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HANIWA⭐︎HAO  作者: なかと
第三章 ノロワ=レイル編
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本能⭐︎道端に潜む罠だよ!

『── またもや、我が四天王が敗れたか』


 ノロワ=レイルはフードに覆われた奥の闇で、静かに呟いた。


『さらに、ウンテンに掛けた死の呪いも解除されるとは。 やはり、『この世界』で死を定義する事は叶わぬというのか』


 その呟きは、誰に向けてのものだったのか。

誰も知り得ぬその先に、嘲笑を含んだ笑いを漏らす。


『残す四天王も『よりどりミドリのビュッフェ』のみ……。 だが、『奴』が目覚めれば『この世界』の構成が変わる』


 おもむろにフードを脱ぐと、美しい顔には相反した鋭い視線が宙を捉える。


『魔砲少女……。 覚悟しておくが良い』


 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「やあ! アッシがハオちゃん。埴輪な超絶ヒロインだよ!」


 今日もハオちゃんの自己肯定感が爆発していますね!

そんな彼女は華麗なステップで側道を歩いています。金木犀(キンモクセイ)の香りで秋の訪れを感じながら華麗に登校中! 絵になりますねぇ!


 どこからともなく漂ってくる甘い香りに「秋を感じるために深呼吸するよ!」と、しみじみするハオちゃんは知的で詩的なポエマーです。


 ── そのとき、時代と共に風向きが変わる。


 さっきまで金木犀の甘い香りだった空気が、急に「なにか」に乗っ取られたのです。


『ほっほっほっ。わしゃ、深呼吸した時、どこからともなくクサイ臭いで悶絶のノロイぢゃ! ある意味で息の根を止めてやるぞい』


「ぐっはぁあだよ?! これは銀杏(ぎんなん)(いちょう)のにおいなんだよ! なんかゲロのにおいがするよぅ!」


 なんてこと?! ハオちゃんのご尊顔がくしゃくしゃに崩壊しています! これでは美少女ではなく微傷女になってしまいます!


『苦しかろう魔砲少女。そんな表情を晒して生きてはいけまい。さあ、この物語を打ち切りにさせてやるのぢゃ』


 悶絶のノロイはアクションカメラをハオちゃんに向けます! いけない!4K映像で登録者8人のYouTubeに投稿されてしまう!


「アッシは…… 銀杏は茶碗蒸し派だよぉぉお!」

 なんと! ハオちゃんは逆境をものともせず、ノロイに向かっていきます!

 しかし、途中でハオちゃんの足が止まってしまいました。


『ほっほっほっ、動けまいて、魔砲少女。その罠を解除することはできんのぢゃ!』


── これはッ! ハオちゃんの足元に大量の落ち葉があります。 ハオちゃんは一心不乱に落ち葉を踏み締めてサクサクの呪縛に囚われてしまったのです!


「サクサクが気持ちいいんだよぉ! もっと踏みたいんだよぉ〜!でも、銀杏のにおいが消えないよぉ!」


 いけない! このままでは魔砲少女が闇堕ちして、読者が喜んでしまうッ!


 その時、ハオちゃんを救ったのが……。


「ハオちゃん、助太刀しますわ!」


 メオちゃんです! 友、遠方より来たる!


「私の家の近所で暴れるなんて許せませんですわ!」


 意外と近かったようです。


「メオちゃん! ここは危険だよ。落ち葉が、サクサク落ち葉がいっぱいなんだよ!」


「ええ、ハオちゃん!変身するのですわ!」


 メオちゃんの声で正気に戻ったハオちゃん。

彼女達は「変身!」と光を纏いました!

今日のプリチー変身はなんでしょう?


「ハオちゃんは米農家だよ」

「メオは石焼き芋屋さんですわ」


 なんて秋らしい変身なの! これは勝利確定と言っても過言ではないでしょう。


『なんじゃと?! ……って、その変身になんの意味が?』

 既にノロイは魔砲少女の術中にハマっています。


「い〜しや〜きいも〜♪ おいも、おいも、おいもですわ〜♪」

 いけない!そこは「おいもだよ〜♪」の方がしっくりきます。 これは……、ハオちゃんと変身を間違った可能性があります!


『ふっ、そんな誘惑にかからんぞ?』

 そんなノロイの言葉にメオちゃんは微笑で対応します。これぞ、メオちゃんの微笑女設定です!!


「残念ですわ。焼き芋の他にも焼き銀杏も用意していましたのですわ」


『焼き……銀杏?!』

 おっと、ノロイにクリティカルヒットしました。

彼はヨダレを抑えきれていません。


『わしゃ、銀杏が好物での? 一つ頂くのぢゃ!』

「毎度ありですわ」


 ノロイは焼き銀杏を口に含んだその時!

── ガリっ。

『なんじゃこれは! 生じゃないか!』


「やってしまいましたわ。石焼きの石を入れていませんでしたわ」


 なんという残酷な攻撃! いいえ、魔砲少女といえど非情になる場面はあります。


「やあやあ、お困りですかだよ?」

 おっと、ここで米農家ハオちゃんが刈り取った後の稲束を持って現れました。

 メオちゃんの事情を聞くと、「この稲束をあげるんだよ。これで焼き銀杏も作れるはずだよ」と、サムズアップします。


 これにはノロイも涙腺崩壊しました。

『わしゃ、感動しとる。 焼き銀杏を食えるんじゃな!』


 それに優しく頷く魔砲少女たち。

感動の戦いは和平の道を歩み始めました。


 ── サクッ。


 おや、ノロイは落ち葉の罠に自らハマりました。

『これは……気持ちいいんじゃ!』


 一心不乱に落ち葉を踏むノロイに対し、メオちゃんは呟きます。

「自らの罠で散るがいいですわ。魔砲! 超♡燃焼(メガ•バースト)!」


 なんて事! ノロイが足止めしている間に銀杏が、銀杏が焦げ始めました!


『き、貴様ぁ!! なんて事するんじゃあ!』

 しかし、ノロイは落ち葉踏みを止めることが出来ないようです。


「とどめだよ。魔砲! 銀杏焼きすぎフードロスだよ!」


『なんじゃとぉぉ! ヘイトがわしに向いてしまうじゃあないかぁ!』


 こうして、においのノロイは自責の念で消滅しました。


「呪・詛・封・印!!」

「邪・心・消・滅!!」


 決め台詞をしっかり決め、魔砲少女達は稲焼きで焼き芋を作り頬張ります。

 立ち昇る煙は、人類の洗濯物にほのかな秋の香りを染み付かせる事でしょう。


         ── つづく。


      【次 回 予 告(本編とは関係ない)


── 主人公ロッキーは、30歳を過ぎても芽が出ない三流のボクサーでした。ボクシングだけでは生活できず、借金の取り立て屋の用心棒をして日銭を稼ぐ、自他ともに認める、二流の男として燻った生活を送っています。


 そんなロッキーの唯一の心の支えは、ペットショップで働く内気な女性ドリアン。不器用ながらも彼女にアプローチし、少しずつ心を通わせていきます。


 ── ある日、運命が動き出します。

世界的チョコレート菓子アポロとの出会い。


「アポロ。俺はお前に勝つ洋菓子を作ってやる! エンドルフィーーンッッ!」


 ここからロッキーは世界一の菓子職人を目指すことに。


 映画『クッキー』 熱い男の戦いを見届けましょう。

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