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chapter12-1 地獄オリンピック開催!?

IOCに喧嘩売るスタイル

 上級国民の飯塚幸一の裁判が遂に終わり、もう12月半ば即ちあっという間に1年が終わろうとしている。

 蒼は3分の制限はあるものの現実世界と交信ができる唯一のデバイス”『WORLD・LINK・PHONE』通称・WLP”をようやく手に入れ、師匠である”龍山師 玄廻”に電話をかけた。

 「もしもし・・・師匠?その今まで連絡が取れなくてごめんなさい・・・・」

 「別に謝るこたぁねぇよ。ご苦労だったな。しかしアレからもう2年か・・・勉強とかどうなんだ?儂、その辺ごっつい心配なんよ。」

 「いわゆるネット学習でみんな補ってるよ。もしフェアリーコマンドオンラインの世界に取り込まれてなかったら文化祭とか修学旅行も楽しめたのにな・・・まさにぴえん超えてぱおんだわ。」

 「まぁオンライン修学旅行とかいう旅行先の映像見てハイ終わりみたいなヤツ味わうよりはいくらかマシだろうな。」

 「確かに。あれ拷問だわ流石に。今の世界でドンパチやってる方がまだいいわね。」

 「そういえば東京オリンピックについてなんだが・・・・」

 「確か・・・多くの市民の反対運動や署名、そしてスポンサー企業が脱退したりとか中止されたんだっけ。」

 「うむ。その通りだ。これも月宮五郎議員の力なくては実現できなかっただろう。もし開かれたら取り返しのつかない事態になっていただろう。」

 (冬花のお父さん結構やるじゃん・・・。)

 「ただなぁ・・・月宮五郎や彼に賛同した専門家や議員、スポンサー企業の社長などが行方不明という噂が絶えない。しかもオリンピック出場予定の選手やボランティア参加者も同様だ。」

 「・・・え?なんて?どういう事なの?」

 「世間じゃあ神隠しとして扱っているようだし、世界各国の警察は一応捜索しているが一人も見つかっていないうえ、捜査を断念している国も多い。まさにだんねん。」

 「は?」

 「スンマセン・・・まぁ、一応”世界忍者連盟”は何らかの陰謀とかあると思って極秘で捜査を継続しているが正直さっぱり手ごたえがない。ひょっとしたらあの”ぼったくり男爵”が関わっているのかもしれない。奴はI〇C会長の座を追い出されたそうみ・・・・」


 あっという間に3分を経過し通信が切れてしまった。しかも次に現実世界に通信が出来るのは約10時間待たなければならないようだ。蒼は複雑な感情を抱きながら夜空を見上げていた。


 そして翌日、蒼はこのことを冬花たちに話した。すると冬花は青ざめた表情でWLPを手に取り自室へ戻った。


 「も、もしもし母さん!?ごめん最近電話かけてなくて!!その・・・・・・父さんは?」

 「あぁ・・・・最近見かけてないわね。仕事で忙しいのかしら?でも必ず一ヶ月に2,3回は帰って来るように徹底してるのに最近そういうのないからなんか心配だわ・・・・。」

 「やっぱり・・・・捜索届出す?」

 「もう出してるけど音沙汰がないみたいよ。というかSPみたいな人が毎日自宅に突っ立てるけど。」

 「なんで?」

 「なんか身の危険が迫る可能性が非常に高いからしばらくの間警護させてくれみたいな事をいってたわ。」

 「いやなんで?確かに家はそこそこ金持ってる系だけど・・・だれに狙われているのかさっぱり・・・」

 「それがI〇C・・・オリンピック運営の人たちに狙われているとか何とか。ひょっとしたら五郎ちゃんがオリンピック開催中止運動したせいかも・・・ってあれ?もしもーし?」


 冬花はすぐさま電話を切り、慌ててユリの屋敷を飛び出した。蒼はすかさず止めに入る。

 「え・・・?ちょっと!冬花!?待ってよ!」

 「は、話してよ!自分でもよくわからないけど父さんがその・・・もしかしたらこの世界のどこかにいるってかもって感じていたから・・・・勘だけど。」

 「いや、心配する気持ちはわかるけどさ、いったん落ち着いて。状況整理してからじゃないと見つからないわよ?」

 「そ、そういわれても・・・」

 冬花は複雑な顔をしながら屋敷に戻っていった。


 そしてその夜、冬花は寂しそうに一人で夜空を見上げていた。

 「はぁ・・・やべぇモヤモヤしすぎて気が狂いそう・・・散歩ぐらいはいいよねー・・・とあれ?」

 気晴らしに夜の散歩をしようと玄関から出ようとしたところ、なんとつい最近仲間になったモルモーター”あずき”が現れた。

 「心配してくれてありがとう。・・・とりあえず夜のドライブする?星空もきれいだし。」

 しかしその星空は不自然なほどに明るかった。しかもその光は赤・青・黄色・緑・紫のリングが重なったような見た目をしている。冬花本人はそこまで気にしなかったのでそのまま夜のドライブしに出かけた。

 

 そして翌日・・・

 冬花は目を覚ますとそこは壁や床が白く、殺風景な部屋だった。広さは寮の5人部屋ぐらいの広さだが冷蔵庫やテレビが一切なく、トイレも壁で仕切られていなくただ単に部屋の隅にポツンと便器がおいているだけの酷い状態だった。


 状況を理解できずあたりを見回すと、蒼たちも次第に目を覚ましていった。

 「これは一体何なの!?どうゆう状況・・・・?ねぇ冬花、私たちってここしばらくユリの屋敷で暮らしてたよね。なのにいつの間にかこんなところにいるなんて・・・・!」


 蒼は焦りながら部屋中を徘徊し、ユリは突然大きな声を上げた。

 「あああああああ!!!!どうしよう・・・家の鍵とかガスの元栓とかちゃんとしまってるのか心配で心配で・・・うわあああああああ!!」

 「そっちかーーーい!!確かに重要ではあるけどね!」


 蒼はユリをなだめた後、冬花は部屋のドアを開けようとした。しかし鍵がかかって開かないのでラジオ体操感覚でドアを蹴りまくった。

 「ひたすらにドアにキックする運動~~~!!壱・弐・参・四!!あら?結構タフなんだけど?」


 「これ水ダウの企画みたいになにか条件満たさないと出られない系じゃね?」

 メイアの突然の一言に戦慄が走る。そして何やら嫌な予感がしてきた。


 「つーか服。なにこのダッサいパジャマ・・・」

 メイアは自分を含め部屋にいるみんなのパジャマがダサいことに気が付いた。それは白と紺色またはマゼンタの市松模様のパジャマだった!さらにメイアはこのデザインに既視感を抱いていた。

 「ん?このデザインさ、東京オリンピックのマスコットっぽいような?」 

 「「「ぎゃあああああああああああ!!!!!????」」」


 冬花、蒼、ユリは急いでそのダサいパジャマを脱ぎ捨てた。

 「くっ・・・なんたる侮辱的な!!オーマイブッダ!!(蒼)」

 「どうせなら黒と緑の市松模様の袴みたいなの着たかったぁ・・・ついでにDX日輪刀もおまけで・・・うぅぅぅぅ!!(冬花)」

 「これデザインした奴の顔がみたいですねぇ・・・(ユリ)」

 メイアは3人のリアクションぶりにドン引きしつつもパジャマを脱いだ。すると突然ブザーが鳴った。

 『直ちにオリンピック設営の準備を始めてください。』


 アナウンスとともに衣服や備品が入ってると思われる段ボールが冬花たちの目の前に転送されてきた。恐る恐る開けてみるとオリンピックボランティア参加者用のユニフォームやグッズが入っていた。

 「え?これ着るの?何の拷問だよ。」

 冬花が愚痴った影響か4人は着替えるのをひどく躊躇した。10分ぐらいすると玄関のドアから怒号が飛んだ。

 「オイゴルアアアアア!!さっさと着替えろゴミムシども!!着替えねぇと聖火で焼き尽くすぞ!!」

 「うわーなにこれPL学園かよキッショwwwwww」

 「あ?なんだとテメェ!!」

 「お兄さんカルシウム足りてまちゅかー?ママのおっぱいすいまちゅかー?まぁお前にやるミルクはないんだけどね。」


 冬花は玄関の目の前にいる男に挑発をした。蒼にはその意図が瞬時に理解した。冬花がドアを開けた瞬間、蒼は素早く男の間合いを詰め股間に渾身のパンチを叩きこみ、男を気絶させることに成功した。

 「ウボァー」

 「やったぁ作戦成功!!よくできました蒼!!」

 「まぁ、朝の準備体操としては物騒だけどね。それよりどうするのオリンピックボランティア。参加した覚え一切ないし私としてはやりたくないんだけど・・・。」

 「それよりこんな訳わからん所から何とか脱出しよう!早いとこいくよーユリ!メイア!」


 こうして4人は仕方なくオリンピックボランティアのユニフォームに着替えた後、周りを警護している兵士っぽい人に見つからないようにあたりを探索した。そこはやはり雰囲気としては東京オリンピックの会場に酷似していた。他にも死んだ目でボランティア活動に従事している人々も多数見かけた。しかも全員マスクを着用している。


 「もしかしたら夏に東京オリンピックを開催できなかった腹いせとしてこの世界にオリンピック会場を設営したのかも。」

 冬花はふと閃いた。それを聞いた蒼は玄廻と話したことを伝えた。しかしある一人のボランティア従事者の男性に見つかってしまう。

 

 「君たちマスクは?」

 「うげ!見つかってしまったよ・・・しかもマスク警察野郎に・・・・あぁ・・・えぇ~とははは・・・」

 「?まぁこんなボランティアやりたくない気持ちは十分わかりますよ。強制参加なうえ、過酷な環境だし、医療従事の経験のある人なんか特にひどいらしいよ。それにここは今コロナウイルスΣ型が蔓延してるみたいだし早くマスクをつけるべきだ。」

 「し・・・Σ株?なんすかそれは?」

 「聞いた話によるとフェアリーコマンドオンラインの世界で独自に進化したコロナウイルスらしくて感染力もこれまでとは桁違いみたいなんだ。正直、今つけてるマスクもはっきり言って効果がない。ただ暑苦しいだけさ。」

 「ま・・・マジすか。で、対策はあるんすか?」

 「どうだろう?ワクチンありそうにもないし、高額だけどガスマスクを買うしかないなぁ・・・。値段は8000オリンみたいだよ。」

 「オリン?」

 「ここでボランティア活動するともらえるポイントだよ。・・・さて偉い人に怒られそうだからこれで失礼。」

 「はぁ・・・。お気をつけて。」


 冬花は男性と会話を済ませると疲れ切った顔をして座り込んだ。

 「ねぇ、みんな脱出しよ?こんなもんに付き合ってられないよ。」

 「「「まさか?」」」

 「うん。そうと決まれば脱獄じゃあ!!さもないとコロナに感染して全員お陀仏確定だし!!」

 こうしてオリンピック会場からの脱走を試みるのであった。


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