604号室 城田海斗の場合
俺だけの城だったはずの愛しの家に、リトルモンスターがやって来た。そして、現在俺の城を順調に支配しようとしている。
「遅い海斗!定時で終われないなんて甘いんじゃないの?」
「桔梗…、それは俺が今夜風呂上りに食べようと思ってた、とっておきのダッツだったと思うんだが…」
「そーなの?コレ新フレーバー?おいしー」
ソファーで俺のダッツを食ってる女こそ、リトルモンスター。名を城田桔梗という。誠に残念なことに俺の妹だ。
「お前、家帰れよ。てか、大学ちゃんと行ってるのか?」
「行ってるよー。海斗が仕事してる時間帯には」
桔梗が大きな荷物と共にやって来たのは一週間前。ドアの前で寝こけてたものだから、慌てて119番を押したつもりだが、テンパっていたのか聞こえたのは時報だった。パチリと目を覚まし、第一声。
「遅い。待ちくたびれたじゃん。暫く置いてよ」
「は?桔梗、しばらくって。家から大学通ってんだろ?まだ終電もある時間だろ?大体こんな時間まで」
「説教がましい上に質問が多い。何でもいいから置いてよ。どーせ、彼女なんていないんでしょ。てか、連れ込んでも私は気にしないし」
確か今彼女はいないが、お前にそんな事気にされたくない。あと、お前が気にしなくても彼女がどう思うかとかは考えないのか?女の子なんだから胡坐をかくな。色々言いたいことを飲み込み、深いため息をついた。それを了承と受け取ったのか、それ以来ずっといる。
「そーいや、親父と葵さん元気?」
家に帰っている気配は全くと言ってないけれど、一応聞いておいた。俺はあまり実家には寄り付かないし。
「んー、まあ」
俺と桔梗は兄妹ではあるが、実の兄妹ではない。俺の親父は桔梗の母の葵さんと子連れ婚。俺んちは父子家庭だった。母は10歳の時に男作って出てった。葵さんは事故で先立たれた。親父の部下だった人で、歳は親父の5歳下。俺が13の時めでたく結婚。最初のうちは
「お母さん」
と呼ぼうとしていた時期もあったのだけれど、
「いいのよ、葵さんで。桔梗の前でだけはお母さんって呼んでくれたら。桔梗まで葵さんって呼びだしたら困るから」
そういって笑ってくれた。葵さんは優しい人だ。でも、最後までお母さんとは思えなかった。別に変な意味じゃなく、嫌いじゃなかったけれど、あくまで父の部下だった人。男作って出て行くなんて母親失格かもしれないが、俺にとっての母はやはりただ一人。実母だけだ。
当時桔梗はまだ3歳。それこそ10歳も離れた妹は可愛かった。俺の後ろを
「にーた、にーた」
と付いてきてヒヨコみたいに可愛かった。舌っ足らずで『兄ちゃん』が上手く言えないから、『にーた』と呼んでいた。そんなところも可愛かった。昔は。それから17年。俺は今年30歳。20歳になった俺の可愛い妹は
「海斗ー、明日食器用洗剤買ってきて。洗濯のジェルボールも。私明日バイト。店で賄い食べるから晩御飯は買うか、食べてくるかテキトーに」
兄である俺を呼び捨てで、挙句パシリのように日用品の買い出しを命令するふてぶてしいやつになった。
「覚えてたらな。あと、この煮っころがしうまい」
大学入ってやり始めた居酒屋の厨房バイトがよほど性に合っていたのか、料理の腕はいい。全部賄い風ということを除けば俺が作るより上手い。知らないうちにちょっと調理器具が増えた。
「ナギータの近況とか聞きたい?」
「ナギーとは時々メールしてる。この前誕生日プレゼントにTシャツ送ってやった」
「あれ誕プレだったんだ。めっちゃ喜んでた」
凪太は俺と桔梗の弟。半分づつ血が繋がっている。俺が17の時生まれた。弟というより息子に近く、やや甘やかしている気もする。今中学生。素直でちょっと生意気なカワイイ弟だ。名前の語感から桔梗は『ナギータ』俺は『ナギー』と呼んでいる。
「そーいえばー、今日は海斗が布団で寝てよ。なんか私敷布団は合わないみたい」
「ざけんな。わざわざ客用の布団干してやったんだから、文句言うな」
「女の子を床に布団敷かせてとかひどくない?自分は悠々ベッドで寝といて」
「黙れ居候。ここは俺の家なんだよ。…ベッドが恋しいなら家帰れ」
この話題になると桔梗はだんまりを決め込んでしまう。こうなったら聞くだけ無駄だ。昔っから自分の話したくないこと、都合が悪いことはだんまりを決め込んで頑として口を割らなかった。まあ、歳が離れてるから常にこちらが折れるわけだけど。人はこれを甘やかしという。ちょっと甘やかしすぎたか。
「ま、いいけど。偶には帰れよ?」
髪をかき混ぜるようになでてやると
「海斗はちっとも帰ってこなかったくせに…」
そういって手を払い、さっと手櫛で髪をとかしさっさと客間に引っ込んでしまった。なんか拗ねてんな。感情は読めても思考が読めない。まだ小さいころは、思ってることも全部筒抜けだったんだけどな。いつまでも小さいままではないことぐらいわかってる。
色々考える時期だよな。俺もそうだったけれど。
別に居場所なく感じてるわけでも、居心地が悪いわけでもない。それでも俺は家を出た。一人暮らしはかねてからしてみたかったし。彼女も遠慮なく連れ込めるし。多感な弟妹がいる身としては、一人暮らしの方がいろいろ便利で気楽だ。
「オヤスミ、桔梗」
「……おやすみ」
少し多めに間をあけて返事が返って来た。まだ少し拗ねているらしい。日に日にリトルモンスターは頑なになっている気がする。
翌日、家で桔梗の帰りを待っていると電話が鳴った。
「もしもし、海斗君?」
「葵さん。ご無沙汰してます。お元気ですか?」
「ええ。その、桔梗が迷惑かけてない?」
「…ああ、まあ。歳の離れたカワイイ妹の可愛いワガママの範囲です」
『今はまだ』の言葉は胸にしまっておくことにした。葵さんに気を遣わせるのは申し訳ない。というより、桔梗は連絡をしたんだろうか。アイツにだって、こういう時泊めてくれる一人暮らしの友達もいるだろう。
「凪が桔梗なら海斗君の家じゃないかって。出て行ってから連絡がなくて。でも、何かあったらいつも頼るのは海斗君だし。もう成人してるからあまり干渉するのもね…」
「あの、何で桔梗は家出みたいなことを?」
「あの子ったらまただんまり?本当に強情でごめんなさいね。大したことじゃないのよ、ただ急に一人暮らししたいとか言い出して。でも、女の子の一人暮らしなんて物騒でしょう。それに、お金の問題もあって…。あなたに言うことじゃないわね、ごめんなさい」
「いえ…」
ナギーにもこれからお金がかかる。別に親父の稼ぎが不安なわけじゃないけれど、桔梗の学費、ナギーの学費。一人暮らしするとなると仕送りもいる。お金の問題があるのは分かる。俺だって援助できるほど余裕があるわけでもない。家から通える大学なのにわざわざ一人暮らしする必要もないだろ。
「とりあえず、しばらくは家に置いときますよ。大学も行ってるみたいです。ほとぼりが冷めた頃、帰るように促してみます」
「海斗君も忙しいのにごめんなさいね」
「いえ、飯作ってくれたりと意外と助かってます。ナギーと親父によろしく言っておいてください」
「ええ。急にごめんなさいね。それじゃあ」
むこうが電話を切るのを待って電話を切った。葵さんはしきりに申し訳なさそうだった。葵さんは俺に対してはいつもごめんなさいが出てくる人だ。まあ、継母との関係なんてそんなもんかもな。俺も母さんとはやはり呼べないんだし。
「ただいまー」
暫くして帰って来た桔梗に電話が来たことは言わなかった。
「おう、おかえり」
「ったく、店員にセクハラとかなくない?酔っ払いオヤジめ。次にやったら、熱いラーメン顔面にぶっかけて酔いどころか人生ごと吹き飛ばす」
いつになくイライラしている。女って分かんねー。感情がころころ変わって、言うこともちょいちょい変わる。怒ったと思ったらすぐに笑ったりする。
「お風呂入る。今日フロアだったから、なんか煙草臭いし」
「ああ、そう」
なんだかお気に入りの入浴剤片手にルンルンしてる。怒って笑って忙しいな。桔梗も女だからな。男の俺には理解しがたい思考回路してるんだな。
「ちょっ、アリエールじゃん!私ジェルボールはボールド派だけど?!」
「俺はワイシャツが白くなりゃいいんだよ」
「あの香りが気に入ってるのに?あーもう男ってそういうとこ本当に無頓着だよねー」
「最初から指定しないお前が悪い」
「察しが悪いっ!」
その言葉と同時にバタンッとやや荒く風呂のドアが閉まる音がした。別にどっちも結局洗剤だろ…。
風呂入って、お気に入りのジュース飲んだら落ち着いたのか、一気にウトウトしだす。本当に忙しいやつだ。まあ、見てて退屈はしない。俺の好みはもっと大人しい子だけど。
「ねー、海斗。私20歳のお祝いもらってない」
「飯おごったろ」
「そーだけど―。もっとこう形に残るものとか欲しーなー…」
いうだけ言ってコテンと寝る。桔梗は一度寝ると朝まで起きない。仕方なく客間に俺が布団を敷き、寝かせてやる。手のかかる妹様だ。
「おやすみ」
さて、俺もそろそろ寝るか。…形の残るものか。もっと具体的にいって欲しい。世の女たちはやや男に期待しすぎだ。なんでも察してもらえると思わないでほしい。
「今大路さん、女の子ってどんなもの喜ぶ?」
「彼女さんにプレゼントですか?バッグとかアクセサリーじゃないですか?後、私の事はゆかでいいですって、苗字いかつくて嫌なんですよー」
ファッション誌から抜け出てきたような取引先の受付嬢、ゆかちゃんはそう言って苦笑する。彼女の爪はいつも可愛い柄や色で彩られている。そこが印象的だった。
「彼女じゃなくて、妹。成人祝いにご飯おごったんだけど、形の残るものって言われて」
「なら香水とかですかねー。20歳ならそれにふさわしい香りを。ボトルもいろいろあるんで妹さんに似合うデザインの。そういうのがいいと思いますよ」
「香水…」
「私のおススメとしては、アナスイあたりですね。女の子に人気のブランドですし。ハートのボトルが愛らしいエンジェルハートなんかもおススメですが」
「ありがと。参考になった」
「いいえー」
ゆかちゃんはにっこりと笑って軽くお辞儀した。チャラチャラしてる感じなのに、お辞儀は綺麗ないい子だよな。好みじゃないけど。
そのアドバイスを参考に香水を買った。桔梗の好みなんてわからないから、シトラス系の俺好み。買ってから気が付いたが、俺好みの香水を贈るのってどうなんだろうか。まあ、いいか。桔梗にも似合いそうな気がしたし。
「海斗、おかえりー」
「ただいま。土産あるぞ」
「えー何?お菓子ー?」
ゴソゴソと紙袋から香水を取り出す。反応がなかった。気に入らなかったんだろうか。やっぱ一緒に買いに行けばよかったか?手持ちの香水と被ったとか?
「なんか言えよ」
「えー、香水。なんで?」
「いや、形に残る物が欲しいって言ってたから。香りも似合うと思って。もしかして気に入らなかったか?」
顔をのぞきこむと大粒の涙こぼして泣いていた。
「おい、泣くほど嫌なのか?」
「違う…。嬉しいの…」
俺は妹の涙に弱い。いや大体の兄及び男は女の涙には弱いものだろう。しかも珍しく素直で。そんなに高いブランド物の香水じゃない。それでも泣くほど喜ぶ。選んだ側としてこれ以上嬉しいことはない。
それからしばらくして、ぽつぽつ桔梗は家出の経緯を話し出した。
「別にお父さんが嫌とかナギータがどうとかじゃないの」
それは分かる。口調から態度から親父やナギーを嫌ってるなんて思ったことがない。俺がナギーを可愛がると同じ、むしろそれ以上に桔梗はナギーを弟として可愛がった。まあ、歳がそこまで離れてない分喧嘩もあったが、世間一般より仲の良い姉弟と言えた。
「お母さんとね、上手く行かなくて…。いや、一方的に?私がぎこちないっていうか、ちょっと距離を置いているというか?」
「何で?」
「んー、私の名前はお父さんが好きな花で、プロポーズの時贈られたんだって。お母さんそれがすごく嬉しくって、私にその花の名前を付けたんだって。昔泣きながら話してくれた」
桔梗は幼かったからか実の父親を写真でしかしらない。おぼろげな記憶の中、夢だと言われても不思議じゃない位曖昧な光景。それしか覚えていないらしい。俺とは違い、はっきりしたものは何も覚えていないという。だから、俺の親父を実の父のように思っているのかもしれない。
「お父さん、写真でしか見たことないけど、今のお父さんにちょっと似てる。だから再婚したんだと思う」
俺は黙ってつづきを促す。別に珍しい話じゃない。
「別にイイんだけどさ。ナギータが生まれて、お母さんは前ほど私を愛してくれなくなった」
「そんなことないだろ。そりゃ赤ん坊のほうが手がかかるし、仕方ないってわかるだろ?」
「分かってるよ!でも、私が家を飛び出してから1回も連絡ないんだよ?普通連絡しない?私、毎日スマホ握って寝てるんだよ?なのに、1回も鳴ったことない」
叫びにも近い言葉から響くのは寂しさばかりだ。
「私はお母さんにそっくりだから。お母さんはね、お父さんが大好きで一番愛してた時に死んだって言ってた。だから、お父さんに似た人と再婚して、お父さんによく似た男の子の方を私以上に大事にするの。もういなくなった人の面影ばっかり追いかけてるんだよ」
勘違いだとか、自意識過剰だとか、そんなふうに否定する気にはなれなかった。ナギーはそれぐらい親父にそっくりだし、葵さんも殊更手をかけて育てている。桔梗の父親の面影を葵さんはナギーに感じていてもおかしくない。
「別にいいんだよ。私はナギータだって好きだし。でも、代わりが出来たからってあんまりだよ。お父さんと再婚するまでは、ナギータが生まれてくるまでは、もっと私の事愛してくれた」
俺は何を言えばいいか分からなかった。何か言おうと思うのに、こんな肝心な時に限って慰めも励ましも出てこない。情けない上に不甲斐ない。俺も頭では桔梗の言うことが理解できている。でも安易にわかるなんて言えない。多分、俺が桔梗の言葉を心を本当に理解することはできない。桔梗はそもそも俺に共感なんて求めていない。
「海斗がずっと傍にいればいいのにって思ったよ。私お兄ちゃんっ子だったし」
そこで言葉を区切る。
「でも、家出てからほとんど帰ってこないし。愛情格差感じながら家族仲良く一つ屋根の下なんて無理。それなら一人で寂しい方がよっぽどマシだよ」
桔梗を一人にしたのは俺なのかもしれない。弟妹のせいにして勝手に一人家を出た。別に本当に彼女がどうとか気楽とか関係なく、ただ単に出たかった。俺に過剰なくらい気を遣う義母から逃れたかった。
うすうす感じていた。罪悪感に混じる激しい嫉妬。俺は出て行った母親の面影が色濃い。自分がかつて愛した人に似た、今の夫を捨てた女。まあ、後妻が前妻を気に入らないなんて、それこそいくらでもある話だ。桔梗の話が本当だとしたら、余計母を葵さんは許せなかったのだろう。
「一人にしてごめんな、俺が悪かった」
「バカバカ。ワガママばっかりで勝手して、にーたは怒った?私の事嫌いになった?だからにーたあんまり帰らなくなったの?もうワガママ言わないし、勝手したりしないから、私の事嫌いになんないで…」
そのまんま俺の腕の中でわんわん泣く。
「バカだなぁ、桔梗は。俺がお前の事嫌いになるわけないだろ。いいよ、多少ならわがままも勝手しても。許すよ」
そうやって甘やかすからダメなんだよな。でも、そう言われたら許さないわけにもいかない。まったく仕方のないやつだ。頭をなでながら気が付く、なんか妙に熱い。
「桔梗、お前寒くない?」
「寒い、あと頭痛い…」
泣き始めた段階より少し落ち着いた桔梗がそんな事を呟く。救急箱から探し出した体温計を手渡す。大人しい…。ピピッと電子音が鳴り、体温計を引き抜く。
「…熱あるぞ、38・7℃」
緊張の糸も今まで張りつめていた全ても、ここにきて全部切れたらしい。そういえば昔っからため込んで、爆発して、熱が出るまでがワンセットだった。慌てて布団敷き、枕をアイスノンに替え、集中用に買った冷えピタを額に貼る。フラフラとパジャマに着替えた桔梗を寝かせ、布団を掛けてやる。寒いのか丸くなっている。
「にーた、寒い…」
甘えたい時だけにーたって呼ぶよな。そういうところ本当にあざといと思う。俺がそう呼ばれると桔梗に甘くなることも計算して織り込み済み。
「タオルケット足すか」
「うん、ありがと」
甘えておきながらお礼とかいうし。いつもは絶対に言わない癖に。自分が振り回してると思っている人ほど、実は自分が振り回されているという。別にその論が合ってるか間違ってるかはどっちでもいい。ただ、1個付け足したい。男の半数は好きな女、姉、妹の掌でうまく転がされていると思う。
「にーた」
「どうした?」
甘えたりツンとしたりと駆け引きの上手いやつだ。この歳にして既にイイ女の条件と小悪魔の資質を兼ね備えている。末恐ろしい妹だ。俺は将来お前が傾城をやらかさないかが心配だ。
「にーたぁ、寝るまで手つないでて」
「はいはい」
「ふふ」
そこで今日一番の甘ったるい声。天然なのか計算高いのか、本当に女って分かんねー。封建社会において女性の立場が低くなりがちなのは、単純にそういうところが怖いからだろ。そんな本当かどうか定かでないどうでもいいことが脳内を駆け回る。
熱い手を握ってしばらくするとスヤスヤ寝始めた。そっと手を離そうとしたが、なぜか離れない。その細い指のどこにこんな握力あるんだよお前。まったく。
ワガママで自分勝手ですでに小悪魔的素質を兼ね備え、甘ったれで、寂しがり屋の面倒くさい事この上ないリトルモンスター。コイツの前じゃ武器は役に立たないし、1度攻撃となればこちらの装備など初期装備より脆い。チート過ぎて凶悪極まりないリトルなモンスター。だけど、こいつは誰より可愛い俺の妹なのだ。
「お前は俺の可愛い妹だよ。気が済むまで俺の傍にいたらいい。俺がお前を嫌いになることなんて絶対にないから。お前の名前に誓うよ。そこにどんな意味があったとしても、良く似合う名前だ。桔梗」
なんだか桔梗が少し微笑んだ気がした。
桔梗の花言葉…変わらぬ愛