至難⭐︎すれ違いの待ち合わせだよ!
── 皆様、当機はまもなく着陸します……
「陶器だってぇ〜?! アッシが身バレしてるんだよぉ!」
流石はモースト・フェイバリットな魔砲少女!!
ところで、機内アナウンスで、『この先、気流の影響で多少の揺れが』ってよくありますよね? ガッツリ揺れているのに『多少』と表現するCAさんの鋼のメンタルには、いつも惚れ惚れします。
「なにふざけた事言ってんのよね? もうすぐ、冬季って意味なのよね」
「違いますわ。私達の闘気って意味ですわ」
「大喜利大会でもやってるのか?」
このように青春真っ盛りのハオちゃん達は、無事、目的地に到着出来たようです。
一斉に電源が入る電子機器の起動音が、まるで、ハオちゃん達を祝福しているように鳴り響きます。
「ところで、黒レ騎士はどこにいるんだよ?」
ハオちゃんの鋭い指摘に、ハンムラビくんは眉をひそめます。
「空港の出口で待つと言っていたが……。 見当たらないな」
その時! ハオちゃん達の背後から恐るべき声が届きました!
『ケッケッケッ、俺様は空港や駅で、待ち合わせ場所が分からなくなるノロイでゲス』
なんて事! 自らを俺様だなんて、バイキン男クラスの強敵に違いありません!
しかも! ハオちゃん達は既に変身を使ってしまっています! 設定では、変身は半日空ける必要があるのです!
『残念だったでゲス。貴様らは待ち合わせ出来ずに無限に彷徨う事になるでゲス』
訪れる危機! 魔砲少女達は乗り越える事が出来るのでしょうか?!
「なんてこったいだよぉ?! このままじゃ、黒レ騎士にカニを奢ってもらう事ができないんだよぉ!!」
ハオちゃんは拳を握りしめ、その場に崩れ落ちます。
こんな絶望、読者の心がもたないわ!
「呼んだか? 魔砲少女達、よく来たな」
なんとっ?! 黒レ騎士が現れました! 魔砲少女の悲痛な叫びが黒レ騎士に届いた感動の瞬間です。
友情が生んだ奇跡。これにはノロイも『え?なんでわかったゲスか?』と、浄化一歩手前のようです。
「そりゃあ、あんなに叫ぶと誰でもわかるだろう。さあノロイよ、死にたくなければ去れ」
ちょっと待ってください?
黒レ騎士の武器は『白ねぎ』でしたよね?
ですが……。
「黒レ騎士? なんで、ガチもんのクレイモアを持ってるんだよ? 危ないんだよ?」
なんと! 両手持ちの剣を握りしめています!
あまりの出来事に、ノロイも『マジで死んじまうでゲスぅ』と気を失ってしまいました。
── いけない! このままでは、銃刀法違反で捕まってしまう!
「何を言っている、魔砲少女。 俺の武器は元からコレだ。それに、俺は黒レ騎士ではない。黒騎士…のはず…だ」
「なんだか雰囲気がおかしいのですわ。これってもしかして……」
メオちゃんが黒レ騎士を心配そうに見つめる中、ハンムラビくんは拳を握りしめて言いました。
「やっぱりか。闇の勾玉が完成に近づくにつれ、黒レ騎士もシリアス化しつつあるんだろう」
いけない!シリアス化だなんて、『私が築き上げてきた甘い世界』が崩れてしまうっ!
?
私……が?
「黒レ騎士! そんな物騒なもの似合わないんだよ!」
おほん、いけない。ちゃんとモノローグの仕事をしないとね。 ハオちゃんは涙を浮かべ黒レ騎士に駆け寄りました。
「黒レ騎士。アッシたちにはアンタの力が必要なんだよ。ただ、それは暴力なんかじゃない」
「そうですわ! 私達がしたいのは殺し合いじゃない。楽しい世界の実現のはずですわ!」
魔砲少女たちの言葉に、黒レ騎士は頭を抱えます。
「そう……だ。 白巫女を救うのに必要なのは力じゃない……。なぜ俺は、忘れかけていたんだ」
すると、床に落ちたクレイモアにノイズがかかり、白ねぎへを姿が変わっていきました。
「なんだか危なかったのよね。でも、この先が不安なのよね」
黒レ騎士は白ネギを掴むと、「すまなかった、魔砲少女。また助けられたな……もう大丈夫だ」と、ハオちゃんの頭を撫でます。
「痛いんだよ」
ハオちゃんが流した涙。それは黒レ騎士が正気に戻った安堵か? ガントレットで頭を撫でられて痛かったのか? 真実は読者に委ねられました。
「魔砲少女たちよ、最後の四天王は某リゾートホテルの最上階にいる。力を貸してくれるな? 暴力ではない……笑いの力を」
力強く頷く4人を見て、黒レ騎士はフルアーマーの中で「ふっ」と笑い、言葉を続けました。
「明日の戦いに備え、今日は美味いものでも食べて休むとしよう。 最後の一人、『よりどりミドリのビュッフェ』。奴は四天王の中でも再婚だ。激闘になるだろう」
なんて事?! 最強ではなくて再婚!
「いつもの調子に戻ったんだよ。じゃあ、カニ食べに行くんだよ」
「ええ、私たちは魔砲少女ですわ。ハッピーエンドを叶えますわよ」
こうして、決意を胸に空港を後にした魔砲少女たち。
果たして最後の四天王を倒すことが出来るのか?
そして、黒レ騎士の財布は大丈夫なのか?
── つづく。
【次 回 予 告】
♪〜 来〜る〜♪
きっと 来る〜〜♪
そのビデオテープを見たものは、1週間後に ──。
主人公は偶然、そのビデオテープを手に入れてしまう。
しかし、このご時世。
主人公はビデオテープというものをを知らずに、テープを引き出してしまった!!
「ナニコレ? これくらい薄く林檎の皮を剥けるようになりたいわ!」
彼女は1週間後、皮が透けるほど薄く林檎の皮を剥けるように!!
恐るべき執念が結果に結びつく、ジャパニーズホラーの金字塔!! 【リンゴ】 好評配信中!!




