表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/50

chapter0-3  確信と決意

 村にたどり着いたとは言え、お金が全くないので、とりあえずさっき倒し武装イルカ軍団から取り出した武器とか素材とかを道具屋で売り、これからの資金とした。以外にも結構がっぽりもうかった。

 この世界の通貨はゴベというそうだ。冬花はゴベという通貨単位に何か心当たりがあった。

 (たしかFCO でそういうの聞いたことがあるような・・・?まさか!)

 何かひらめいたらしく、急いで武器屋に向かっていく。そして見覚えのある独特なシステムの武器の数々。アサルトライフルと剣が合体したやつとか、拳銃とナイフを合わせたデザインの武器を見かけて確信した。

 (やっぱこれはFCO の世界に転送されてしまったの?体のほうは一体・・・?魂のない抜け殻になっていたりしてんのかな?)

 腹が減ったのですこし早めに夕食をとった。近くにラーメンの屋台があったのでそこにむかったがあることに気づき始める。

 (ん?匂いを感じる・・・・なんで?とりあえず飯食って後で考えよう・・・。)

 「辛味噌ラーメン1つお願いします。」

 (ねぇサヨリ。もしかしたら精神とか魂がゲームの世界に幽閉されたっつーか、肉体ごとゲームの世界に幽閉されたんじゃね?)

 こんな感じで自分の中にいるサヨリとテレパシー会話を行った。

 (まぁ、そうかも・・。そろそろラーメン来るからそれ食べて味するかどうかチェックしよ?)

 (確かに。)


 「辛味噌ラーメンどーぞー!!」

 すばやくラーメンを口に入れた。

 (!!!麺のコシや味が普通に感じる!スープもイケる。ああ・・・・・こんなよくわからない世界でもうまいもの食えただけで幸せだぁ・・・・)

 20分後近くの宿屋に向かい、手続き完了後に寝室でサヨリを呼び出した、すると冬花の鼻の穴から粒子が飛び出た。その粒子はサヨリのボディを形成し始めた。やはりサヨリの言うとおり、自由に活動できる身体がないため、半透明になっている。

 「あの・・・やっぱりコレって肉体ごとFGOの世界に飛ばされたことなの?味覚とか感触とか、あと身体が疲れを感じているし・・・」

 「多分そうじゃないかな。冬花ちゃんと一体化した時もそういうの感じたし。」

 「あ・・・一体化すると感覚も共有すんのね・・・・・」

 うすうす感じていたが何かとんでもない事が起こっている実感がした。


 「つーか自分以外にも同じ状況下に置かれている人いるかな・・・?サヨリはどう思うの?」

 「よくわかんないけど、とりあえず冬花と同じくFCO の世界に閉じ込められた人がいるかもって信じてみようよ!今は体をゆっくり休めて明日探しに行こう!」

 「随分ポジティブだねサヨリ…。まぁ一人で悩んでも仕方ないし、そうしてみるよ。じゃぁ寝ますわ。」

 冬花はすぐさま寝た。それに続くように、サヨリは再び光の粒子になり冬花の体に戻った。


翌日、とても気持ちよく起き、あったかい紅茶を飲みカーテンを開けた。

 「ぷはーっ 今日もいいペンキ☆」

 「そういえば、寝相すごかったよ!だって宙に浮いてたし。」

 「え?サヨリそれホントっすか?寝相悪いってレベルじゃない気が。」

 

 1時間後、宿屋を出発した。恐らく自分と同じようにこんなところに飛ばされた人を探すべく、バス乗り場へ向かう途中でサヨリは気になることがあった。

 「これって異世界転生扱いになんのかな?」

 ふと思いついたサヨリが問いかける。

 「さぁ?ただこのゲームの世界観設定はアレだ、近年の若者の異世界転生のし過ぎで、時空の歪みが発生し、異世界と融合してしまった日本が舞台っていう公式設定だから異世界転生扱いになると思う・・・。」

 「あぁ・・・だからファンタジー風の世界観のくせにコンビニとかTVとかバスなんかがあるのかー!

なるほど!」

 雑談をすませたその後、バス乗り場へ向かったが、やや小柄の男に衝突してしまった。その名は【裏餅のルカ】というこの辺りを仕切っているギャングである。その男は冬花からお金を巻き上げようとした!

 「めーはも・・・ めーはも・・・・・・・・・ めーはもおしだーーーー!!」

 「えぇ!?なんだコイツ!?」

 裏餅のルカは冬花を殴りつけようとする。殺気を感じた冬花はすばやく身をかわした。近くの壁に隠れて警察に通報しようとしたが、肝心のスマホがないので壁の陰に隠れて様子をうかがうしかなかった。

 しかし、あっさり見つかってしまった。すぐさま逃げ出そうとするが、もう追いつかれる寸前までルカが接近してきた。ここでサヨリが何か思いつく。

 「あのマンホールを使おう!」

 「え・・・?まぁ・・・・よいしょっ!」

 冬花は力いっぱいマンホールを持ち上げ、それをフリスビーめいてルカに投げつけた。

 「アバーーーーーー!」

 見事顔面に必中した!冬花は緊急事態とは言え少しやりすぎてしまった後ろめたさを大きく感じつつもバス乗り場へ向かっていった。一刻も早く自分と同じ状況の人を探すべく、とりあえず王都ロゲエーオ行きのバスを探した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ