仕事の処理
ブレイドが魔王城に帰ってきてから1週間が経った。
それからのブレイドはセントウェルダンに行っている間に溜まった仕事の処理とクロエの相手をするのに追われていた。
仕事だけでも大変で睡眠時間を削りながらどんどんと追加されていく仕事を着々とこなしていた。
しかし、その合間にクロエが構ってほしそうに見てきたりちょっかいをかけてきたりしたため仕事が思うように進まない。
『ねぇねぇ〜、少しくらいは構ってくれてもいいじゃん。だんだん冷めた対応しかしてくれないしさ〜』
「それはこの書類の山を見てから言ってもらえます?このほかにも裏の部屋に山のように積んでありますけど手伝ってもらえませんか?」
『げっ、じ、じゃあわたしは部屋に戻るね〜!仕事がんばってね〜』
そういって急いで部屋から出ていったクロエを見送り、書類の処理に再び手を付け始めたのだった。
それからしばらくしてドアをノックする音がきこえ、ブレイドは一旦書類処理の手を止め、入ることを許可した。
「失礼します、ブレイド様は最近訓練の方に顔をお出しになっていないですが少しでもいいので見ていただいてもいいですか?」
「確かに最近仕事が忙しくて見に行けてなかったね。よし、じゃあ今から行こうか」
そういってブレイドはブランと共に直属
ブレイドが到着するとみんなが訓練を止めてブレイドの下へと集まってきた。
「ブレイド様、わたくしは安定して魔法を放つことができるようになりました。次はどうすればいいのですか?」
「わたしはシュナとルナさんと一緒に魔法の大きさなどを安定してできるようになったんですけど次はどうすればいいですか?」
「わ、私はあまりそれが得意じゃなくて、ど、どうすればいいですか?」
「僕はフェルと一緒に剣技の特訓をしたり筋トレをしたりしていました。腕試しをしたいんですけどできませんかね」
「僕もヴァレンタインくん以外とも戦ってみたいです。少しは強くなったと思いますがどれくらい通用するか知っておきたいんです」
「あたしは魔力がだいぶ増えて大規模の魔法も使えるようになったんですが力試しがしたいんです!どうにかしてくださいませんか?」
「俺も同意見ですね。少しは強くなった自覚があるので力試しをしたいですね」
「みんなは力試しがしたいんだね?ならみんなで1回トーナメント形式で戦ってみない?」
そう提案するとみんなは歓喜してくれてどのように戦うかを考え始めたのだった。
『なになに〜?なんか面白そうなことしようとしてるじゃん。私も混ぜてよ〜』
「ブレイド様、この方は誰なんですか?」
『わたしはクロエ・ブリーズ!ブレイドくんの将来の嫁だから!』
その言葉に一部の兵が羨望の眼差しをクロエに向けたり妬みが含まれた目をむけたりしていたため、ブレイドは
「自称だから気にしなくていいからね?」
といったがみんなはクロエに対し敵対姿勢を見せていた。
『ふふん!たわしはとっても強いんだからね!文句があるなら実力で黙らせてみたら?』
クロエがそう煽ったのをきっかけにみんながクロエにかかっていった。
もちろんクロエに兵たちの攻撃は通らなかったがしれっとブレイドが仕事の邪魔をしてきた憂さ晴らしに魔法を放っており、それは油断していた最初の一撃だけクロエに通った。
しかし、すぐに兵たちが完膚なきまでにボコボコにされてしまったため、ルミナスを呼び、見られないようにしながら回復してもらい、兵舎まで運び、この日の訓練は終了したのだった。
『ちょっと〜なんでブレイドくんまでわたしに魔法を放ってきたの?ちょっと焦ったんだからね!まぁそれはそれでいいけどね』
「いや、別に理由はないんですけどちょっと仕事を邪魔されたことによるストレスが溜まっていたからですかね?」
『要するにわたしのせいってこと?』
「はい」
そんなやり取りをしながら執務室まで戻り、仕事を再開するブレイドだった。
さらに、兵たちのトーナメントをする予定も正式に決定し、後日行われることになるのだった。