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妻と夫と元妻と  作者: キムラましゅろう


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15/23

元妻、逆鱗に触れる

後半、メラニー視点になります。


シグルドが王宮魔術師を辞してから、メラニーさんがやたらと絡んでくるようになった。


「ねぇ、アシュリさんてばシグルドのどこを好きになったの?やっぱ顔?それとも特級魔術師というカタガキ?」


「アイツってさ、今でも寝言が多いの?しかもやたらと滑舌のいい寝言」


「シグルドって今でこそ長身だけど、アイツすんごいチビだったのよ。アシュリさん見たかったでしょう?」


「ワタシはアイツとは長い付き合いだからね~。アシュリさんは知り合ってまだ二、三年くらいだっけ?」


などと、自分の方がシグルドの事をよく知っている的なアピールもしてマウントを取ってくる。


あら、わたしってば張り合われている?

受けて立っちゃう?と思っていたら、


「煩い。お前なんかにゃ関係ない。お前と過ごした時間なんて悪夢でしかねーよ!俺とアシュリはこれから一生共に暮らすんだ。お互い百歳まで生きるとして、六十九万二千時間以上一緒に過ごせるなんて最高に幸せだ!」


なんて、何故か全部シグルドが言い返している。


それが気に食わないのか、メラニーさんはわたしに宣言するように言い放った。


「ワタシ、シグルドの子どもを産むって決めたから!ワタシにとって必要な事だし国も望んでるんだからイイでしょ?離婚しろとまでは言わないわよ、ワタシが妊娠するまでシグルドを返してくれたらいいの!元々はワタシの旦那だったんだからイイわよね?って……アレっ!?なんでっ!?なんでワタシ、こんな王宮のトイレに居るのっ!?いつの間にっ!?転移させられたっ!?もーーシグルドーーっ!!」



と、シグルドによって強制転移させられていたメラニーさんが喚き散らしていたなどとは当然知らないわたし。


「何?メラニーさんは何を言おうとしたの?何か直ぐに姿が消えたから分からなかったんだけど……」


わたしがそう言うとシグルドが呆れた顔をしながら首を横に振った。


「キチガイの世迷言なんてアシュリが聞く必要ないよ」


……多分、シグルドと復縁したいみたいな事を言おうとしていたのよね?


この場合、わたしが戦う立場なんじゃないかしら?


シグルドは元妻とわたしとの間で板挟みにされてタジタジになってる旦那ポジションなんじゃないかしら?


主婦の間で流行してる雑誌の小説ではそんな感じに描かれているわよね。


でもウチの場合は旦那さんが元妻さんと戦っちゃうみたい。


まぁ、おかげでわたしは楽だけども。


そんな事を考えているわたしに、シグルドは言った。


「アシュリ、近々202号室はまた空き家になると思うよ」


「え?メラニーさんが出て行くっていうの?」


「そう。だからまた入居者募集の張り紙を用意しといて」


「え、ええ。分かったわ……」


シグルド、一体どうするつもりなの?




◇◇◇◇◇



……おかしい。


なんかおかしいわ。


ムカつくけど特級魔術師であるシグルドにワタシが掛ける術が効かないのは理解出来る。


催淫魔法から睡眠魔法(眠ってる間に食っちゃおうと思った♪)、魅了魔法に似た効果のある禁術スレスレの術を全て試してみたけど案の定全て弾かれて無駄だった。


それならばと今妻を排除するべくアシュリ(あの女)を狙う事にした。


記憶操作もいいし、催淫魔法で他の男とヤラせてもいい。

どうしようかなっ♪と迷いに迷って結局面白そうな催淫魔法にしたんだけど……


「アレっ?掛からない?」


シグルドの一瞬の隙を突かなくてはいけないから一発勝負なのに!


もう一度!


ワタシは洗濯物を干してる隙だらけのあの女目掛けてもう一度術式を展開させた。


だけど……やはり術にはかからなかった。

というより術式が消えた……?


弾くとか、霧散するとか、そんな感じではなかった。

なんか消え去った、本当にそんな状態だった。


どういう事?

一体何が起こったわけ?


どーして術を掛けられないの!?


訳が分からずプチパニックになりそうになっていたその時、後頭部をガシリと掴まれた。


「!!」


恐る恐る目を向けるとそこには……


「ギャッ!!シグルドっ!!」


今まで見た事もないような、悪魔の様に恐ろしい顔をして怒りを露わにするシグルドがいた。


「……お前……とうとうやりやがったな……」


「な、何がよぅ、やぁね、ちょっとした遊びよ、ア・ソ・ビ♡……ぐえっ」


ワタシの後頭部を掴んでいた手で胸倉を締め上げられた。


足が地面から離れてゆく。


「アシュリに……アシュリに手を出したな……それだけは絶対にやってはいけない事を、お前はやったんだ……」


「ちょっ、ちょっと待ってよっ……!ホラ見てよアシュリさん何ともなってないじゃない、だから濡れ衣よっ、ワタシ何にもやってないわっ」


「やろうとした時点でアウトなんだよ……」


「ちょっ……シグルドっ……!」


ギリギリと締め上げられる苦しさで息も絶え絶えになる。


「俺の子を生むって言ってたな?アレか?お前がいつまでも後継を作らないから、お前のクソ姉共が相続の事でイチャモン付けてきやがったんだろ?あのクサレ野郎はどうした?アイツとは別れたのか?あぁアイツ、お前以外にも女と遊び過ぎて性病になったからゴミみたいに捨てたんだっけ?それで手っ取り早く俺と子作りして、相続争いに勝とうって算段か?……反吐が出るな」


「なんで……どこまで知ってンのっ……」


「全部知ってるぞ?お前が金欲しさに禁術の売買をしてる事とか、自分で魔法麻薬を作ってハイになってる事とかな」


「っな……!?」


「証拠と一緒にただ騎士団に引き渡そうと思ってたけど気が変わった」


「な、何をするつもり、なの……」


「アシュリに害を成そうとした事、たっぷりと後悔させてやる」


「え……?何?え?シグ、ルド……?」



シグルドはそう言ってワタシの胸倉を掴んだまま転移した。



誤字脱字報告、申し訳ないです!

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