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2人目のお客
それはある晴れた日のことであった。
私こと椎名 俊は元大学生です
今は異世界にきています。
「空ばっかりみてないで前を向きなさい」
「どこみてもお客さんはいませんよ」
「そのお客さんが来ているわよ」
「い、いらっしゃいませ」
視線を前に戻すと、黒い外套を深くかぶった長身の人が立っていた。
「これはいくらだ」
剣を指すと尋ねてきた。
「ぎ、銀貨5枚です」
「もってみてもいいか」
「は、はい」
声から察するに男らしきその人物は、剣を見分しはじめた。
しばらく見たかと思うと
「銀貨6枚だ」
銀貨6枚を台座に男は置いた。そして剣を懐にしまい、去っていった。
「やるじゃない」
遠目に見守っていたルナが、かけよると銀貨6枚を袋にしまい紙になにやら記した。
「鍛冶バカが交渉するなんてね」
「銀貨一枚ふっかけるなんてやるじゃない」
私は何もしていないと言おうとしたがなにやら嬉し気なルナに言葉を返すのは野暮に思われた。




