表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある鍛冶師の一解  作者: 蛙の殿
5/33

宿にて

 私は深呼吸を一つすると勢いよくドアをあけた。


 宿屋は1階が受付兼食事処になっているようで、騒がしかった。


 喧噪の中をかきわけて、デニス達においつくと


 「俺と相部屋だ。飯は、荷物をおいてすぐだ」


 荷物と聞いて思い出したのがあの大きな猪であった。


 緊張で忘れていたが猪はどこにも持っていなかった。


 「猪はどこへ…」


 杖を持った女性が唇に手をあてて持っているかばんをたたくと階段をあがっていった。

 

 どうやら、俗にいうマジックバックなようなものがあるようであった。

 

 部屋に入るとデニムが、ベッドに座っていた

 

 「東のはてから来たことは人に言わないほうがいい」


 と開口一番に私に向かって注意した。


 理由を聞こうとする私をさえぎって


 「ところで向こうではなにをしていたんだ」

 

 「東のはてに住んでいたこと以外は曖昧で」

 

 「記憶がないのか」

 

 「はい」

 

 「明日、手続きしたらわかるさ」


 安心させるようにうなずくと、部屋からでていくデニスをおいかけた。



 

 1階につくと、二人が待っていた。こちらに向かって杖の女性が手をふっていた。


 二人がまっているテーブルへ小走りで行くと二人に向けてデニスが言った。


 「明日、こいつを役所とギルドにつれていく」


 二人がうなずきかえすと

 

 「明日、ギルドのほうへ完了の手続きをしといてくれ」


 これにもうなずきかえすと、並べられていた料理を食べ始めた。


 私は少々戸惑いながらも、見様見真似で料理に手を付けた。


 じゃがいもを蒸したものになにやらソースがかかっている。


 それに、ポケットに入っていたものと同じ黒みがかかったパンが数枚。


 肉片らしきものが浮かんでいるスープに、色とりどりのサラダがディナーであった。


 私はそのときはじめて食欲に気づいたかのように、手を休めるところなく食べ始めた。


 日本に比べると粗食だが貧乏学生であった私には食欲をあいまって、とても豪華に感じた。

 

 「腹が減っていたのか」


 とデニスがこちらを少し驚いたふうに見てパンを数枚よこしてくれた。


 それに女性陣が少し笑いながら夕食はすぎ、床についた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ