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プロローグ
「クイーンズホテルまで…」
タクシーに乗り込んだ少女はか細い声でつぶやいた。
彼女は血の気のない爪を弄りながら俯く。
「お嬢ちゃん、クイーンズホテルになんのようだい?あのホテルは完全会員制の超高級ホテルじゃないか」
運転手は不躾に青白い少女をミラー越しに眺める。少女があのホテルの会員とは思えないのはその服装だろう。
着ている白いワンピースは少し汚れているし靴も履き古したようだ。
「…っは、はやく行って、ください」
運転手はまたか細い声でつぶやく少女に僅かにため息をつき車を出した。
初めて書きました。拙い文ですが、細々と連載していきたいです。