絶望⭐︎呪縛された魔砲少女だよ!
── 薄暗い洋館の一室。
ひときわ装飾が目立つ椅子に、青白く細い足を組み腰掛けていたノロワ=レイルは、深く目を閉じた。
『魔砲少女。最後の四天王、ビュッフェまでも倒したのか。 この世界に『死』の定義を生み出すと言った、彼女の覚悟さえも乗り越えて』
ノロワ=レイルは椅子から立ち上がると、窓に歩み寄り曇天の空を睨む。
『雪が降り始めたか。 汚れた大地が白く染まっていく様は、まるで、お前達のやっている事と同じだな。苦痛や苦難を一時的に見えなくするだけ。それは、ただの現実逃避だ』
その、深い闇のような瞳の奥に黒い炎がゆらめく。
『ならば、我も贖おう。 過去の自分の理想を否定し、未来の平和を肯定するための呪いによって』
ノロワ=レイルはフードを深く被ると、独り言ではない。『誰か』に向かって声をかけた。
『恐ろしい世界を作った我が理想の代弁者よ。今からお前を迎えに行くとしよう』
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「やあ…、アッシはハオちゃん。 訳あって身動きが出来なくなっているよ」
最終局面の早々に魔砲少女のピンチ?!
一体、何が起こったというの?!
「寒くて布団から出れないんだよ」
なんて事! 季節は冬。寒波到来がハオちゃんを苦しめていました! このままでは遅刻してしまう!!
「よく考えれば、アッシは埴輪だよ。寒くても平気だったよ」
ここで開花した埴輪設定! 作者も長くこのシリーズを続けていたので、ハオちゃんが元埴輪だったことを忘れていました!
こうして、無事登校したハオちゃん。
しかし、教室に入る直前に絶望が降りかかったのです。
「うわぁぁ!! 痛ってぇ!」
それは、教室に入ろうとしたクラスメートの絶叫!
これは只事ではありません!!
『ケケケ、俺は引き手に触れると静電気で『パチッ』ってなるノロイ。どうだ、怖くて教室に入れまい』
流石は最終局面! 今までとは一線を画す、恐るべきノロイが現れました!
クラスメートは教室前で呪縛され、動くことすらできません。
「ハオちゃん! 何があったのですわ?!」
これは心強い!メオちゃん登場でハオちゃんの目に闘志が宿りました。
「静電気のノロイだよ。協力してやっつけるんだよ!」
さあ、今日もやってまいりました!
勾玉型の髪留めが唸り声をあげ発光し、メオちゃんの赤い首飾りも輝きます!
天高く舞い上がる「変身!」の掛け声は廊下のロッカーを震わせました!
「ハオちゃんはサッカー少年だよ」
「メオは専業主婦ですわ」
わんぱくでもいい! たくましく育ってほしい!
そんな煌びやかな変身を遂げたハオちゃん達! これにはノロイも『なん…だと?』と、生唾を飲み込みます!
「メオママ。ただいま!だよ!」
「こら!ハオちゃん! 泥だらけなんだから、先に練習着を洗濯機に入れなさいですわ!」
ここで服を脱ぐと色んな意味で危ないので、取り敢えずハオちゃんは男の子設定にしておきますね!
「よし、全部洗濯機に入れたよ!」
「まとめて洗うから、『みんなも』洗濯物出してちょうだい!ですわ」
この魔砲は?! なんと、クラスメート全員が上着を洗濯機に入れていきます!
『何を……企んでいる?! 魔砲少女!』
ノロイも同調圧力で上着を脱ごうか迷ってますね?
戦いの中で迷いは命取り! さあ、魔砲少女の力でやっつけましょう!
「洗濯開始ですわ! ドラム式で乾燥まで出来ますわ! ……時間が掛かってしまうので、乾燥が終わったのがこちらですわ」
これは! 3分クッキングで使われる高等技術!
瞬時にみんなの上着が洗濯完了しました!
「わあ、ふわふわだぁ」や「いい匂い」といった感動が廊下を包み込んでいきます。
その様子にノロイは気付いたのです。
『まさか…… 貴様! 柔軟剤を使ったなぁ?!』
「そうですわ。 それも、静電気防止の柔軟剤ですわ! 魔砲!目を疑う白さですわ」
「魔砲! 漂白剤の匂いはクセになるんだよ!」
『そこは柔軟剤にフォーカスしろよぉぉおお』
こうして、クラスメートは無事、教室に入ることが出来ました。
「呪・詛・封・印!!」
「邪・心・消・滅!!」
なんだか、久しぶりの決め台詞を放つ魔砲少女!
子供は風の子元気な子!!
── つづく。
【次 回 予 告】
第二次埴輪大戦下、陽キャな埴輪ハオが愛する妻メオと息子コジュエと幸せに暮らしていた。
しかし、家族はお笑い養成所に送られる事となる。
ハオはブラックな訓練の中『今夜はカレーだよ。桃鉄もするんだよ』と優しい嘘をつきます。
過酷な運命の中でも「メオちゃんよりアッシの方が美しい」と信じ続けたハオの深い愛を描いた、涙なしでは見られない名作。
【ワイフ•イズ•ビューティフル】
マジでいい映画だから観てね!




