一話 プロローグ①神埼 零の毎日
よろしくおねがいします!!
不定期更新になると思います!!
「神埼くん!もし良かったらさ、うちらとカラオケいかない?」
「ごめん、今日用事があるから急いでて...」
「そっかぁ〜」
「また今度誘うね!」
「うん、お願い。」
・・・あの子達って名前何だったっけ?
まあいっかそんな事。
今日は一旦家に帰って洗濯物しまって妹の夕飯準備して9時までバイトだ。
...あ、今日は卵のタイムセールがやってるから家に帰る前に買っていかないと。
主婦たちと一緒になって卵を取り合い、2パック勝ち取って、そのまま急いで家に帰る。
あと25分で家を出ないと遅刻するというタイムリミットの中で猛スピードで家事を熟す。
妹の夕食にはメッセージも欠かさず書いて。
そして自転車に乗りバイトをしているカフェにつく。
挨拶してキッチンを担当しているからオーダーの入った料理を作っていく。
それを5時から9時までぶっ通しでやり終わったあとは挨拶してダッシュで出る。
バイト遅刻しそうだった行きよりも急いで帰る。
...そう、愛する我が妹に早く会うために。
我が妹は控えめに言って物凄く可愛い。
最近は今までの可愛いにプラスで少し大人の綺麗が加わって可愛い×1000000000.....って感じだ。
その事を嬉しく思う一方で変な虫がつかないか大変心配である。
妹の中学の送り迎えをしようかと思ったが時間がなかった...。
誠に残念である。
そんな目に入れても痛くない妹に最近不安な点がある。
1.自分が家に帰っても妹がまだ家にいない事。
妹も中学生だし自分がよく知らないだけでこれぐらいの年だったら帰りが遅い事はよくあるのかもしれないが、心配だ。
こないだなんかは帰ってきたのが夜中の0時を過ぎていた。
流石にその日は怒ったが自分の事を無視して部屋に入ってしまった。
もっと妹と一緒にいる時間を増やさないとと思っているけれど時間がなさすぎる。
2.夜中にいきなり『ちょっとコンビニ!』と言って出ていく。
明らかに何も買ってきていないし、夜中に行くなんて危ないから代わりに行くと言っても断られる。
コンビニまで後ろからついていこうかと思ったがもし彼氏と会っていたら少し理性が吹っ飛んで飛び出してしまいそうだし、精神的ショックが計り知れないから辞めておいた。
...まあ万が一、妹に虫けらがついて、ゴッホン、彼氏がいたとしても、中学生の女の子を夜中に呼び出す彼氏もあまり良くは思えないなぁ。
妹はどんどん大人になっているんだよなぁ。
...いや我が愛しの妹に虫けらが、ゴッホン、彼氏が居るとはまだ決まったわけではないからな!
だが、嬉しいと思う反面寂しい...そして、少し、少しだけ、...なんでもない。
∇ ∇ ∇
「ただいま〜」
ドアを開けてもシーンとしている。
今日もまだ帰ってないのか。
最近は夕飯を用意しておいても『友達と食べた』と言って食べないし...自分で食べるか。
電子レンジで温めようかと思ったが面倒臭くなって辞めた。
食べながら色々な事を思い出す。
妹用のは昔人参をお花形に型抜いて作ったら凄く喜んだからその後はずっとお花形にしているよなぁ、とか、
野菜が嫌いな妹に野菜を食べさせるために細かく刻んでいるからみじん切りが上手くなったなぁとか。
食べ終わって朝から溜まっている分の食器を洗って仕舞いソファーに座ってテレビで流れるお笑い番組をぼんやりと眺める。
...妹に関係する事だったら笑ったり怒ったり真剣に考えたりするが、逆にその他の事には何も感情がわかない。今は妹がいるお陰で感情があるようなもんだ。
∇ ∇ ∇
きっと自分はあの日、あの瞬間妹が泣かなかったら壊れてしまっていただろう。
そう、あの家の中でお腹が空いたと泣く妹がいなかったら。
守らないといけないと思う存在がいなければ。
妹を守るためなら、妹が笑顔になるのなら、俺はなんだってできる、、、
∇ ∇ ∇
妹がまだ帰ってこない。
普段なら遅くても帰ってくる時間だ。
電話やメールを何度も入れているが返事がない。
まあ、それはいつものことだが、、、
すごく嫌な予感がする、、
ーーーーそして俺の予感はだいたいあたる
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