表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マンションカトレア  作者: 十月夏葵
2/6

103号室 常磐千鳥の場合

とりあえず、地獄に堕ちればいいと思う。浮気するような男は、本当に地獄に堕ちろ。出来れば、目の前から消えてくれ。

一度くらいの過ちなら大目に見よう。お酒での失敗など若い頃にはあるものだ。そしていずれ、笑い話になる。しかし、

「これで何回目か言える?」

「えっとぉ……3回目かなあ?」

「数も数えられないなら、小学校どころか幼稚園からやり直した方がいいわよ」

付き合って3年、同棲して半年。通算8回目の浮気である。

浮気の定義は様々だと思う。片思いですら、浮気だという人もいるし。何もしてないならセーフという人もいる。私の判断基準は、『キス』にある。キスはアウト。過去の浮気相手の何人かはキス以上のこともあったみたいだけど。


厳密に言うならば、キス以上はアウト。浮気とみなしている。


「いや、だってほら、俺だって相当飲んでたし。最近彼氏と別れて寂しいとか言って涙ぐまれたら、誰でもぐらっと……」

「みえみえの常套手段に引っかかるほうがおかしい」

このどうしようもない男、三明に出会ったのは、会社説明会であった。今から大体3年半ほど前のことだ。当時21歳。大学の4年になったばかりのころだった。たまたまグループディスカッションを採用している会社で、同じグループ。説明会後同じ大学だったと判明し、トントン拍子に付き合うことになった。卒業後、私達は違う会社に就職した。そこから彼の浮気は始まった。

「もう信じられない!今度こそ、別れる!」

「もうしないって。納得できないっていうなら、……結婚を前提にした同棲なら考え直してくれる?」

その言葉に絆された私が甘かったとしか言いようがない。

そうして私達は同棲を始めた。会社に近くて、二人でも手狭ではない所。それでいて、出来れば家賃も押さえたい。あちこちの不動産屋さんやサイトを巡った。

「知ってるよ、いい所。1階と4階が空いてるらしいけど。あ、1階は小さい庭ついてるの。2DK、トイレ、バス別、池袋まで徒歩15分で家賃9万円。よくない?」

大学時代の友人、ゆかちゃん。なかなかの小悪魔ちゃんで、可愛くて流行に敏感な子だった。在学中、彼女に彼氏が切れることはなかった。なんで、彼女がそんな物件を知っていたのかは分からない…。でも、すすめてくれた彼女が不動産屋さんとの仲介もしてくれ、内覧した時。なんとなくこの部屋だと思った。運命を感じてしまった。

「私、ここに住みたい」

「俺もそう思う」

その日に契約した。名義は一応私。結婚を前提にした同棲。別れるなら三明の浮気以外考えられない。この運命感じた部屋に他の女と暮らされる位なら、家賃が2倍でも私がここに住みたい。その言葉に

「いいよ、それで千鳥の気が済むなら」

とあっさりと受け入れた。流石に心を入れ替えたのか浮気はぱったりとなくなった。そう、なくなったはずだった、3ヶ月前までは。

3ヶ月前同棲して1回目、通算6回目の浮気が発覚。

「……、言い訳があるなら聞こうかしら」

自分でも地を這うような声だったと思う。私は足を組んで椅子に座り、三明は床に直で正座。あれは冬だったからフローリングは冷たかった。でも、私の声はそのフローリングや北風より冷たかった。

「いや、その……。飲み会でその子潰れちゃって、家まで送ったらそのまんま連れ込まれて……。千鳥を裏切るつもりはこれっぽちもなかった。その、俺も少し飲んでたし……」

深いため息をつく。ため息しか出なかったんじゃない。呆れのあまり言葉が出ない分、ため息が出た。そのつぶれちゃった子はおそらく策士でしたたかな女なんだろう。家まで送ってもらって連れ込むあたり、そこまで酔ってはいなかった可能性もある。

「飲んでたが言い訳になると思ってるの?裏切るつもりはなかった?結果的に裏切ってるよね?」

「はい……」

ムカついて2週間実家に帰った。なぜ2週間でマンションに帰ったかというと

「申し訳ありませんでした。お嬢さんを泣かせてしまい。本当に反省しています。もう、泣かせません」

わざわざ私の実家にスーツ着て三明が来た。そして、畳に額を擦りつけんばかりに土下座した。その誠実な様子に、ここまでしてくれてるんだから……と親に主に母にじっと見つめられ、帰らないわけいかなくなった。で、ノコノコ。その後また1回あって、今度は友人の家や漫喫を転々とした。その時はファミレスで男泣きに泣かれ、またノコノコ戻ってきてしまったわけだ。

そして今回通算8回目、同棲後3回目の浮気。過去2回は朝帰りのうえ、知らない女物の香水がプンプンしてたから問い詰めたら白状した。

「ふーん、ピアス。しかもこれピンクパール?随分良い物つけてる女連れ込んだのね?」

今回発覚したきっかけは、ピンクパールのピアスだ。そこまで大粒ではなかったけれど、イミテーションとは違う品の良さ。おそらく本物だ。毛足の長い絨毯に掃除用の粘着ローラーを転がしてたらくっついた。私はこんな品の良いパールのピアスなんて持ってない。そもそも、私は生まれてこのかたピアスをあけたことがない。

「私が出張に行った2泊3日の間、何があったのかな?」

プレゼンの為ちょっと関西の方まで2泊3日で出張に行った。先輩…、勿論女性の先輩とはじめてのプレゼンや得意先への挨拶。駆けまわり疲れ切った体に精神的ショック。もう私はギリギリだった。

「信じられないっ!この部屋に他の女入れるとか」

三明の荷物を全部取り出し、ボストンバックに無造作に詰めた。

「出て行って」

ボストンバックのチャックを締めて、三明に向かって投げる。ドンッと大き目の音がした。

「ちょっ、そんないきなり……」

「いきなり?何言ってんの?寝言は寝て言いなさいよ」

ドアを開けて、外を指差す。

「出て行って」

「千鳥、落ち着けって」

三明が伸ばした手を払いのける。パシンッと乾いた音がした。私はまっすぐ三明を見上げる。傷ついた顔をしていた。その被害者ぶった顔が気に入らなかった。傷ついたのも、泣きたいのも私の方だ。

「出て行って!その顔暫く見たくない!出ていけっ!」

外に追いやり、ボストンバックを再び投げつける。強くドアを閉め、鍵とドアチェーンを掛けた。そのまんま窓の鍵も全部閉めて、カーテンを引いた。一気に薄暗くなる室内。遮光カーテンでもなんでもないカーテンだ。閉めていても、柔らかく日差しが入る。テーブルの上に転がっていたピアスをキッチンにもっていき、まな板を叩きつけた。その1回で針が半ばで折れ、真珠を支えていた金属は変な方向へ曲がる。気持ちは晴れない。そのまんま適当なゴミ箱に投げ捨てた。

そして、三明が出て行って3日が過ぎた。

「へー、それで追い出しちゃったんだ。分からなくはないけど、ちょっとひどくない?」

「そうかな?私は何もひどくないと思うよ」

「えー、私だったらキスの1回で許しちゃうかも……」

久しぶりに会ったゆかちゃんとランチに行った。池袋駅のほど近くにあるオムライス屋。知る人ぞ知るところなのか、客足はまばらだ。地下で入り組んだ場所だからかもしれない。トロトロの卵がかかったオムライスはとろけるほどおいしい。

「ゆかちゃんにとって、浮気ってどのライン?」

「ライン?」

「どこまでしたら浮気かってこと」

その言葉に少しゆかちゃんは考えてるような顔しながら、オムライスを口に運ぶ。彼女の唇は、雑誌に載っていた某化粧品ブランドの新色ルージュで彩られている。相変わらず流行に敏感なのか、服やメイクは雑誌でよく見るもので、彼女に良く似合っていた。

「私から心が離れたら」

彼女にしては珍しく何の気持ちも乗っていない、淡々とした口調だった。ゆかちゃんはノリが良くて、喜怒哀楽が表情や声に出る子だ。そこがいい所なんだけど、時々淡々と無表情で何かを言う。そういう時は大体、考えた末の結論だ。

「うーん、心が離れた時点で浮気じゃない気もするけど、たったちょっとだとしても好きだったならもうダメ。浮気決定。0.1でも他の人好きなら私の事いくら好きでも浮気」

厳しいのか緩いのか分からない。けれど、シビアな基準ではあった。ゆかちゃんは並べられるのが嫌なのかもしれない。

「勢いとか魔が差す時ってあるじゃない。私だってなかったとは言わないし、言えない。それに、男の人なら尚更。いつまでどっか子供っぽいところある人もいるし。でも、私のことが全力で好きで、帰ってくるならそれでいいよ。そりゃ、ちょっとくらいは怒るけれどさ。キスの1つで機嫌が直ると思ってくれて構わないよ」

似たようなことを思い出したのか、彼女の表情は柔らかい。

「なんか語っちゃった」

そういって照れたように笑うゆかちゃんは、もうすっかりいつものゆかちゃんだった。心が離れたらか。私は三明の心がどこにあるかもわからないよ。

そして、三明が出て行って10日が経ったその日、彼女はやって来た。

「今、三明くんはウチにいます」

「そうですか…」

彼女は三明の会社の同期でピンクパールのピアスの子だった。

「お名前は?」

「滝沢、です。覚えていただかなくて結構です。常磐千鳥さんですよね?三明くんから聞いてます」

「滝沢さんね。まずは、謝っとくわ。ごめんなさい。あのピアス捨てちゃったの。もう針も折れたし、パールを支えてた金属も変な風にひしゃげちゃったし、うちにあったところで、つけるのはもう無理だったと思うけど」

「そう、ですか。お気に入りでしたけど、前の彼氏からの贈り物だったので別にいいです。片方は残ってますし」

滝沢さんはいったい何をしに来たんだろうか?わざわざ三明が彼女の家にいるということを言いに来たんだろうか?それとも、単純にピアスを取りに?捨てたのをそこまで気に留めてないあたり、それだけでもないみたいだけど。

「三明くんを返せとは言わないんですね」

「自分から追い出して、帰ってきてなんて縋るほど勝手な女じゃないつもりだしね」

「追い出すのも随分勝手だと思いますけど」

三明はこの子にどこまで話したんだろうか?この家について、私について。そして、今回の事の経緯について。そしてこの子は本当に何をしに来たんだろう。

「だって、私の家だよ。私の家に女の子連れ込む方がおかしいのよ。考えてもみて、今この時あなたの住んでる部屋に三明が他の女入れていたら嫌でしょ」

「ここは、あなたと三明くんの家でしょう?!」

「聞いてないのね。名義は私。確かに家賃は折半だけど、私の口座から引き落とし。生活費を月末に清算して、家賃の半分を三明が私の口座に入れてるのよ」

同棲するにあたり、お金の流れを透明にしたかった。お互い稼いでるし、まだ結婚もしてないからお小遣い制にはしなかった。なので月末に二人で必要経費、食費、光熱費、水道料金などを清算。そして、手持ちのお金を清算し終わったら三明が私の口座に家賃の半分を入れる。うちのお金はそういう風に回っている。

「そう、ですか」

一応は納得したみたいだ。三明が家賃を払うのを辞めても私の口座から引き落とされる。それならそれで、名実ともに私の家になるだけだ。急に倍になるのが厳しいと言えば厳しいけど、いきなり払えなくなるほど切迫してない。貯金も出来てる。新人のうちとは言え、もう就職して3年も経つ。甘い仕事はしてないつもりだ。

「あの、なんで別れないんですか?」

「なんで?」

「え?」

何では聞き返したわけではない。なんであなたにそんなこと言われないといけないのかという意味だ。彼女は私の言葉の意味を測りかねている様だった。じっと私の目を見る。私の瞳にその答えは映ってなどいないのに。

「何でって、もう好きじゃないんですよね。なら、別れた方がお互いの為……」

「私、好きじゃないって言った?それとも三明くんが『千鳥はもう俺が好きじゃないんだ』とでも言ってた?」

それは……といった彼女の顔に狼狽が浮かぶ。わざと彼女が三明を呼ぶ時の呼称を使ったことに気が付いただろうか。

「でも、追い出すくらいなんだからっ」

やっと見つけた糸口という感じだった。でもそれは間違いだ。糸口というには、それはひどくお粗末な反論だった。

「分からない?顔も見たくないくらい、怒ってたの。いっておくけど、これ8回目だから」

「で、でも、三明くんは悪くないんです。私が優しさに甘えたりしたからっ!」

本当にこの子は何をしに来たんだろうか。三明のフォローをしに来たのか、私に宣戦布告に来たのかよく分からない。もしかしたら、本人もよくわかってないのかもしれない。

「出て行って」

「だ、だから私が……」

「聞こえなかった?出て行けって言ったの。出て行って、私の家から。てか、帰れ」

にこりと笑い、小首を傾げた。もう付き合うのもバカバカしい。茶番以外の何でもない。時間の無駄。私だって時間を無駄に何時間も浪費できるほど、暇ではないのだ。そろそろ晩御飯の準備にも取り掛かりたい。

「まだ話が……」

「察しの悪い子だね。私があなた怒らないとでも?引っかかる三明もバカだけど、誘ったあなたも同罪でしょう。なら私には、怒る権利がある。それに、私が好きなら帰ってくるんじゃない?帰ってこないならそれまでの関係だったってことだし」

その言葉に唇を噛み、彼女は帰って行った。30分といなかったけれど疲れた。今日はポトフ作ろうと思ったんだけれどなぁ。疲れたし、いいか今日はレトルトのカレーでも。

適当な考えが浮かんで消える。怒るのもエネルギーを使う。なにが楽しくて彼女と膝を突き合わせて話さないといけないのか。心も疲れる。心が疲れるとやっぱり体も疲れる。


「あの、ただいま?」

「おかえり」

ボストンと三明が帰って来たのはその翌日の事だった。私がおかえりの言葉と共にドアを開けたことに、ホッとした顔をした。帰って来たのか、単なる一時帰宅なのかは知らないけど。

「美雪ちゃんがここに来たって言ってたけど…」

「みゆきちゃん?」

「滝沢美雪。名前聞いてないの?」

「苗字だけしか名乗らなかったから」

そういえば、苗字しか聞いてないことを今思い出した。あの子は美雪っていうのか。何をどう聞いたのか、何か言いたげな顔をしている。

「何か聞きたいことあるんじゃないの?」

待っていても埒が明かない気がしてそう促すと、やっと重たげに口を開いた。

「すごく、怒ってたって」

「そうね」

怒らないでいられるのは、菩薩か仏ぐらいでしょ。生憎、私は菩薩でもなければ仏でもないので、そこまでの慈悲も寛容な心も持ち合わせてはいない。もうあそこまで行くと誰に怒っていたのかも、何に対して怒っていたのかもどうでも良くなってくる。ある意味、何もかもに怒っていたといっても過言ではない。

「まだ、怒ってる?」

「何に対して?」

「浮気したの……」

それに対しても怒っているけれど、今怒っているのはなにがどうあって浮気相手の家に転がり込んだのかと、浮気に対して謝罪がないことだ。

そういえば、あの日は怒りのあまりろくに話を聞かず追い出したので、まだ謝罪も聞いていない。

「いろいろ怒ってるけど」

いろいろに含みを持たせてそう答える。付き合いの長さかいろいろに持たせた含みを察して、気まずそうに眼を逸らす。

「なあ、千鳥。千鳥は俺の事まだ好き?」

「好きだよ。好きだけど、もう前ほど信じられない。浮気はじまったころから、信じきれなかった多分。三明は?私の事好きなの?」

「好きだよ。でも、俺のこと信じきれてないのも、なんとく気が付いてた。俺から言い出した同棲なのにな。本気で千鳥とは一生一緒にいたい」

結婚前提の同棲。

私は同棲してまた浮気が始まった時から、この同棲のゴールが結婚だとは思えなくなっていた。じゃあ、この同棲のゴールってどこだったんだろう。この暮らしのゴールは、この関係のゴールは?そう考えて、ふいに気が付いた。気が付いてしまった。これは決まっていたことかもしれないし、私達がそう導いてしまった結果なのかもしれない。でも、仕方がない。


ここがこの生活と私達の関係の終着駅


私は三明の目をまっすぐ見つめる。三明も私の目をまっすぐ見つめていた。

「私達、別れましょう」

「俺もその方がいいと思う」

三明もそう思っていたんだ。いつかこんな日が来る気もしていたけど、来なければいいと願ってもいた。でも、それでいい。

「信じきれなくて、ごめんね三明」

「何度も泣かせて、ごめんな千鳥」

その言葉を最後に三明は私の前から姿を消した。

そしてもうじき2ヶ月が経つ。もう彼と暮らしていたのは何年も前の気もするし、ほんの昨日のことのようにも感じる。三明と別れた後も私はマンションカトレアに住んでいる。引っ越すなら費用は出すと三明は言ってたけど、丁重にお断りした。三明がいなくなったらいきなり家賃払えなくなる程困ってない。

今日も残業後の重たい体に鞭を打って、なんとか家まで戻って来た私。エントランスで人とすれ違う。一見、恋人同士に見える男女。女性の方は顔だけ知っている。このマンションの住人。何回かエントランスで見た。恋人同士にしてはなんかな…。違和感があった。

二人の背から目をそらし、部屋の方を見ると花束が置いてあった。

差出人は向坂三明

綺麗なうす紫色のユウゼンギクとチドリソウの花束。

三明と別れてから初めて泣きそうになった。その花があんまりにも綺麗だったから。


チドリソウの花言葉……移り気、浮気、軽率

ユウゼンギクの花言葉……さようなら


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ