契約の完了
「ナイフは完成したのか」
それはデニスに依頼の品を渡す日のことであった。契約の完了は商館で行われる予定であった。そのため商館に訪れた私たちを、丁寧に応接室に受付嬢が案内するとそこにデニス達がいた。デニスは、私達の姿を認めると開口一番に冒頭のことを述べた。
「はい、滞りなく」
「見分したい、商品を見せてくれ」
「デニス、焦らないでください。まず座ってもらったらどうかと思います」
杖も持った女性がそう述べるとデニスは顔をそらして
「シュン、どうか座ってくれ」
その言葉が場に流れると、女性二人がおかしそうに笑っていた。
「なにがおかしい」
デニスが女性二人をにらむと、杖を持った女性が唇に手をあてチャックするようの動作を示し、私達に手で座ることを促した。
私達は座ると、荷物からナイフ3本をとりだした。
デニスはそそくさとその中から一本のナイフをとり、見分を始めた。
「シュン」
「ど、どうでしたか」
私は緊張のあまり唾を飲み込んだ。
「銀貨1枚だ、一つ銀貨1枚で買おう」
「あ、ありがとうございます」
デニスは袋をとりだし、そこから銀貨3枚を寄こした。
「これで契約は終了でいいか」
「は、はい」
デニスはそそくさと立ち、部屋をあとにした。仲間の二人もその後を追うようにでていった。立ち去る前にルナになにやら耳打ちして。
私は契約が終了した疲れからか椅子にもたれかかった。




