chapter1 冒険の始まりだと思ったのに・・・・
これまでのあらすじ・・・・・・最近ドハマりしているFPS「フェアリーコマンドオンライン(FCO)」で突如異世界に飛ばされた月宮冬花!
しかしよくよく見てみるとFCOの世界そのものじゃね?と思うようになった。そして出会った謎の少女「日向サヨリ」と出会い、バグパワーとかいうよくわからん力を手にした。
その後、クロロという女になんか変な誤解をされ、戦う羽目になった。
無事に戦いに勝利し、クロロは本来の記憶を取り戻した。そう、クロロは本来は龍山師 蒼という冬花の知り合いの人だったのだ!
いったい何が起きているのかは今のところさっぱりだがとりあえず頑張れ冬花とそこそこ愉快な仲間たち!
「さて王都に向かおうか。すべてはそこからだから!」
引率の先生みたいなノリで蒼はリードする。
「てかあたしの・・・・・その・・・濡れ衣とかなんかの容疑はどうすんの?」
「あーーーー私が色々何とかするよ…。どうやら今の私には、この世界における警察組織の中のメンバーという役割が与えられてるみたいだし、まぁ何とかうやむやにできると思う・・・・。まぁあまり期待しないほうがいいかと・・・。」
「まぁ・・・・うん・・・。」
そういいながら王都生きのバスに乗った。 30分後ついに王都ロゲエーオにたどり着いた。早速ここのシンボルである大きな中央噴水に向かった。ように
「で・・・まずなにをすればいいの・・・?」
冬花はやや不安そうな顔で蒼に聞いた。
「あーーーまずはこっから東に250mに冒険者ギルドがあるからそこに向かって。私はまぁ、濡れ衣をはらすためにここの警察組織的なところに向かうから。」
「じゃあそうするわ。んじゃ、先に行くね。」
こうして冬花は冒険者ギルドに向かった。一方で蒼はやや不安な表情で見送った。そして決心して警察組織的なところに向かった。
数分後冬花は冒険者ギルドに到着した。ログハウス風の見た目で、いかにも冒険者ギルドでーすみたいな感じだった。ドアを開けるとある意味驚きの光景が広がった。
「失礼します・・・。ん?あれ?なんか雰囲気が市役所とかハローワークっぽい?」
そう、外観はログハウスだが、内観は市役所みたいな感じだったのである!
その変なギャップに困惑したが宿っているサヨリの一声で気を取り戻し、受付の近くによくある待ち受け番号が書かれた紙が出てくるやつに向かった。
-数分後-
「冒険者の登録ですね?では、氏名、住所などをご記入ください。」
「すいません、自分はこの世界に転移されたばかりで・・・住所不明みたいなんですけど・・・・?」
「あぁ・・・・その場合は指紋で大丈夫です。そしてこちらを支給します。」
そういわれて渡されたのがボディ外装が石っぽいやつでできたスマホっぽい何かであった。ただちょっと分厚くちょっと重いかんじだった。
「こちらは導きの石板です。冒険に関する様々な機能や武器や弾薬などのアイテムを4次元ポケット的な感じで収納することができます。」
「ほー」
その後色々とそれっぽい感じの説明を受けた。
「ところで、今まで使っていたキャラとかアカウントを引き継いでこう・・・・強くてニューゲームみたいなのってできますか?」
冬花はさりげなく質問した。
「はい、無理です。 大人の事情でプレイヤーが使用していたアカウントやキャラクターはすべて消失しました。」
「つまり全部パー・・・っすか?」
「はい。おめぇはよぉ!考えが甘いんだよ!!」
急に受付の人が激おこぷんぷん丸状態になった!
「アッハイ・・・・・すいませんでした・・・。」
その後結構気まずい雰囲気になりつつも各種手続きを済ませたのであった・・・・。
—20分後—
「あークソネミ・・・・・・まぁスマホみたいなのもらえたし、これでなんぼかマシになったなぁ?」
冒険者ギルドから外へ出てくるところに蒼が猛スピードでこちらに向かっていった。
「なんとか冬花の濡れ衣うやむやにできたよー」
「やったぜ。」
「いや・・・・私がやったんですけど・・・・・つーか冒険者ギルドどうだった?」
「まぁ何とか。ただ今までのプレイデータとかそういうのが全部パーだけどね・・・・・」
「やはりそう簡単にはいかないか。仕方ない、また1からやり直そう。」
そういってふたりは蕎麦屋に向かった。
「次のニュースをお知らせします。ここ数日ゴブリンが大量発生する異常現象が発生しました。」
そば食ってる最中にこんなニュースが流れた。
「やった!いきなり大量経験値ガッポリじゃね?」
冬花はちょっとテンションが上がったが、それを見かけた蒼はフラグ発言言っちゃったなこの人と言いたげな表情で冬花を眺めていた。
「これはどういうことなんでしょう?ゴブリンクラッシャー=サン。」
「ドーモ、ゴブリンクラッシャーです。」
なんとニュース番組にそこそこ年季の入った感じの鎧を着た男がエントリーしたのである!しかもその兜・・・メンポには<鬼殺>と刻まれており覗き穴からは赤い閃光が覗いている。ニュース番組とは思えないほどシュールかつ殺伐とした何とも言えない光景であった。
「えー、あれですね。異常気象でバッタの大量発生みたいな感じで軍隊レベルにまで増えてしまったみたいですね。事態が収まるまでは女性冒険者はくれぐれも遠い外出は控えてください。そうしないとわいせつ行為の餌食にされ更に増えてしまう危険性があります。」
「だそうです。女性冒険はくれぐれも遠い外出は控え、男性の方はゴブリン駆除のご協力をお願いします。」
唐突すぎて固まってしまった冬花。それを気にかけ蒼はこう言った。
「ま、こういうときもあるさ。しばらくはこの町でおとなしくするしかなさそうね。あと、ロゲエーオにはトレーニング施設あるからそこまで焦る必要はないよ」
「なんかここ最近ツいてないな本当に!」
そういいながら蕎麦をヤケ食いした冬花であった。
「そういえば住むところどうするの?」
「あー・・・・ロゲエーオ王宮騎士団の寮・・・・使えるかなー?」
「ロゲエーオ王宮騎士団って何なの?」
「記憶を改ざんされた時の私が所属していた組織ね。この世界の警察みたいなもん。んで階級は副団長ね。」
「え・・・・・なにそれめっちゃうらやましい・・・・!」
だが、蒼は複雑そうな顔で愚痴るようにいった。
「いや・・・・・あまり覚えてないけど意外とキツイのよこれが・・・・・部下の面倒とかオフィスワークとか上司がクソだし・・・・はぁ・・・・いっそのこと記憶戻らないほうがいいかも・・・・・。明日がきつい・・・・きつすぎる・・・・・!」
「結構大変なんだね‥‥。もしよかったらその何とか騎士団に入れてもらえる?」
「かまへんかまへん!冬花が来てくれるだけで励みになるわぁ!」
「え?ハゲんの?」
「いや・・・・全然違うんだけど。まぁ住むところは何とかなりそう。ん?これコネ入社じゃね?」
「確かに。ただコネ入社したからといって調子に乗ってイキりまくるなんて事はしないから絶対!」
冬花はかなり真剣な表情で力強く宣言した。
「冬花・・・・!えらいわぁ^~~~!!!冗談抜きで!!!どこぞのクソ政治家及びその他諸々の連中も見習ってほしいレベルだぁ~!!」
蒼は冬花の頭をひたすらに撫でまくった。勢いがありすぎて摩擦熱が発生するぐらい撫でたそうだ。
「あっつぅぅぅいい!ちょっと!ここ店の中なんだけど!」
「あ・・・・・失礼‥。」
こうしてロゲエーオでの新生活が始まりましたとさ。めでたしめでたし。
「そういえばサヨリの出番は?」
「入る余地がぁ‥‥ないんです・・・・・というかウチ=冬花みたいなもんだし別にいいかなって。」
「はぁ・・・・・。そうですか・・・・。」