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ある鍛冶師の一解  作者: 蛙の殿
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依頼の製作

振りかぶり打ち下ろす。この工程を繰り返す。


最初の頃は作業が辛い。


しかし、水を得た魚のように、意欲に燃えた作家のように幾分かたつと楽しくなってくる。


ふるうふるう、私はふるう。


旋律を奏で。


奏でる音色に間違いがあれば、そこを正し。


ふるうふるう、私はふるう


気が付けば、3本のナイフが完成していた。


完成したナイフを持って見分する。


今までの作品で一番できの良いものに感じた。


ルナが着たら感想を聞かなければと思いながら私は剣の製作にとりかかった。


数日、剣から離れていただけで私は剣を作ることに不安を覚えたからだ。


今からまさに剣の製作にかかろうとしていたときにルナはやってきた。


「ナイフは完成したの」


「もう渡せる状態にある」


「見せなさい」


 私はナイフが置いてある台を指すと


ルナは台の上に無造作に置いてあるナイフを1本取った。


「綺麗なものね」


 ほうと一つ息をはくと、感嘆した声を出した。


 私はその様子に満足し


 「どうですかね。なかなかのできではないでしょうか」


 「なかなかのできだと思うわ。もしかしたら、あなたの故郷では一番の鍛冶師だったのかもしれないわね」


 私は後ろ髪をかきながら視線をそらして答えた


 「そうだったのかもしれせんね」


 ルナはそれ以上、追随してこなかった。


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