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HANIWA⭐︎HAO  作者: なかと
第一章 ヨクボウ編
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秘密⭐︎臨海学校の夜だよ!

 皆さんご機嫌いかが? 女庭メオですわ。

今日も私たちの活躍で生徒を守りましたわ。

それにしても、ハオちゃんのクレーン姿は雄々しくて胸が高鳴りましたわ。

 と、言うわけで、今日はクレープについて考察していきますわ。


【クレープ】

クレープといえば、カスタードクリーム。

原点にして頂点。苺やチョコの誘惑をも振り切り、シンプルの先にある無垢の境地は皆に愛されますわ。ジャスティス・クレーパーですわ。


【オシャレクレープ】

スイーツから逸脱したサラダクレープ。レタスやトマト、胡瓜が鮮やかな色彩を奏でますわ。ヘルシー思考に思われがちですが、ツナマヨやフライドオニオンが、カロリーを爆上げしますわ。 でも、時には映えるクレープもいいですわね。 グットルッキング・クレーパーですわ。


【究極のクレープ】

 ここに、ある男が残した記録を開示しますわ。


『私は、カスタードチョコのクレープを注文し、手渡されたクレープを見て絶句した。

 なんと、クレープの命、生地が…焦げ焦げになっていたのである。私は堪らず、「おい、オッチャン。どう責任とってくれるんや?」と、声を荒げたが、店主は意味深な笑みで「まあ、一口食べてみてくだされ」と、呟いたのだった。

 恐る恐る口に運び、一口噛み締めた時だった。

 ── サクッ!!

それはクレープの新境地だった。この時から私はカリカリの生地でなければ満足出来ない身体になってしまったのである。もう具材なんて要らない。カリカリさえあれば……』


 コレはクレープの悟りを開いた男の物語ですわ。クレーマーからのクレーパー転生秘話ですわ。

 それでは皆さま。本編スタートですわ。

「やあ、アッシだよ。ハオちゃんは眠れぬ夜の宴を満喫中だよ」

 臨海学校の夜。キャンプファイアーでテンション爆上がりとなった生徒たちが眠れる訳もなく、ハオちゃんのグループは枕を突き合わせ『恋バナ』の真っ最中です。

 男子禁制の秘密の花園には、赤裸々な話が咲き乱れます。


『次はハオちゃんの番よ?』

女子生徒の声で皆の視線がハオちゃんに集まります。

 読者の皆さん、ハオちゃんの恋バナを聞きたいですか? そうですか。それでは耳の穴をかっぽじってよく聞きましょう。


「〇〇くん、鼻くそを食べてたんだよ」

かっぽじったのは鼻の穴だったようです。

 鼻に恋するあまりの暴挙、ハオちゃんの恋バナ()で部屋中を女子生徒の悲鳴が包み込みました!

 そんなお茶目な彼女の『てへぺろ』が華麗に炸裂した瞬間に刮目せよ! と、天が言っています。


「コラァ! 消灯時間はとっくに過ぎてるぞぉ!?」

 いけません!生徒指導の先生が、乙女達の聖域に土足で踏み込んで来ました!


『おほほお…… ハオよ。ヨクボウの気配がするぞぅ♪』

 勾玉の髪留めがハーレム状態を謳歌する中、上擦る声を上げました。


「ハオちゃん、変身だよ!」

ハオちゃんは髪留めをタッチ、というか、鉄拳制裁を加えます。正気に戻った髪留めはハオちゃんを光で包んで変身させました。


 ああ!とってもキュート!

ハオちゃんは小さな妖精へと姿を変えたのです!

 そんなフェアリーなハオちゃんは先生の耳元で囁きます。

「アッシは木の精霊。木のせいだよ」

 その声に、心酔してしまった先生は、「なんだぁ、気のせいか……」と、部屋から出て行ったのでした! コレで一件落着……


 ではない様です!

『おおお…… ハオよ。ヨクボウの気配が更に強くなっているぞぅ』


「気のせい……じゃないみたいだよ」

ハオちゃんは恐る恐る振り返ると、そこには目を爛々と輝かせた女子生徒の姿が!!


『か〜わ〜い〜いぃ〜!!』

 これは!少女達の欲望が溢れています!

彼女達はまだ中学生になったばかり。プリンセスへの憧れと妖精のオプションは、まだまだ魅力的に感じるお年頃です!


「Yo!Sey達が 夏を刺激してしまったよ」

ハオちゃんは、猪突猛進してくる彼女達を、ひらりと躱し「幻想から目を醒ませてあげるよッ!」と、叫びました。


 なんという事でしょう!

ハオちゃんは鼻の穴をほじりながら、お尻をボリボリ掻き始めました。

妖精ヒロインだって、鼻もほじるし、ケツも掻くんだよ」

 その様子に女子生徒達は『いやぁぁあああ!』と、絶叫します。

 彼女達のヨクボウが、夢と憧れと共に完膚なきまでに粉砕された瞬間です。


「悪•霊•退•散!」


 こうして、今日もハオちゃんは生徒達をヨクボウから守りました。

 ですが、ハオちゃんも今回は無傷とはいかなかったようです。

 「鼻血が出たよ」

彼女の身を呈して戦う姿は誰にも知られず、賞賛を受ける事はありません。

 ただ、床に落ちた鼻血だけが真実を物語るのでした。


            ── つづく

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