部下最強決定戦 初戦 3試合目
3試合目 ミア・アビス vs シュナ
「いよいよ次が本日最後の試合です!最後はお互い魔法がメインであるミアとシュナの試合なので皆さん最後まで応援よろしくお願いします!」
ブレイドのその宣言により観客はうおおぉぉ!と盛り上がりを見せた。
そして、ミアとシュナは少し照れながらもその歓声に応えようとしていた。
そして、互いの準備が整ったことで戦闘開始の合図が出た。
「それでは3試合目開始!」
その合図によりミアはすぐに詠唱を始めた。
簡単な魔法であればその技名を発するだけで使える。(本来はそんなことない。教える人がおかしいだけ)だがしかし、上級魔法はブレイドなどの例外を除きとても長い詠唱が必要となるのだ。
「すべてを飲み込む漆黒よ、我が声に応じ…」
そんな無防備な状態で詠唱をしていてそれを見逃すわけはなくシュナは魔法をミアへ向けて放った。
「サンダーボルト!」
そうしてその魔法はミアへと当たり、簡単に決着がつく…………ことはなかった。
ミアの発動途中である魔法により、シュナの魔法が飲み込まれてしまったのだ。
闇魔法とはすべてを飲み込み、無に帰す魔法だ。それに対抗できるとすればすべてを明るく照らし癒やしや天誅を下すという光の魔法か卓越した技量の魔法くらいだろう。
しかし、シュナはそのどちらも持ち合わせてなく魔法を放ってはことごとく打ち消されてしまっていた。
「うっ…わ、私の魔法が…。ど、どうしよう。もう少しで魔法が完成しちゃう…あれを食らったらし、死ぬかも………いや、あれを耐えれるように防御を固く…!」
そう言うと周りに何重にも防護魔法を使い、自身の身体を守り衝撃に耐えようとしていた。
しかし、その様子を見てブレイドは
(いや、あの規模の闇魔法なら今のシュナには耐えきれないはず…。防護魔法は闇魔法で打ち消されてしまうから……もしものときは助けに入ろう)
と、そんなことをかんがえていた。
そして、ついに闇魔法の詠唱が終了し、魔法が完成した。
「わが手に集い、敵を殲滅せよ!ダークバインドエンド!」
「うわわ、サンダーボルト、ウインドエッジ、サンダーボルト、ウインドエッジ〜!」
シュナは意味がないと分かっていながらもがむしゃらに魔法を放ち続けた。
そして、ミアの魔法がシュナを飲み込もうと接近したところで突然魔法が弾けた。
防護魔法のお陰でだいぶ被害は抑えれたがシュナは後ろへと飛ばされてしまった。
そして、地面に受け身も取れずに打ち付けられてしまった。
「がっ……あっ…くっ」
そうして、何とか立ち上がったシュナだったがもう満身創痍でまともに戦えそうにない。
そして、ミアの方はというと何が起こったのかわからないといった様子で呆然と立ち尽くしていた。
(なるほど…ノアさんの魔法とは違い飲み込んでそのまま魔法を溜め込み続けるといった魔法だから限界が来て破壊されてしまったのか…。)
そして、ブレイドがミアへと目を向けるとミアは再び同じ魔法を放とうと詠唱を始めていた。
しかし、シュナはもう何もできないといった様子で見守ることしかできないようだった。
ブレイドがミアが魔法を放ったら止めてミアの勝ちにしようと考えていた所、先に片方が地に足をつけて倒れた。
倒れたのはミアだった。
これにはブレイドも観客たちももちろんシュナも驚いていた。
しかし、ブレイドはすぐに納得した。
(ミアは元々魔力量が少なかった。あれから強化して上級魔法を花てるようになったけど何発も連発できるほどの魔力はなかったってどこか)
考え終わるとブレイドは試合終了の合図をした。
「そこまで、勝者シュナ!」
シュナの諦めないで攻める姿勢を称えるように観客席からは盛大な歓声が飛び交った。
「おめでとうシュナ。今みたいに魔法で相手の魔法を打ち消すことができる。ただし、みんながみんな一発しか撃ってこないわけじゃない。ミアにはまだ魔力が足りてなかったから一発で終わったけどたぶん次はそうはいかない。だから次に戦うまでにその対策を考えたほうがいいと思うよ」
「は、はい!ありがとうございます」
そうして、ボロボロの2人は医務室に運ばれ、治療を受けることとなった。
そして、次の試合の開催は5日後と決まった。
2回戦 第1試合 ルナ・ミーシャ vs シュナ
第2試合 ブラン・ホワイト
vs ブラッディー・ヴァレ
ンタイン