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事故

1試合目が終わったあと、これまでとは違いすぐに次の試合に移ることができなかった。

なぜなら、先ほどの試合で荒れた闘技場の整備が大変だったからだ。

これまでの試合では多少地面がえぐられることはあったもののそれはすぐに整備できる範囲だったので直ぐに次の試合へと移せていた。

しかし、先ほどの試合では竜巻で地面がめくり上がり、すぐには戻せないような状態になってしまっていた。

これにはブレイドは力になれそうもなく観客たちの力も借りて何とか元に戻す事ができた。

そうして、約1時間ほどがたった頃試合開始できる状態になった。


「それではこれからブランとヴァレンタインの試合を開始します。試合開始!」


その宣言のあとヴァレンタインが先に仕掛けた。

ブランとの間合いを一気に詰め、短剣で斬りかかろうとした。

しかし、そこで予想外のことが起こってしまう。

突然地面が爆発し、2人とも後方へと飛ばされてしまった。


これにはさすがに試合どころではないとブレイドが判断し、2人を魔法で受け止める。

ブランはヴァレンタインの攻撃を受け止めようとしていたこともあり、何とかダメージを抑えることに成功していたがヴァレンタインは違った。

防御を捨てて攻撃をしようとしていたため咄嗟に防げずに大ダメージを負ってしまっていた。


『だ、大丈夫なの?その子』


クロエが観客席から飛んできてそう問いかけてきた。

ぶっちゃけ大丈夫ではなかったのだ。

そして試合を中止し、ヴァレンタインを急いで裏へと運んで回復をしようと試みるが回復しない。

ブレイドも回復魔法を使っているが回復が間に合わない。

そして、仕方なく部屋にいた人を退席させてブレイドは唯一の希望にすがった。


「くそっ…仕方ない、頼むルミナス!」


『あたしを呼ぶってことは回復してほしい人がいるってこと?』


「うん、そこにいる吸血鬼のヴァレンタインの回復をお願いしてもいいかな?」


『まったく…あたしを誰だと思ってるのさ。すぐに回復してみせるよ』


そう言うと瞬く間に傷が癒えていく。


「ルミナスありがとう!僕では回復量が足りないみたいだったから助かったよ」


『え…?ブレイドでも多分回復できたと思うけど…でも確かに少し変だったなぁ』


「変だったってなんかおかしなところがあったの?」


『うん、外傷を見る限り爆発によるダメージだと思うんだけどなんか呪いがかけられていたんだよね。回復魔法が効きづらい効果がついていたけどあたしにかかればその呪いも簡単に祓えるんだよね!』


「なるほど…ってじゃあ一応ブランの回復もお願いしてもいい?」


『別にいいよ〜』


そうして、ブランの様子も見てもらうとやはり呪がかけられており、その呪いを解いてもらった。


『やっぱり変だよ!この呪いは自然で発生することはない。だから誰かしらの意図が絡んでいると考えることができるんだよね。そしてここからはあたしの仮説になるけど多分ブレイド、君の立場を狙っている人がやったんじゃないかな?』


「え?僕の立場?」


思いも寄らないその言葉に咄嗟にブレイドはそう聞き返してしまった。


『うん。多分この試合を主催したのがブレイドだから今回の事故を意図的に引き起こしてで誰かを殺すことで魔王軍から追放しようとしたんだと思うよ?』


「なるほど…確かにそれもあり得るね、じゃあこれからはより気を付けていくよ」


『うん、あたしもそうしたほうがいいと思うよ〜。じゃああたしはこのくらいで、またいつでも呼んでよ!』


そうして、ルミナスと別れたブレイドはこれからの試合についてや今回の事故のことについての考えにふけるのだった。

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