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chapter11-3 裁きの威光<ジャッジメント・レイ>

今日、11月30日に第三回公判が遂に開かれた。第2回公判で蒼が独自に捜査した不正の証拠を発見。なおこれは建前上、グリモーア評議会直属の捜査官たち(通称:真実の探求者)による捜査の結果として裁判所に提出。これは証拠隠滅として真実の探求者が殺されないかを防ぐため、そして店の名誉を守るためにこのような形にした方が色々と都合がいいそうだ。そして” 真実の探求者”は交通事故の現場の検証やモルモーターの状態、目撃情報などで手がいっぱいらしく、ユリと検察官”魅剣礼司”が蒼に不正調査を依頼したのも苦渋の決断だそうだ。

 そして第2回後半の結果、裁判長”笹林 勝志”は謹慎処分され、代わりにユリが裁判長代理として急遽決定した。


 裁判が始まる少し前、弁護士専用控室では、打ち合わせの最終段階に入っていた。


 「いやしかし緊張するなー(そうでもないけど)」

 「いやどっちですか!?しかし、弁護する対象があんな極悪上級国民とはいえ、しっかりお願いします。」

 「こんなにドキドキするのは小学校の学級裁判以来だなぁ。」

 「それはそれは。随分ご無沙汰してるのねー。(棒読み)というか話、ずれてません?」

 「うん・・・まぁ。正直、飯塚が『有罪だー!!俺を有罪にしてくれ!!死刑でも何でもいいから死なせてくれ!!』みたいなこと言ってほしいすねー」


 弁護士”鳴海法洞”のおマヌケな発言にどこか古風な風貌をした女性の助手は困惑しつつ資料の確認をして数分後、ついに裁判が始まる。


 11月30日午前10時グリモーア地方裁判所(第2法廷)にて


 「これより、飯塚幸一の法廷を開廷します。」

 弁護側と検察側が準備完了したことを確認したユリは弁護士に確認のため尋ねた。

 「まず、この事件の被告人の名前の確認をお願いします。」

 「えーと、被告人といえば僕ですよね?」


 傍聴していた蒼は頭を抱えた。

 (ちょ、ちょ、ちょっとなんなのよこの弁護士!?)

 「そのとおりです!なんて冷静で的確な返答でしょう!」

 (何でその返答でべた褒め!?大丈夫かこの裁判・・・?)

 「じゃあ次の質問です。質問はこのぐらいにしてそろそろ本題に入りましょう。」

 (もうこれ致命的な人選ミスでしょ。前の裁判長がマシに見えてきた・・・。)


 蒼は今回の裁判に対して大きな不安を抱いたが、メイアはとても真剣な表情で傍聴していた。一方冬花は安らかに眠っていた。二人の様子を見た蒼はさらに不安を感じ、胃が痛くなるような感覚を覚えた。

 すると突然、弁護士は机をリズミカルに叩いた。そしてその音で冬花も起きた。

 「あ、あれは!?ナルホドラム!?まさかこんな間近で見られるとは・・・ありがたやありがたや!イヤッホーーーぅ!!」


 近くにいた老人はなぜかハイテンションになっていた。しかも他の人も生で見るナルホドラムに大興奮し裁判所は熱狂大フィーバーとなった!もちろん冬花もメイアも目をキラキラさせている。

 蒼はこの状況に理解できないどころか脳の処理が追い付かなくなった。少なくとも彼女の中の裁判所のイメージが壊れたのは確定している。そして演奏(?)が終えると・・・


 「はい。(そうでもないけど)」

 弁護士はまんざらでもない笑顔を傍聴席に向けた。


 「さて。ちょっといいですか?魅剣検事。」

 「なんでしょうか、裁判長?」

 「では、承認を呼んでください。」

 「まず被告人・飯塚氏の話を改めて聞きたいと思います。」

 「別にいいよそんなの。イヤというほど下らん言い訳きかされたので。」

 「ですよねー」


 そんなやり取りの中、弁護士の方はなんとこっそりとエロ動画を見ていたのである。しかも音量はちょっと聞こえるぐらいのボリュームだ!

 「鳴海くん?私、帰ります。」


 隣にいた助手は呆れて帰ろうとした。しかしこんな酷い状況そのものに呆れてるのは龍山師 蒼ただ一人、他の人はこんなカオスな状況に疑問一つ持っていない。まるでそれが当たり前のことのように認識しているかのように。

 彼女はこれ以上考えるのはやめようと心に誓い、そして逃げるようにトイレへ避難した。


 「さて、飯塚氏改めて聞きますが、君は最近若い女性に声をかけフられたそうですね?」

 「はい(そうでもないけど)」

 全く今回の裁判に関係ない質問に対し、なぜか弁護士は平然と答えている。

 「なんだとォ!!そんなのはデタラメだ!信じぬぞ!!あ、ついでにモルモーターで轢き殺したのもチャラってことでしくよろ!!」


 飯塚は図星なのか突然暴れ出した。次の瞬間、天井からハンマーを持ったアームが降りてきた。すると静粛に!と言わんばかりに脳天めがけて叩きつけ飯塚を気絶させたのだ。


 「おもしろい。鳴海くん、続けなさい。・・・ぐはぁ!」

 ユリの方にもハンマーを持ったアームが下りてきて彼女の頭をぶっ叩いた。しかも4回もこんな訳の分からないことを繰り返している。とはいえそのハンマーは発泡スチロール製なので命に別状はないのでご安心ください。(飯塚に使ったハンマーは木製)そして傍聴席の方では大爆笑の渦が!

 「はい。(そうでもないけど)」

 弁護士は平然と答えた。しかし、しばらくすると飯塚は気を取り戻し、また暴れ出した。ユリはもう面倒になってきたのかゴミを見るような目つきで有罪判決を下した。


 「なにぃ!?ちょっと待って今のなし!今のなし!一旦待ってくれもう一度最初っからやってくれ頼む!暴れないから!!」

 「よく聞こえませんでしたね。もう一回尋ねましょう。」 

 飯塚は土下座をしながらユリにもう一度裁判を一からやり直すように媚びた。しかしユリは聞こえないふりをし続けた。

 「そんなやつの言葉なんざ聞く価値ないよ!思いっきり殺っちゃって!(冬花)」

 「そうそう!スカッと殺っちゃって!(メイア)」


 冬花とメイアは野次を飛ばした。次第に他の傍聴席の一般市民たちも野次を飛ばし、裁判所は大騒ぎ!それは蒼が避難していたトイレに響いた。慌てて法廷に戻ると信じられない光景が!天井にはミラーボールがつられてあり、煌びやかな光、謎のバックダンサー達、そしてノリノリな音楽が大音量で流れている。

 「ラップバトルじゃねェェェェェェかこれェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!?」

蒼は目の前が真っ白になった!だが、傍聴席の人々はノリノリだ!!


 「そこまでいうならもっかい裁判バンバンやるかい?(ユリ)」

 「どーせ結果は同じ~~~だ・け・ど・ぶっちゃけ暇だしやっちゃうぜ~♪(弁護士・検察官たち)」

 「その前にウォーミングアップしようゼータガンダムシコナーズ!!というわけでスペシャルゲストの出陣でーす!(ユリ)」


 そこに現れたのは何故か冬花とメイアであった。しかも服装もちゃんと(?)DJっぽい衣装を身に着けている。


 「YO!そこの道行く兄ちゃん 姉ちゃん♪(冬花)」

 冬花はリズミカルにメイアの頭を竹刀で叩きながら突然歌い出した。

 「突き進むスタイル 確率、独立 時代の反響 一人の絶叫♪」

 「この亀社会に生まれたオレ達若者それでも耐えぬくオレのスピリット、デメリット♪」

 冬花は阿波踊りのような謎の舞を披露しながら歌いだす!

 「これって純情?正常?亀参上 YEAH... この矛盾の中で生きてる僕たちの苛立ち許せなく やるせなく 亀助け人生 さぁ 立ち上がるなら今!道 進むなら今!これって純情?正常?亀参上 YEAH... 理不尽な 貴婦人なエンジンな状態全開!!」

 そしてメイアは華麗なブレイクダンスを決めながら亀を傍聴席にばらまいた。ちなみに、運よくこの亀をキャッチできた人は何かしらのいい事が起きるそうだ。(そうでもないけど)


 「なんで亀ラップなの?なんで亀ラップなの?」

 冬花が今更ながら号泣しつつ尤もな疑問を投げかける。

 「なんでかなー!?」

 「なんでだろー!?」

 「それはね?それは?それはね?それは?(冬花とメイアが交互に言い合う)」

 「メケメケメケメケメケメケ・・・」

 メイアはアへ顔で謎の呪文をとなえた!

 「んー、マジでぇ!?んー、マジでぇ!?」

 冬花は両耳を引っ張りながら下あごを大きく開ける!

 「ウソウソウソウソウソウソウソウソほんとはね?ほんとはね?」

 「本当はー!?本当はー!?」

 更に冬花は顔を両手で隠してはその手をパッと開いて下を大きく出す!

 「ニョーッ!ニョーッ!(メイア)」

 負けじとメイアは自らの顔を両手で縮ませては伸ばす!

 「コペポーーーーーーーンッ!!」

 『ニョーッ!ニョーッ!ニョーッ!ニョーッ!』

 冬花が謎の号令をかけるとツインテールの中からオレンジの金平糖のような妖精たちがたくさん現れ、メイアの真似をする。そしてその妖精達と一緒に冬花たちは自らの顔を両手で縮ませては伸ばす!

 「ニョーッ!ニョーッ!ニョーッ!ニョーッ!」

 「鬼はぁぁ外ォォォ!!」

 メイアは冬花のツインテールに付着している妖精の群れを掴み、節分のようなノリで傍聴席に妖精を投げた。 ちなみにこれは魔よけの効果があるとかないとか。ただ、投げられた一部の妖精は飯塚被告にクリーンヒットしてしまっているが・・・誰も気にしてない。

 「ナーーーーーーー!?クルクルリィーーーーー!」

 冬花は付着した妖精を投げられ驚愕したがすぐにクルクル回転し口からププププププという音とともにお相撲さんのような何かを大量に吐き出した。それはメイアの顔面に連続ヒットした!

 「あ、ビビビビビビィーー!!・・・ミラクル痛いっちゃ☆」

 メイアはあざとくかわいいポーズと表情でリアクションを取った。そのあざとさには裁判所内のすべての男性たちを魅了させた!


 「もわーっ!もわーっ!」

 「はっちゃけろぉーっ!はっちゃけろぉーっ!」

 メイアは冬花の鼻をねこじゃらしで刺激した!

 「もわっ、もわっ、もわっ、もわっ、もわっっぷ!!隙ありぃ!」

 「イヤァァァアン!」

 冬花は大きなくしゃみした後、すぐさまメイアのスカートをめくる!そして歓喜の声と拍手が広がった!!

 「チュッチュッチュー!チュッチュッチュー!スケベ発見、スケベ発見、ここにスケベは来なかったでちゅか?」

 「来なかったでちゅ~」

 メイアがヒヨコめいた謎の動きをしながら冬花の周りを徘徊する!


 「ボォーッ、ボォーッ、ボォーッ!」

 メイアが武骨な表情で右手の手刀を自分の喉元に近づけては遠ざける謎の動きをした。

 「ありがとうッス!自信出るッス!」

 「ボォーッって ング!?」

 突然メイアが大爆発した。しかしこれは演出なので別に死んだわけではない。

 「おひらき!」

 「やっだもーん!やっだもーん」

 「んもう、しょうがない子ねぇじゃ、最後まで付き合ってあげるっちゃ♪ 特別っちゃよ~♪」

 冬花が駄々をこね、メイアはあざとく冬花のリクエストに答える。

 「嬉しいでゴザイマース!嬉しいでゴザイマース!」

 「パラレルやっちゃってー!パラレルやっちゃってー!パラレルやっちゃってー!」

 二人はますますテンションがヒートアップ!!しかし・・・?

「「ああああああああああああああああああ!?」」


 ユリは無表情で落とし穴のボタンを押し、冬花たちを強制退場させた。まさにおひらきだ。


 「ま・・・まさかあの伝説の亀ラップをここまで再現できる猛者がこの世に存在したとはなんという幸運!!ありがたや、ありがたや!!」

 「すんません爺さん。アレなんすか?なんかもう法廷侮辱罪で死刑レベルの事じゃないすかあれ?」

 「ははははは。お嬢さんこういう所は初めてかい?最初は戸惑うかと思うけどまぁ肩の力を抜いてごらんなさいな。」

 「はぁ、そうすか。はははははは・・・・」


 蒼は伝説の亀ラップ再現で感動の涙を流したとある老人に呆れ、乾いたような笑い声をあげた。そして裁判所内にはみんな亀ラップ再現の余韻に浸っていた。


 「せ、静粛に!静粛に!」 

 ユリはギャベル (裁判所とかで使うハンマーみたいなアレ)を打ち鳴らした。これでようやく裁判が再開されるが、何が起こるかわからないのがこの裁判所の恐ろしいところだ。蒼は決意してトイレに行く前に座っていた席に戻った。


 「さて、ここへ来て状況は一変したといってもいいでしょう。」

 「 鳴海法洞さん。」

 「はい。」

 「正直なところ、驚きました。あのナルホドラムの腕前は。」

 「ありがとうございます。」

 「ところで裁判長、証言とかやってなくないですか?」

 「あっそうでしたね。では証人のご登壇お願いします。」

 「では君。こっちへおいで。」

 検察官がやさしく声をかけるとそこに現れたのはかつて飯塚被告のっていたモルモーターだ!

 そしてモルモーターは検察官が用意した翻訳機に向けてPUIPUI鳴き始めた。すると空中に立体映像としてモルモーターの言語を翻訳した文章が投影された。さらに追い打ちに落とし穴に落とされたはずの冬花とメイアが姿を現した。そしてその背後には謎のバイオリニストが立っていた。しかもその顔は葉〇瀬太郎に似ている。


 葉〇瀬太郎そっくりなバイオリニストは悲しげな音楽を奏で、冬花は投影された文章を悲しげに朗読する。

 「わたしは、モル牧場で大事に大事に育てられ、いつか自分も立派なモルモーターになって人間さんの役に立ちたい!そう思ってました。一生懸命訓練がんばって、そして運命の運転手に出会い、”あずき”という名前を貰いましたでも・・・運転手さんの不注意で人間さんの命・・・しかも家族を殺してしまった。運転手は強くアクセルを踏んだせいか、自分でもどうすることもできないスピードが出てしまった。必死に近くに交差点があるからスピードを落としてほしいと訴えたけど・・・・・・・・・運転手さんの耳には聞こえていなかった。」


 ここからさらに葉〇瀬太郎そっくりなバイオリニストの演奏がヒートアップする。そして涙が止まらない傍聴席の皆さん。冬花は涙をこらえながら朗読を続けた。

 「あとから分かったことだけど運転手さんはブレーキとアクセルを踏み間違えたせいであんな悲しいことが起きたことに絶望しちゃった。今でもそう。それに急に自分のスピードが速くなって力が抜けていく感覚もあった。 この身体は一体だれのものなのか、自分はもう人間さんと一緒に走ることはできないのかと、どうして運転手さんはブレーキとアクセルを踏み間違えたのか、この悲劇は果たして自分がもっとブレー筋肉(※モルモーターの体内にあるブレーキのような役目を持つ筋肉)を鍛えていれば・・・・と考えるとますます自分が嫌になった。だからせめてあの家族には安らかに眠って欲しいです。自分もいずれそっちにいくから。そこで何も悲しいことなく一緒に過ごしたいです・・・ごめんなさい。本当にごめんなさい・・・・!!」

 冬花は朗読が終わると涙を拭き控室に戻った。そして傍聴していた蒼は思わず滝のように涙を流していた。

 

 「あのクソモルモーターめ余計なことを!!」

 飯塚被告の苛立ちは止まらない。そう、彼は一切の罪悪感がないのだ。あずきの心情を全く気にと留めずモルモーターを単なる乗り物としか思っていない証拠だ。


 「他にもモルモーター愛護団体による抗議文が100通ほど提出されたり、署名も約5万件ございます。それにつきましては・・・(以下中略)」

 検察官はモルモーター愛護団体の抗議文や署名についての説明を始めた。蒼はようやくまともな裁判になったと安心した。しかし・・・?


 「魅剣検事、続けて弁論をお願いします。」

 「被告人おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」

 「なるほど。」

 (こ・・・こわいよお・・・・・)

 検察官が突然叫び出し蒼が抱いた安心感はすぐに砕かれ、恐怖を感じた。


 「第2の承認を入廷させていただこう。今回の捜査の指揮をとったイトマキノコギリ刑事!カモーン!(※名前です。本名なのか偽名なのかは不明)」

 「はい!自分の名前はモヘグロ・・・・ヘモグロモビロンあれ?モヘログロヘドモド・・・しょ、証言を拒否するっス!!じ・・・自分は専門家じゃないっす!!」

 (何なんだあの刑事・・・?緊張でパニック状態になったの?)

 「まぁいいでしょう。証言を続けてください。」

 とりあえず仕切りなおしてもう一度最初から始める。


 「証人。名前と職業は?」

 「はッ!自分の名前は鈍器で殴られた際の失血っス。」

 「そ、そんなバカな!?」

 弁護士は驚き、席から立ちあがった。裁判所内はすっかり混乱しているが一番混乱しているのはやはり蒼ただ一人だった・・・。

 「・・・来月の給与査定、楽しみにしておきたまえ。」

 魅剣検事はイトマキノコギリ・・・鈍器で殴られた際の失血刑事に怖い笑顔を向けた。

 「まぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ」

 (おやおや、可哀想に・・・)

 弁護士はパニックになった鈍器で殴られた際の失血刑事を他人事のように憐れんで眺めている。

そして蒼は早くこの無茶苦茶さ裁判コントが終わって欲しいと心の中でブッダに拝んだ。

 「さっさと事件の説明をしてもらおうか。」

 「はっ!飯塚被告のモルモーターは100キロまで加速し、横断歩道上の自転車と衝突し、さらに時速196キロまで加速し、交差点入り口の横断歩道で2人を跳ね飛ばし、その後も貨物モルモーターに衝突して横転させるなどして、歩行者ら8人と、同乗の妻にけがをさせたという事について新たな事実が発覚しました! 一つは運転ミスでモルモーターのブーストスイッチが押された記録があること、そして二つ目は事故発生直後、”救急車が到着する前”に従者に携帯電話をかけていたと事です。従者が電話を受けたのは事故から55分後ということが発覚しました。恐らく、揉み消しや不逮捕を依頼したのではないかという疑惑が生じたため、現在そちらは別件で調査中です。」

 「異議あり!ブーストスイッチが押されたのは一体どういうことなのですか?少なくとも公共の道路では必要ない機能だと思いますが。」

 「えー、それに関しましては恐らくクラクションと間違えて押してしまったのでしょう。またモルモーターがブーストダッシュを発動した目撃証言も数多くあります。それに時速100キロから196キロまで加速するには通常の運転ではありえません。またブーストダッシュ機能は本来、緊急回避や競技の際に使われる機能です。さらに付け加えますと・・・モルモーターの体力を大きく消耗させるため基本的にはブーストダッシュは使用しません。しかし市街地などで使われたとなると恐らく故意的にやった可能性があります。」


 すると魅剣検事の隣に座っていた拓也さんは我慢の限界か飯塚被告に問い詰めようと手を上げた。

 「被害者参加人の松酒井拓也氏から質問があります。」

 そして拓也さんは質問を始めた。

 「妻と娘の名前を言えますか。」

 「はい。真菜さんと真理子さんです。」

 「名前を漢字で書くことができますか。」

 「『真』という字に…記憶が定かでないですが、菜の花の『菜』だと思います。真理子さんは難しい字なので、ちょっと書いてみることができないと思います。」

 拓也さんは怒りに震えていた。今にも殺してやると言わんばかりの殺気を放っている。それに気づいたユリは『コイツは必ず裁く』といったようなジェスチャーを送り、彼の怒りを鎮めようとした。拓也さんは少し落ち着きを取り戻したかのような表情をしたがいつ怒りが爆発するかわからない。それでも彼は質問を続けた。


 「あなたは裁判で一度も2人の名前を言っていませんね?」

 「ええ。今までちょっとそういう機会がなかったと思っていますwww」

 「証拠の中にあった2人の写真を見ていますか?」

 「はい、拝見しました」

 「どんな写真でしたか」

 「家族でご一緒に、楽しそうな写真だったと思います」

「具体的にはありますか?」

 「例えばクリスマスのときに、真理子さんがお菓子を片手に持って、手をあげているような写真でした」

「写真を見てどう思いましたか?」

「かわいい方を亡くしてしまって、本当に申し訳ないと思っておりま~す」

「他に覚えている写真はありますか?」

 「はい、3人で撮られた、遊園地だったか海だったか、楽しそうな写真を拝見したかなーと思っております。」

 拓也さんは飯塚被告のいい加減な返答にすっかり怒りを通り越して悲しみにあふれていた。

一方、傍聴席の方ではようやく冬花とメイアが戻ってきた。

 「あんた達今まで何をして・・・・」

 「それよりあのクソ上級国民懲りねぇな!」

 「ホントホント。はよ死ねや。全身の骨砕いて内臓含めて斬り刻んでやるぜクソが。」

 蒼は二人に今まで何をしていたか問い詰めようとしたが、冬花が怒りの一言コメントでブロックされた。そしてメイアは普段の明るくチャラいキャラではとはかけ離れた、ドス黒い笑顔でボソッと物騒なコメントを残した。


 拓也さんに代わり、魅剣検事が質問した。その質問は、ドライブレコーダーと飯塚被告の記憶が食い違っていることに及んだ。 飯塚被告はアクセルとブレーキの踏み間違いだけだと主張していたそうだが、ドライブレコーダーによると踏み間違いに加えてブーストスイッチ押してた事が明らかとなった。


 魅剣検事は、飯塚被告が前回の被告人質問で自ら語った発言について尋ねた。

 「これまでの発現でも、ドライブレコーダーの映像と違っていませんでしたか。」

 「えー、私の表現が必ずしも正確でなかったかもしれませんが、大筋では違ってないと思いました」

 飯塚被告は、5秒沈黙してうめいた後、さらに3秒黙り込んだ後仕方なさそうに答えた。

 「あなたはブレーキを踏んだのは絶対に正しいと認識していますか」 

 「はい」

  魅剣検事は続けて尋ねると、飯塚被告は平然と答えた。この無責任さには魅剣検事も頭を抱えた。

 

 気を取り直し、魅剣検事が尋ねる。

「電子制御のアクセルとブレーキが同時に壊れたから発生したという主張だと理解してよいですか。」

 「電子制御は時々、不具合が起こることがあって、私どもも経験をよくすることですけど、再起動すると元に戻って正常に機能することがある。そのような事例ではないかと思っています」

 飯塚被告は4秒沈黙した後、事故後の調査で不具合が見つからなかったことと矛盾しないという訳の分からないの主張をした。



 質問攻めはまだまだ続く。

 「ブレーキを踏めば、ブレー筋肉で物理的に制御されるはずだ。少なくとも加速はしないのではないか」

 「私の記憶ではますます加速した。電気刺激でブレー筋肉が作動していなかった」

 「同時に筋肉が壊れたのか?」

 「それは分かりません。アイツの調子が悪いんじゃないの?気まぐれな性格だし。」

 「ブレーキ踏んだ記憶は100%自信があるのか?」

 「はい。まぁ、心苦しいと思っていますが、私の記憶では踏み間違いはなかった。過失はない」

 「本心では、主張に無理があると思っていませんか」

「冒頭にも申し上げましたが、暴走状態になったモルモーターを止められなかったことを悔やんでいる」

 「市街地でブーストダッシュ機能を作動させたのは?」

 「さぁ?偶然じゃないっすかね?」

 このように(やはりというべきか)罪悪感がまるで感じられない。しかも・・・飯塚被告が事故後の入院中に、アクセルとブレーキを踏み間違えたという内容を従者に伝えていたことを聞かれると、覚えていないと否定しやがった。


 「悔やんでいるというのは、責任を感じているからか?」

 「責任という言葉は非常にあいまい。車に乗らずにいれば、事故が起こらなかったという意味でも悔やんでいる。これでいいだろ?」

 「道義的にも法律的にも責任があると思うか・・・!」

 「2人を亡くならせたことについては非常に申し訳なく思っていまーす。」

 魅剣検事は机を大きく叩いた!その迫力はナルホドラム以上だ。しかし飯塚被告は相変わらずいい加減な返答しかしない。


 その後も質問を続けたがやはり、いい加減な返答ばかりだ。これはひどい。

 「まぁアレだ、足ではなく脳の指令がうまく伝わっていないから・・・私としては運転能力には関係がないと思っています」

 「衝突直前、真理子はあなたの車の方をみていますよね。」

 ドライブレコーダーの映像に関して拓也さんが尋ねると、被告はしばらく沈黙した。

 「えーと、たぶんそうだったと思います」

「拓也さんの妻と娘はどんな気持ちだったと思いますか」

 「たぶん恐ろしかったんではないかと想像しますが…分かりません。申し訳ありませーん。」

 飯塚被告は質問が来るたびにしばらく沈黙してはいい加減な返答を続ける。


 落ち着きを取り戻した拓也さんは刑務所に入る覚悟があるか問う。

 「はい。あります」

 「有罪になったら、控訴しますか?」

 「分かりませんが、なるべくしないようにしたい」。

 「私・・・私たちからの質問は以上です」

 そう語ったときは、低く沈んだ声だった。

 「・・・あのさぁもう少しまともな発言できないんですか?これじゃあ弁護しにくいじゃないですか。(っつてもこんな奴弁護する気は微塵も起きないけどな。)」

 弁護士もついに呆れてぼやいた。


 「無責任なことを毎回話されている。私や私のきょうだい、すべての人が夢を奪われた事についてどう思われますか。」

 傍聴席の中にいるとある被害者の家族が怒りに耐え兼ね、胸の内を明かした。

 「反省しても、私の大切な娘たちは戻ってきません。せめて自分がやった過ちを認めていただきたい」

 拓哉さんも怒りの感情をあらわにし、訴えかけた。彼はこれまで、愛する娘と妻の写真に向かい、『今回は認めてくれるとうれしいね』と話し掛けて続けたという。だが、裏切られてきたと感じている。「どうしてこんなに苦しまないといけないんですか。一生苦しみ悲しみを抱えて過ごさないといけない。」

 心境を打ち明けたとき、声は震えていた。飯塚被告は、じっと下を向いたままだった。

 「自分の家族のことを考えたことはあるのか?」

 「私の家族は、とても心配してくれています。亡くなった親御さんは悲しんでおられるだろう。私としては、私のモルモーターが起こした事故で家族にはるべく影響が及ばないようにしたい」

 「・・・ならばこの裁判が終わったら、もう一度、自分は悪くなかったか、反省していただきたい。心の底からごめんなさいと聞けるのを楽しみにしています。」

 拓也さんは、飯塚被告を睨みつけていた。その後、とある被害者の代理人から質問があった。

 「モルモーターが突然暴走し、減速できなかったの?」

 「はい」

 「誰の責任ですか?」

 「責任はいろんな意味があるのでわかりません」

 飯塚被告は5秒ほど沈黙し、仕方なさそうに答えた。


 最後に右陪席の裁判官が質問する。 

 「ドライブレコーダーの記録と被告自身の記憶の食い違いについて、記憶の方が間違いという認識でよろしいですか?」

 「たぶんそうなるだろうと思います」

 しばらく沈黙が続いた。ユリは証拠採用された被害者の意見陳述書を読み上げた。

 「裁判で過失が明らかになったにもかかわらず自分の罪を認めない飯塚被告の人間性を疑うとし、今すぐにでもブレーキとアクセルを踏み間違えた事実を認めるべきです。人生の残りの時間は長くない。いますぐ罪と向き合うべきです。そして・・・・・・判決を言い渡します。有罪です。」

 「なっバカな!?おい弁護士なんとかしろ!」

 「異議なし!!」

 「貴様、裏切りやかったな!?」

 「残念でしたね。いい加減罪を認めなさい。それにこれ以上の異議・・・いや言い訳は通用しません。本当は死刑にすべきだという声も多数ありますが、わたし達も鬼ではありません。終身刑ということにします。残り少ない人生を罪を償うことだけに捧げなさい。」

 ユリはゴミを見るような目つきで淡々と判決を言い渡した。


 「このクソモルモーターがぁぁぁぁぁ!!」

 逆上した飯塚被告は証人のモルモーター”あずき”を思いっきり蹴飛ばした。突然蹴られ怯え泣くあずき。しかし、飯塚被告はこれまでのうっ憤を晴らすかのようにあずきを蹴り続けた。

 「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 蒼は反射的に傍聴席から飛び出し、体当たりで飯塚被告を跳ね飛ばした。すかさずあずきの防衛体制に入り、メイアに回復魔法による緊急処置をするように指示した。

 「この子は悪くない!!いや、もしかしたらこの子にも原因があるのかもしれない・・・!でも!この子はお前なんぞと違って真正面から罪と向き合う心を持っている!!お前にはそれがあるの?ねぇ、答えなさいよ!!」

 「ほざけ!わたしは上級国民だ!!下級国民ごときの安っぽい命など知った事か!!」

 蒼はすべての怒りをぶつけた。しかし飯塚被告は逆ギレして非人道的な発言をしてしまった。


 自らの失言に気づき冷や汗をかいた飯塚被告は法廷から逃げ出した!裁判所内にいる7割ぐらいの人達は飯塚被告を追いかける。飯塚被告は警備員による必死の妨害をものともせず、遂には建物の外に出でしまった。このままでは裁判所の敷地内から出て行ってしまう!しかしバリアのようなものに弾かれてしまった。

 「こういうパターンも想定して予めこの裁判所の敷地内すべてに結界を張って正解でしたね!」

 威圧感あふれるオーラを纏いユリは静かに飯塚被告に接近した。

 「こ・・・・こ、この・・・悪魔め!!」

 「悪魔はあなたの方です!!わたしは臨時とはいえ裁判長。飯塚!!今こそ法の裁きを受けてもらいます。覚悟なさい!!」

 「ば、馬鹿かお前!上級国民を裁けるわけないだろ!はははは・・・・」

 「終わりです・・・!!裁きの威光(ジャッジメント・レイ)!!!!」

 ユリは六法全書を構え、そこから光属性の魔法陣を展開し巨大なビームをぶっ放した!!

 「そんなもんただのへなちょこビームだ!!上級国民バリア、展開ッ!!!」

 飯塚被告は六角形のバリアを展開し、裁きの威光(ジャッジメント・レイ)を防いだ。

 「この上級国民バリアはな、どんな物理攻撃や魔法、そして法律すら全てが無力化するのだよ!!!ギャーーーハッハッハッハッハ!」

 (そ・・・そんな!?これじゃあ拓也さんの無念が・・・!)


 その時、不思議なことが起こった!ユリの裁きの威光(ジャッジメント・レイ)の出力が急激に増大した!!ふと後ろを振り返るとユリを応援する人々の姿がそこにあった。そして冬花たちもユリのもとに駆け付けた!

 「まぁアレ・・・裁判とは思えない無茶苦茶な光景だったけどさ、その・・・手伝わせてよ。それにモルモーターちゃんを虐待するのは絶対許さないわ!!(蒼)」

 「あんな上級国民バリアなんぞあたし達の前じゃあただのガラス板だよ!!(冬花)」

 「そうそう。あたい達・・・いやここにいる人全員の思いを一つにしよー!!(メイア)」


 3人はユリの方に手を重ね、とにかくありとあらゆるエネルギーをユリに注入した!そして裁判所内にいる人々が抱く、飯塚被告への怒りの感情のエネルギーは飯塚被告の上級国民バリアの効力を弱め、ついでに裁きの威光<ジャッジメント・レイ>の出力の底上げにも貢献した!!

 「今度こそ・・・法の裁きを受けてもらいます!!皆さんご一緒に・・・・・・」

 「「「「裁きの威光(ジャッジメント・レイ)、最大出力ッ!!!!!!!!うおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!」」」」


 超巨大なサイズのビームが飯塚被告に襲い掛かる!そして飯塚被告の上級国民バリアにヒビが入った!

 「な!?ばかな!?この無敵の上級国民バリアが・・・なめるなぁぁぁぁぁぁ下級国民ども!!」

 飯塚被告は必死に裁きの威光(ジャッジメント・レイ)を防ごうとするもヒビはどんどん広がり、遂にはバリアの一部がポロポロ崩れ始めた。

 「まさか・・・・!?じ・・・上級国民であるこのわたしがああああああああ!?グワーッ!サ・・・サヨナラ!!!」

 飯塚被告はしめやかに爆発四散!!


 「や・・・やった!やっとくたばったよあの屑!!」

 「あのさぁ・・・ユリ、法の裁きを受けてもらいます的な事言ってたけどこれ、法の裁き(物理)な気がするのよ・・・」

 「物理攻撃でなく魔法攻撃なので正しくは法の裁き(魔法)もしくは前に魔をつけて魔法の裁きということで・・・。」

 「いやそういう事じゃないよ・・・。まぁいいや何でも。てか結局死刑じゃないのこれ・・・?」

 「因果応報です。走ったら息が上がるのと同じぐらい当たり前です。」

 「あー・・・インガオホーなら当然ね。」

 ユリと蒼は雑談をしながら裁判所内に戻っていく。一方、冬花とメイアは戦闘後の後片付け及び死体確認に勤しんでいる。


 そして時は流れ、拓也さんは家族との思い出の地、それは行楽用の小さな山の頂上ではあったがとても景観がいい。彼はここに墓を建てるという。冬花たちもそこに訪れた。

 「そうですか。ここ・・・いい所だと思います。あ、墓が完成出来たら私たちもお参りします。ところでその薄紫のモルモーターは?」

 「この子すっかり自分に懐いちゃったみたいですね。それに娘が愛していた子なので、今後はこの子と共に過ごします。まだ気持ちの整理がついてないんですが・・・この子と一緒に乗り越えてみよう頑張ります。」

 「名前はもうつけましたか?」

 「ラズベリーです。妻がよく使ってる香水がラズベリーのものを使ってるので・・・」

 「とても素敵な名前ですね。拓也さんをよろしくね、ラズベリーちゃん!」

 蒼は微笑みながら拓也さんがおんぶしているラズベリーを優しく撫でた。するとどこからか足音が聞こえた。そこに現れたのはなんと飯塚被告がかつて乗っていたモルモーター、”あずき”がやってきた。あずきは蒼に近づき頬をスリスリと擦りつけた。きっとこれは愛情表現だろう。

 「え!?どういう事?うれしいけどなんで?」

 「はぁ・・・やっと追いついた!!どうやら彼女、君に惚れてしまったようだね~いやーめでたい!!」

 「えっとあなたは?」

 「あー、僕はモル牧場の飼育員、里見朝輝(さとみそうき)だよ。」

 あずきを追いかけてきたのはモル牧場の飼育員をしている里見さんだ。彼は裁判が終わるまでずっとあずきを世話していたという。彼はずっと自分を責め続け、体調不良になったあずきが元気を取り戻し、元気に走ってる姿をみてとても喜んでいる。


 「・・・そうだったんですか。今までお疲れさまでした。」

 「むしろ感謝するのは僕たちの方だよ。あ、そうそう蒼ちゃん?あずきの新しいパートナーになってもらえないかな?すっかり君の事好きになっちゃてるし!」

 「え?いいんですかでも・・・」


 蒼はしばらく考えこんだ。自分たちは現実世界に帰るという目的のためにアレコレと奮闘してきた。それは激しい戦いからの連続になることは知っていた。今後の事も考えてあずきを戦いから巻き込みたくないと蒼は思っていた。

 「色々考えこんでも仕方ないんだし、いいじゃん仲間に入れてあげようよ!」

 メイアは蒼の肩に手を乗せ笑顔でこう言った。

 「え?」

 「うん!モルちゃんは蒼が思ってるほどか弱い感じじゃないと思うしそれにほらよく言うじゃん?カワイイは最強だって!!」

 「あーそういえば!!」

 冬花は何か思い出し、背負っていたリュックから”モルモーター用の装備のカタログ”を蒼に見せた。

 「えーなになに・・・?モルレールガンにモルスパイクシールド、モルガトリング・・・そしてモルランチャーとな。なるほど。」


 蒼はあずきを見つめ、真剣そうな顔で告げた。

 「もしよかったら私たちと一緒に冒険とかしない?・・・・・・ただ戦いは決して避けられないと思うし、危険な目に遭うかもしれないけど、どうする?強制はしないけど・・・そこんとこどうなの?」

 あずきは元気よく大声で鳴き、飛び跳ねた。その瞳は蒼に対する希望と尊敬、そして戦いに対しての覚悟に満ちていた。

 「おやおや、いいコンビだ。拓也さんも負けてれれないねー」

 「ははは、あの子たちに負けないような素敵なコンビになるよう頑張りますよ。」

 

 拓也さんと里見さんはあずきをお迎えした蒼たちを見送った。こうして下劣な上級国民、飯塚幸一に裁きの鉄槌が下された。しかし拓也さんの妻と娘はもう帰ってこない。その過酷な現実を受け止め、進むしかないのだ・・・。

 

次は東京オリンピックネタやります。

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