だな」
そうしてグレゴリーの身体を乗っ取った悪魔は3人を見据え、魔法の準備を始めるのだった。
悪魔、魔界に住む荒くれ者であり、天界に住む天使と対立関係にある種族だ。
そして、悪魔は闇属性であり天使は光属性であるため、悪魔は天使に弱いとされている。
しかし、それは正しくもあり間違ってもいた。
この2種族は基本的に魔力体で行動している。
しかし、悪魔には人の身体を乗っ取る力がある。
それにより、肉体を得た悪魔はさらに凶悪な性能になってしまう。
物理攻撃は効くようになってしまうが、そのかわりに魔力量は増え、魔法の威力も上がり、さらには魔法への耐性も得る。
こうなってしまうと天使との相性もひっくり返せるほどであるのだ。
そうして、エイダ達vs受肉悪魔が始まった。