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召喚

ブランは直感的に自分の死を覚悟していた。

呪いはじわじわと体を蝕んでいく。

先程までのロバートの呪いとは違い、カーライルの呪いには回復封じだけでなく腐食の呪いまで付与されていたのだ。

体は徐々に腐っていき、ルナ、ブラン共にもう既に移動をするのは困難を極めていた。

自分たちが倒れてからどれだけの時間が経ったのだろうか。

そして、まだ詠唱の終わらないカーライルの魔法、それは一体どれだけの災害をばらまくのだろうか。

そんな事を考えながら空を見つめているとカーライルの目の前にドス黒いオーラをまとった魔法陣が現れた。

そして、そこからブレイドたちが討伐に向かった悪魔よりも異質で、強烈な魔力を放っている明らかにやばいやつが姿を現したのだ。


「ふむ、久しぶりに人間界に呼び出されたな。そして、お主ワシを呼んだということは何かしら目的があるのであろう?生贄の質次第では考えてやらんこともないがな」


その悪魔の放つプレッシャーにカーライルが少し気圧されながらも言葉を口にする。


「生贄はこの闘技場に残っている観客、そして、魔王軍の兵すべてを差し出しましょう。その代わり、この俺、カーライルに手を貸し、人間たちの住む街を滅ぼしていただきたく…」


そこまで話したカーライルの首が突然胴体から離れ、ブランの横にドシャっと音を立て、落ちてきた。


「ふん、実にくだらん。それにワシも舐められたものよ。このような質の低い生贄では何もやる気が起きん。まぁ呼ばれたからには多くのものを取り込み、力を得るとするか」

それだけいうとルナとブランに目を向ける。


「お主らに恨みはないがワシのためになれるのだありがたく死ね」


そう言って魔法を放つ。

そしてその魔法は2人に届………くことはなかった。


「ふぅ〜、危なかった。2人とも大丈夫…ではなさそうだね。ルミナス2人を回復させてくれ」


ブレイドがその魔法を消し去り、そう言うと突然空間に穴が空き、そこからルミナスが出てきた。


『はーい!あたしに任せてよ。呪いがかかってるみたいだけどこれくらいならすぐだからさ』


「なっ、ワシの魔法を消し去った…じゃと?」


悪魔は驚きの表情を浮かべ、一瞬固まった。

その隙を狙って魔法が放たれた。

それにより、悪魔の体が氷漬けにされてしまう。


『とうっ!私の魔法でおとなしくやられてなさい!ブレイドに手を出したら許さないんだから!』


ブランは倒れ、意識を失ってしまっているルナと自分の回復がされているのを感じた。

そして、ブレイドとクロエという最強の助っ人が間に合ったのだと安堵し、そのままブランは意識を手放したのだった。



      〜少し時は遡る〜



『はぁ〜、仕方ない。ブレイド、この悪魔はわたしに任せて部下たちのもとに行って助けてあげなよ。』


「いや、でも2人でも勝てなかったんですから…置いていけませんよ」


突然そんな事を言いだしたクロエに対しブレイドは思わずそう口に出した。

しかし、そこでクロエは笑みを浮かべてしてやったりとドヤ顔で話し始める。


『ふっふっふっ、ブレイドはほんとにわたしの全力があの程度だと思っていたの?』


「そ、それは…」


『実はブレイドのためにならないからみんなで全力で戦わないようにしようって決めてたんだよね〜。でもこればっかりは仕方ないから速攻で終わらせるから安心して?』


そう言うとこれまでとは比にならないレベルの魔力が収束していくのが伝わってくる。


『申し訳ないけどこれでおとなしくやられて?』


クロエがそう言うと同時に悪魔の体が完全に凍り、やがて崩壊し始める。

完全に悪魔が消えたのを確認した2人はルナ、ブランの下へと向かうのだった。


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