鍛冶師ギルド
鍛冶師ギルドは、役所をでてまっすぐいったところにあった。
ちょうど、役所の大通りを挟んで反対側にあったことになる。
鍛冶師ギルドに入って驚いたことは、2階建ての1階部分の大部分が酒場のようになっていて、また商談スペースでもあるらしかった。
私は前世の小説みたいにドワーフがいて、酒好きで…とイメージしていたところ、その通りの光景が目に入ってきた。その中の一人が手をあげて言った。
「デニス!手入れが必要かね!」
「迷い人をつれてきた」
それが響くとあれほど、騒がしかった場が一瞬静まり帰った。
「デニス!そりゃ、新しい鍛冶師が来たというのか」
デニスがうなずくと、場は急激に盛り上がり、あちらでは肩を組んで歌い始め
こちらでは、ジョッキに酒をつぎたし乾杯の音がとられた。
気づいたときには、受付まで花道ができていて少し気恥ずかしかった。
デニスは、首で受付へ行くことを促し
「契約は終わりだ。また会える日を」
と言い、去っていった。
私は、薄情のデニスと思いつつ、それも彼の優しさであろうことはなんとなく感じていた。
花道の先頭がこちらを促すので、そそくさとその中をくぐりぬけると、
場内の歓声が一段とボルテージをあけた。
「皆さん、あなたをお待ちしておりましたよ」
書状を受け取ると何年も前から待ってたかのように、愛おしそうに受付にいたかっぷくのよいドワーフの女性がつげた。
横から
「あんたはまず、ユーバのところだな」
とドワーフの一人が書状受け取り、それを一にらみして告げた。
「私はこの街の支部長を務めているエンゲルスだ」
「今日はちょうどよかったドワーフの会合の日だ」
「ユーバがきてないからちょうど面倒をみにやるのにもよかった」
矢継ぎ早に言うと、
「ルナ、よかったらシュンとやらとユーバのところまで一走りいってくれ」
若い女性のドワーフがでてきて、ついてこいとばかりに手をあげるとギルドから去っていった。
ボルテージが上がるギルド内を横目に、ギルドを後にした。




