部下最強決定戦 準決勝 1試合目
昨日の投稿を忘れてました、すみません…
初戦も終わり、試合数が少なかったこともあり準決勝となったわけだが早速このトーナメントを開催した意味が出始めていた。
負けた者達だけでなく次の試合を控えた者達も自分の足りないところを確認し、各自でその部分を補うように訓練を始めていたのだ。
試合の前日くらい試合に出る4人はやめたらどうかとブレイドが話しかけてみたもののみんながみんな勝つためだと必死になって訓練に取り組んでいた。
そしてブレイドが、次の日4人が疲れが取れない状態での戦いになってしまうのではないかと考えてのその提案だったがそれは杞憂に終わった。
「今日の試合もわたくしが絶対に勝ってみせます!」
「い、いや、私がお姉ちゃんの分まで頑張るんだ…!ぜ、絶対に負けない」
「それじゃあ2人の準備もできたみたいだから試合を始めます。試合開始!」
まず仕掛けたのはルナだった。
「アイスバレット!」
ルナのその魔法をシュナは風の魔法で包み込み、勢いを殺したあとそれを今度はルナへと打ち返した。
「おかえし、です!」
そして、今度はルナがその魔法を、扇で撃ち落とす。
「ふぅ〜今のは危なかった…」
ルナはそういいながらも内心は
(なるほど…下手な威力の魔法だと風魔法で跳ね返される…ならばやることは1つ!打ち返されない威力で魔法を放つのみ)
そう考えながら今度はさらに威力の高い魔法を放った。
「ブリザードランス!」
今度は先ほどよりも大きい氷の塊が勢いよくシュナを狙う。
風魔法で打ち消そうとするがあまりにも重すぎて勢いもうまく消せない。
「こ、コレがだめなら…」
そういってルナとの間に竜巻を発生させ、それをルナへとはなった。
その竜巻の中には雷をまとわせて火力も高めている。
それはブリザードランスをも巻き込んでルナへと向かっていく。
それをなんとかしようとするがすぐには解決策は出てこない。
そのため、とりあえずシュナの方へと向かって避けようとした。
しかし、竜巻もルナを追尾してきており逃げ切れないでいた。
その状況にさらに追い打ちをかけるようにシュナはもう一つの竜巻を発生させた。
「くっ…わたくしの魔法がことごとく無効化されて…魔法がだめなら接近戦で!」
そして、今度は身体強化魔法を使って距離を縮め、扇でシュナへと襲いかかる。
しかし、その攻撃は事前に発生させていた風と防護魔法によって防がれる。
(あれ?竜巻がさっきの場所にとどまっていた…?もしかして自動追尾ではなく目視で動いてる…?)
その仮説に基づき一旦距離をとると視界を奪うべく魔法を放った。
「アイスミスト」
そうして、2人の周りに細かい氷のミストができていく。
それにより、先ほどまでルナに迫ってきていた竜巻が明らかに正確な動きではなくなっている。
それを見て自分の予想が当たっていたと確信を持ったルナが反撃を開始した。
「う、うそ…私の魔法の弱点を一瞬で見抜かれた…?と、とにかくコレをなんとかしないと…」
そうして、風魔法でミストを吹き飛ばして視界をクリアにしようとする。
しかし、突然目の前に氷の塊が現れたことにより、あっさりと後方へと吹き飛ばされてしまった。
しかし、それと同時にその魔法がきた方向に向けて竜巻を向かわせた。
そしてそれはルナへと直撃し、大ダメージを与えることに成功した。
それでも氷の防御が思ったよりも厚く多少はダメージを抑えることには成功していた。
そして、それが勝利へと直結した。
ルナの魔法が消えるとそこには満身創痍のシュナがいた。
それを見てブレイドが判定を下した。
「そこまで、勝者ルナ!」
観客たちは何が起こったかは視界が悪かったせいでよく分かっていない。
しかし、ルナが勝ったという事実は理解したためとりあえずで歓声を上げた。
「ルナ、よく相手の魔法の弱点を見抜いたね。あれができていなかったら勝ち負けは逆だったけどしれない。そして、今回の試合を通して応用力が身についてきたんじゃないかな?それを結晶でも活かすように」
「はい!わたくし、絶対に優勝してみせます!」
そうして、1試合目が幕を閉じたのだった。