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HANIWA⭐︎HAO  作者: なかと
第一章 ヨクボウ編
13/71

危険⭐︎水浸しの廊下だよ!

 皆さんご機嫌いかが? 女庭メオですわ。


 ハオちゃん大丈夫かしら? 鼻血が出る程に自分を犠牲にするなんて、頑張りすぎですわ。


 ですが、それが魔砲少女に課せられた使命。

進むしかないのですわね。


 と、いうわけで今日は、ご飯が進むを考察しますわ。


【すすむくん初号機】

辛い食べ物は新陳代謝を高めますわ。

キムチ、塩辛、カレー。

ご飯が爆速で進みますわ。


【すすむくん弐号機】

味噌汁ダッシュ(味噌汁椀が勝手に動く現象)は、目にした方も多いと思いますわ。

 これこそ、ご飯が進むの語源ですわ!

(嘘です。信じないでください)



【すすむくん零号機】

 人の不幸は蜜の味とはよく言ったもので、現代ではメシウマという言葉がありますわ。

 これはヨクボウの仕業ですわ。

そのご飯が進む先には、恨みの連鎖が待っていますわ。 皆様も気を付けるのですわ。

 


それでは皆様。本編スタートですわ。

「やあ、はにわハオちゃんだよ。今日もアッシのホウキが唸るよ」

 学校の清掃時間がやってきました。


ハオちゃんはホウキを左右に動かして豪快に掃除しています。

 教室に舞う埃は、ハオちゃんの愛のように等しく生徒に降り注いでいました。


「ゲホッ、ハオちゃん。もう少し丁寧に掃除を……」

 舞い上がった埃が太陽光を受け、光の粒子が乱舞する幻想的な世界。

 その中で、クラスメイトの女子生徒は咳き込んで涙ぐみます。

 それは感動巨編の始まりか、体調悪化の始まりかは皆様の想像にお任せします。


「ごめんだよ。ホウキじゃなくてモップにするよ」

 流石は本作ヒロインです。

人の意見に耳を傾けて改善をするハオちゃんは、PDCAサイクルの申し子と言っても過言ではありませんね。キャリアウーマンの一面が垣間見える瞬間でした。


 しかし! ハオちゃんが掃除道具を取りに廊下に出た時、悲劇の幕は上がってしまったのです!

『キャァアアアアア!!』と、廊下に響き渡る女子生徒の悲鳴。 それは、危機の到来を告げるのには効果的な演出です!


『おおお…… ハオよ。ヨクボウの気配がするぞぅ』

 勾玉型髪留めのギョロ目とダーティな唸り声は、ホラー映画で無音になる時みたく緊張感を煽ります。

 この先、待ち受けるビックリ演出と大音量BGMを確固たるものにしました。


 ── まあ!なんて事でしょう!

ハオちゃん目掛け走ってくる複数の男子生徒の姿が!

 『どけどけぇ!』と、叫びながら爆走する彼らの手にはモップが握られているではありませんか!


「あれは…… 消しゴムホッケーをしているんだよ! 廊下を走ると危ないんだよッ!」

 ハオちゃんの危機です!! 既に一人の男子生徒は、ハオちゃんに狙いを定めてシュート体勢に入っています!


「ハオちゃん、変身だよッ!」

すかさず髪留めに触れて、変身するハオちゃん! しかし、その最中に『させるかぁ!魔砲少女ぉ!』と、ヨクボウに支配された男子生徒は強烈なシュートを放ったのです!!


 それは、国際ルール(変身中は手出ししない)を反故にする程に、人道を外れた恥ずべき行為です!

 いけない! 変身中のハオちゃんの顔面まっしぐらに、消しゴムが襲いかかります!


(コツン☆)


 ……あ、あ、ハオちゃん。その姿はッ?!

なんと、ハオちゃんは13日の金曜日に降臨する某人気キャラクターに変身していました!

 顔につけたホッケーマスクのお陰で傷一つついていませんね。さあ、外道なヨクボウに手加減不要です! とはいえ、タグにグロ表現は設定してませんので常識の範囲内で反撃しましょう!


こーほー、(この程度、)こーほー、(痛くも痒くも)こーほー(無いんだよ)

 その強靭な肉体に男子生徒は恐れ慄きますが、『やってやるぜぇ!』と、(俺、ビビってねぇし?)の精神でハオちゃんに突進します。

 いけません。これはファール覚悟の捨て身の戦法だとアナウンサーが言ってます!


『なん……だと?!』

 しかし、次の瞬間、男子生徒の表情が凍りつきました。


こーほー、(このモップは)こーほー(頂くんだよ)

 なんと! ハオちゃんが男子生徒からモップを奪うと、すかさずシュート体勢に入りました!


こーこーこーほー(悪•霊•退•散!)

 ハオちゃんの放った消しゴムは、龍のエフェクトを纏わせ男子生徒達を一網打尽に飲み込みました! 『黒龍顎烈撃!!』的なフレーズは禁止です。だって、ハオちゃんはまだ中一ですので厨二まで、あと一年の辛抱が必要不可欠ですからね。


 なんだかんだで今日もハオちゃんの完全勝利(パーフェクトゲーム)によりゲームセットです!!

 こうして、今日もハオちゃんは古墳中学校の平和をノーサイドしました。


 ハオちゃんは水の入ったバケツを振り回して歓喜します。遠心力で水は溢れませんが、どうやって止めるのかがわからず、暫く回し続ける事となったそうです。


           ── つづく。

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