表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HANIWA⭐︎HAO  作者: なかと
第一章 ヨクボウ編
19/71

【劇場版⭐︎文化祭の破壊者《デストロイヤー》】③

『ウヘヘヘ。魔砲少女ぉ。おで、ねり消しのヨクボウ。おで、強い』


「邪魔ですわ! 悪•鬼•殲•滅! メオ☆クラッシュ(目 潰し)!!」


『もぶぶぶぅぅ!!』


 地下ボイラー室に向かう途中、更なるヨクボウが二人を襲います。 しかし、悲しみを乗り越えた魔砲少女達の敵ではありません。


「次から次へと…… 作者の没ネタはキリが無いんだよッ!」

 

 そう、彼女達が進むのは荊棘いばらの道。されど、魔砲少女の宿命さだめが脚を前へと突き動かします。

 一説には、皆様が休み明けで会社に向かう足取り。アレと同じという噂があります。


 そうこうしているうちに、二人は地下への階段に辿り着きました。その陰湿で不気味な闇は、まるで誘っているかの様にポッカリと口を開けています。

 

「ハオちゃん!見えましたわ。地下ボイラー室ですわ! ……ハオちゃん?!」

 なんということでしょう!!

メオちゃんが振り返った時、そこにハオちゃんの姿はありませんでした!

 まさか、ヨクボウの罠に、そんな……


「お待たせだよ。トイレに行ってたんだよ」

 ──トイレタイムでした!!

『お花摘み』や『お化粧直し』など隠語を使わないのは、ヒロインの正々堂々とした気概の表れですね!

 トイレのジェット水流の様に、物語は加速していきます!!


「メオちゃん、行くんだよ。覚悟はいいかだよ?」

 ハオちゃんはラスボスの前に現れる、あの名言をマイルドに尋ねました。


『ここから先は戻れません。進みますか?』

 はい

 いいえ

▶︎やっぱり給食食べて(セーブして)からだよ


『ふざけるなですわ』

▶︎はい

 はい


「ええ、よろしくてよ。行くのですわ!」

 しかし…… 意を決してドアノブを回すメオちゃんの表情が凍り付きます。

「か……鍵がかかっていますわ!!」


 何という事でしょう! 

施錠しているとは、なんて防犯意識高い系の学校なのでしょう!

 しかし、それが生徒を守ると同時に、ヤンチャな生徒の冒険心をへし折って来たのです!

 ですが、彼女達は魔砲少女。これしきの困難などお茶の子さいさいです!


「スットコドッコイヤァ!」

ハオちゃんは、『デストロイヤー』っぽい魔砲をブッ放し、扉を吹き飛ばします。

 これが古の魔砲。『アバカム』だと、一部界隈で囁かれています。


 刹那、ボイラー室から溢れ出す瘴気。

その重苦しい重圧に、奥に潜む敵の強大さが伝わってきます。

「メオちゃん…… アッシが先に行くよ?」

「いいえ、私がいきますわ」

「アッシがアッシが」

「私が私が」

 いけません!この伝説のネタは三人でなければ成立しません!! 物語も進みません!! そんな物語の危機的状況の中、福音が舞い降りました。


  『早よ、進めんかい!!』

 

 これは神《読者》の声に他なりません。

ですから、ボイラー室には二人同時に踏み込みました。


 ── そこに、待ち受けていたのは……。


『待っていたよ。魔砲少女たち。 なかなか入って来ないから、帰ったらどうしよう?と、心配していた所だ!』


 強大なヨクボウが不安を覚えていた様です!

パイプに腰掛け、顔の部分だけ影が掛かっているヨクボウの姿がそこに! お馴染みの演出がラストバトル感を盛り上げます!


 ヒロインのハオちゃんは、そんな恐ろしいセリフに臆せず言葉を返しました。

「女の子は準備に時間が掛かるんだよ!」

 デリカシーの無いヨクボウは、『くっくっくっ』と、余裕を見せますがその心境は穏やかではありません!


 そんなラスボスとの挨拶の中、メオちゃんが真剣な眼差しをヨクボウに向けて言いました。

「やっぱり…… ()()()だったのですわね。ヨクボウのボス…… 『仲間ユウト』!!」


 なんですってぇ?!

確かに劇場版で出てくる新キャラは重要な役割を担っていますが、ユウトくんがボスだったなんて!

 一部読者は気付いていたであろう、その伏線をメオちゃんは淡々と回収していきます。


「ユウトさん、あなたの目的は()()()()()魔砲少女…… つまり、私を見つける事だったのですわ」

 メオちゃんは『ビシィ』と指をユウトくんに向けました。

「今までハオちゃんのピンチを救ってきた者。つまり、魔砲少女が二人いると思ったアナタは、教室に紛れ込んだ。そして、私を探していたのですわ」

 なんだかとっても無理矢理感がありますが、ここは黙ってメオちゃんの推理を聞いてみましょう。

「そして、私がアナタの正体を見破った方法。それは、アナタが私達と行動を共にした時に口にした『ヨクボウが許せない』という言葉。私達は『ヨクボウ』の存在を伝えてないのに、アナタは知っていたからですわ!」


 ── 華麗に決まりました!

その様子にハオちゃんは、ポカーンとしています。頑張って話についていきましょう。


「くっくっくっ。なかなか頭が切れるじゃあないか。女庭メオ」

 そう言って、ヨクボウは二人に歩み寄ります。

 顔の影が露わになり、正体を現したのは、やはり『ホモサピなユウト』でした!!


『ホモサピ言うなぁぁああ!!』

ヨクボウ=ユウトの咆哮がボイラー室に響きます!

 遂に、戦いの火蓋は切って落とされたのです!


           ── つづく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ