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唯一俺だけ男の魔女  作者: ののん
入学編
4/20

4話

 茜と真白が何かを言い合っているのを置いて次の少女が陸の方に近づいてくる。

 

 「それじゃあ次は私の番ね。はじめまして、男の子の魔女さん。男の子なのに『魔女』というのには少し違和感がある得れどそれはどうでもいいわね。私は雲川(くもかわ)刹那(せつな)。よろしく頼むわ」


 手をさ差し出してくる少女。

 陸はそれに答えて手を取り握手を返しながら雲川刹那と名乗った少女を観察する。


 真っ白なセミロングの髪は空に浮かぶ綺麗な雲のような色合いで、瞳の色は金色。その瞳はているのに何故か閃く雷が雲の間から覗いているように輝いている。

 声のトーンは少し低めで少しボーイッシュな印象を与える。


 「ああ、よろしく頼む」


 特に何が起きることもなくお互いに手を放す。


 「ここは他のみんなのように私ももう少し詳しく自己紹介した方がいいわね」


 そこで口元に拳を近づけてコホンと一度咳ばらいをしてから刹那は続ける。


 「都市は十七歳。魔法はこういうのよ」


 そういいながら掌を誰もない方向に向けるとそこから白い糸がとっび出してくる。

 

 「私は自由に魔力で作った糸を出せるの」

 「スパイ〇ーマンみたいな魔法か」

 「おい、私をアメコミの全身赤タイツのヒーローと一緒にしないでくれない。それはさんざん言われたのよ」

 「わ、悪かった」


 思わず脳裏に浮かんで口から出た言葉にぐったりとした様子の刹那。そんな白髪の少女の反応に悪気を感じて陸も素直に謝った。と、それと同時にさんざんこのネタで言われて疲れているんだろうと、手を地帯に充てる少女を見て少し同情も覚えていた。


 「あのヒーローは全身赤じゃない。下は青」


 そこに話を終えたのか空色の髪の少女が淡々といた口調で話しに入ってきた。


 「今は別にそこはどうでもいいのよ」

 「どうでもよくない。そこを間違えると全世界のファンが怒る」


 はぁ、と溜息をを吐く刹那。

 見た目はボーイッシュなイメージを与えるが色々と話しているうちに真面目な苦労人の女性とめーじになる。


 「あの、今は刹那さんが陸さんに自己紹介をしているところなので、あまり話に入らない方がいいんじゃないでしょうか」

 

 薄い目根を張って全世界のファンから怒られないように注意をしたドヤ顔(無表情)少女をあわあわとした表情でフワフワ系少女が窘める。

 だけど態度を崩さないでドヤ顔(無表情)少女は続けた。


 「私は陸のお姉ちゃん。だから話に入る権利がある」


 その言葉にフワフワ系少女はポカンとしてしまった。

 その言葉からは冗談めいたものを一切感じなくて日菜は驚いていた。

 この空色髪の少女、白銀真白は本気ではないのかと。

 先程言っていたことは冗談だろうと思っていたけど、そうではないのではと。彼女との付き合いのまだ長くない自分ではその無表情な顔つきからは本音が読みづらい。だから本当に本気なのかは分からないけどそれでも今の真白は本気に感じる。


 「どうしたの、ひなひな?」


 驚いてポカンとしていた日菜だったが、そのあとに考え事をしていて少し神妙な顔つきになっていたらしい。そんな後輩を見て戦費は覗き込んで心配そうに尋ねてくる。


 「いえ、ただ真白さんってあんなに話す人だったかなと思いまして」

 「うーん、言われて見らばそうかも?」

 「今まではどこか一歩引いた感じでしたけど、陸さんにはそれがないように見えます」

 

 日菜と茜は楽しそう(無表情)な少女に視線を送りながら会話していた。

 そのすぐ隣では刹那は二人の会話には特に気にすることなく溜息を吐いている。


 「君が姉かどうかは置いておいて今は私の話に戻していいかしら」

 「そうだな、真白のことは置いておこう」

 「置いとかないで、おいていかれるとお姉ちゃん悲しい」

 「「…」」


 陸と茜の二人は手を目元に充てて泣きまねをする空色髪少女を一度見てから、お互いに視線を合わせ会話を再開する。


 「本当に置いておかれた」


 それに不機嫌そうに(無表情)ぷいっと顔を背ける。


 「えっと、私のこの魔法だが基本は拘束に使うことが多いな。あた糸を束ねて色々と出来る。サポートがメインとなる」


 刹那は掌を上に受けるとそこから糸を出現させ、その糸で様々な形を作っていく。


 (応用性の高そうな魔法だな。強度は分からないが、魔力の糸と言っていたし、魔力量によってはかなり強力なものになるのだろうな)


 創造系の魔法は魔力によって作られる。そして作られるんのは込められた魔力によって強度や大きさ、色や形などが変わってくる。


 「とまあこんなところだな。何か質問はあるか」

 「いや、今のところは大丈夫だな。気になることがあったらまたその時に訊かせてもらうよ」

 「ああ、なら改めてよろしく頼む」

 「こちらこそ」


 二人は改めて握手を交わした。


 「はいはーい!そしたら次は自分達っすね」


 刹那の自己紹介がひと段落をしたところで、それお見計らって一人お少女が入ってきた。

 その少女は更にもう一人少女の手を引いている。


 「ほらほら、恥ずかしがってないで自己紹介するっすよ董子(すみれこ)ちゃん」


 董子と呼ばれた少女は黒い前髪で目元が隠れていて表情はうかがえないが、それでもビクビクとしていて恥ずかしがり屋という印象を与えてくれる。


 「(は、恥ずかしよう…」私、男の子と話したことなんてあまりないのに…)」


 目元を前髪で隠す少女は小さな声で自分をここまで引っ張ってきた少女に呟く。その声は鈴のおような綺麗な声で小鳥が囀っているようだ。


 「いつにもまして声が小さいっすよ。自分も半分くらいしか聞き取れなかったっす」


 恥ずかしがりや少女はいつも声が小さい。そして威勢が苦手だ。

 だからあまり接することの少ない威勢が近くにいるということでいつにもまして恥ずかしがりを発揮していたのだ。


 「仕方ないので代わりに自分がするっすよ」


 不自然なほ動かない前髪少女は首を何度も縦にっふり自己紹介を他人に任せる。その時も前髪が目元を隠す仕事はきちんとしている。


 「この子は桐ケ谷(きりがたに)董子。見ての通り恥ずかしがりやっすけどとっても良い子っすよ」


 そう紹介された董子はぺこりと頭を下げると小さくなって紹介してくれた少女の後ろに隠れる。

 そんな盾にされている少女はあははと軽く笑ってから改めて陸の方を向く。

 

 「次は自分っす。自分は草薙(くさなぎ)桔梗(ききょう)。よろしくっすよ」


 草薙桔梗と名乗る少女は肩口まである薄い緑の髪に白の花の髪飾りをつけ、瞳の色は深い緑。背はこの中では中学二年生の少女につぐ大きさで小さめである。


 「あ、背は小さいっすけど十七歳っすよ」


 胸を張る小さい年上少女。その胸も小さい。


 「陸はきっと勘違いをっしている。桔梗の胸は大きい」

 「えっ?」


 またしても白髪の少女が話に入ってくる。陸はその真白の言葉に視線を小さな年上の少女の胸元へと向けてしまう。


 「そうっすよ。自分の胸はこの中で一番大きいっす」


 胸を張って言う自称居乳少女。陸は怪訝な目を向けてしまう。


 「その目は疑ってうっすね?なら触ってみるっすか?」


 そう言われたら確かめるために触るしかない、

 なんて訳はなく陸は何もせずに無言だった。


 「おい、そういう冗談は危ないからやめておいた方がいいわよ」

 「冗談じゃないっすよ?」


 刹那が注意知るが当然とばかりに本気だと言う自称居乳少女。

 桔梗の表情からこの場にいた全員に本気さが伝わり全員唖然とする。


 「そ、それよりもお二人の魔法の説明をした方がいいんじゃないでしょうか」


 沈黙を割ったのは中学二年生のフワフワ系癒し少女の日菜だ。陸はまたしても日菜の助け舟のような行動に微笑ましさを感じつつありがたく思う。


 「そうっすね。自分の胸が小さいと誤解されているというのは少し納得いかないっすが話を進めるっす」


 一度言葉を区切り桔梗が続ける。


 「まず自分の魔法から説明するっすね。自分の魔法は植物操作の魔法っす」


 桔梗は制服のポケットから植物の種のようなものを取り出すとそれを陸に見せるように手を前に出す。しして暫くしてその種が土に植えられたようにどんどんと成長していき白い花が咲いた。


 「こんな感じで花を咲かしたり出来るっす。ほかにも」


 そう言葉を途中で止めて視線を手の中の花に向ける。その花は大きくなったり葉が増えたりと様々な変化を起こしていく。

 

 「こんな感じで魔力で色々出来るっすよ」


 (雲川と同じく色々と融通の利きそうな魔法だな)


 彼女の魔法もサポートがメインとなるらしい。


 「次は董子ちゃんの魔法っす」


 自分の魔法の説明を簡単に終わらせた桔梗は視線を後ろに隠れる少女に向ける。


 「ほら何か出すっす」

 「(う、うん)」


 促された頷いた前髪少女は手だけを盾にしている少女から前に出す。

 その手の中にはどこから取り出したのか白い花があった。


 「これが董子ちゃんの魔法っす。こんな感じで何でも生み出せるっすよ」

 「(何でもじゃないよ、)」


 説明を補足する恥ずかしがりや少女だけどその鈴のような声は小さすぎて陸には聞こえていなかった。


 (創造系の魔法は何か特定のものを作れるものだろうけど、何でも作れるとはなかなかすごい魔法だな)


 鈴のような声が聞こえていなかったので桔梗の説明を簡単に信じる素直な少年。


 「私も聞こえなかったが、恐らく董子は何でもは作れないといったんだと思うわよ」


 勘違いしているであろう少年を見て瀬恒が説明する。その言葉に恥ずかしがりや少女も頷いていた。


 「そうなのか」」


 (そうなだよな。そんなわけないよな)


 納得する陸。 

 さっきは何故素直に信じたのだろうかと少し恥ずかしさを覚える少年だった。


 創造系の魔法は普通刹那のように何か特定のものを魔力によって作り出す魔法。

 人によってはその特定の幅が広い場合、例えば花を作るという魔法ならタンポポを作ったりちゅーっりぷを作ったりなど、その種類内なら作れる。

 だけど種類を問わず、花も作れれば団子も作れる、なんてことはない。

 だから陸は納得した。


 しかし、その少年の納得は浅はかだった。


 「とは言っても、何でもというのも間違ってはいないわよ」

 「え?」


 刹那の続ける言葉に陸は驚いた声を上げていた。

飛鳥茜

魔法名:監視者

能力:探索系の魔法。視力を強化して距離や障害物を超えて見ることが出来る。


「今回はやけに中途派の穴と声尾で終わったな」

レヴィ

「話が思った以上に長くなりそうだからな、ここで切った」

「それと今回のあとがきの説明は飛鳥なんだな。今回出番はあまりなかったと思うけど」

レヴィ

「順番に言ってるだけだからな」

「何の順番だよ」

レヴィ

「適当だ」

「適当かよ」

レヴィ

「次回は桔梗の魔法の説明からスタートだ。我の登場を期待ていろ」

「だからまだ出ないだろ」

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