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chapter7-4 受け継がれるバグ



 冬花はサヨリが突然死んでしまったことの現実を受け止めきれず、ただ唖然としていた。

その感情は消えることなく、ただびっしりと冬花の精神にこびりついたのである。

 ただなんとなくサヨリの遺書を虚ろな目で眺めていた。そしてその瞳には毎日のように涙が流れている・・・。

 ある日、偶然にも涙が一滴遺書にピトっと落ちた。するとなんということでしょう。涙でぬれた部分から文字が浮き出たではありませんか。それに気づいてしまった冬花は、霧吹きで遺書を濡らした

。するとこんな怪文書のようなものが現れた。

<6YeR5bqr44Gu55Wq5Y+344GvNTIxNDnjgIINCuOBneOBruS4reOBq+OCpuODgeOBruacgOW+jOOBruacgOW+jOOBruWKm+OCkumBuuOBl+OBpuOBiuOBhOOBn+OCiOOAgg0K44Km44OB44Gu44GZ44G544Gm44KS44GC44Gq44Gf44Gr6KiX44GX44G+44GZ44CC>

 

 「・・・・。なにこれ?全然わかんないんだけど。何語なんだよコレ!」

 冬花は焦った。隠しメッセージがこんなわけわかんない文章で書かれていたことに!急いで蒼を呼び出してこの隠しメッセージを見せたが、まったくわからずそのまま固まった。とはいえ、何かしらの意図は見出したようだ。

 「こんなわけわからん言語で書かれてるってことは相当大事な内容か・・・・それともだだの嫌がらせかどっちかだな・・・・。」

 「後者はさすがにないとおもうけど・・・・」

 このまま悩んでも仕方がないのでドクタージャムのいるパン工場にむかった。

 蒼がピンポンを鳴らした。

 「すみません、ドクタージャムさんはいますか?」

 「あー、ジャムさんは今朝から抗議の作戦会議みたいなのでいないですね・・・・」

 「えーと、あなたは一体?」

 「あっ申し遅れました、自分はドクタージャムの助手のバダ美です!」

 そこには顔がやや細長い長身のシェフ姿の女性が立っていた。

 「入って、どうぞ」

 3人はパン工場の中の会議室へ向かった。

 

 「では、お話の方は?」

 「実は・・・・私の仲間がなんというか・・・・そのー・・・・殺されたらしくて・・・・この遺書を見つけたんです。冬花はその遺書の隠しメッセージをみつけたんですけど、その内容が全く分からなくて・・・・・」

 バダ美は遺書を手に取り、しばらく眺めていた。

 「これは・・・・BASE64で書かれてますね。さてと。」

 バダ美はノートパソコンを取り出し、カタカタカタッターン!って感じでいじった。

 「あっ解析終わりました。これを!」

 「ふーん・・・・どれどれ・・・・これは!」

 <金庫の番号は52149。その中にウチの最後の最後の力を遺しておいたよ。ウチのすべてをあなたに託します。>

 

 「こ・・・・・コイツは!?冬花!のんきに一人お茶会してる場合かッーーー!!」 

 「え・・・・うん・・・・。おお!?すげぇ・・・」

 3人は急いでサヨリの使っていた部屋に向かった。


 「これが例の金庫かぁ・・・・いつの間にあるんだこれ・・・・」

 布団の上にはいかにもな雰囲気を放つ金庫がそこにあった。サイズは米袋の半分ぐらいだと思われる。冬花はじっくりと見つめ、それを手に取ったが、妙に軽い気がした。

 「あっ・・・・・・コレって空っぽっていうオチじゃないよね?よくTVで開かずの金庫こじ開けたら空っぽでしたー的な。あまり期待できる気がしない・・・・」

 「まぁ物は試しでしょ。」

 蒼はモノ言わぬ顔でパパっと暗証番号を入力した。

 そして中から出てきたのはバグの塊のような禍々しい感じのエネルギーの塊だった!


 「うほっ♡久々にバグ的なの見たぁ~!!あー・・・・・心が休まるぅ・・・うーん、バグは いいぞ。」

 「えぇ・・・・」

 冬花はヘヴン状態になり蒼はそれにドン引きしていた。バダ美も蒼と同様にドン引きした。

 「んじゃあ・・・・ありがたくいただき・・・」

 冬花は金庫の中のバグの塊のようなものに手を伸ばそうとした。

 「はいストッーーーープ!!」

 「え?どうしたの蒼?」

 

 蒼はかなりシリアスな感じの顔で冬花に迫り、壁ドンした。

 「いやいやいやいや何なん!?急に!?なんかやらかしたんすか!?」

 「・・・・いや、そうじゃない。覚悟があるかどうかだよ。あの変な塊はきっとお前にとてつもない力を再び手にするって感じがするからさ。もし実際に力を手にしたら多分、今までのような日常を送ることはまず難しいだろうし、もしかしたら今後の人生が修羅の道と化すことも・・・!」 

 「つまりご利用は計画的にみたいな?」

 「え?まぁ・・・・うん、ちょっと違う気がするけど大体そんなんかな?」

 それから5分ぐらい冬花は考え、結論を出した。


 「あたしはこの力で戦ってみるよ。つーかそもそもこのゲームん中に吸い込まれた時点でもうね・・・・こんなことした運営とかその他諸々の連中を一発、いや一兆発しばきまくるって密かに決めているので・・・それに他にやれる人がいない以上、あたし達でやらないとダメな責任は薄々感じてるよ。後は・・・このままやられっぱなしは何よりも嫌だし!だから・・・・!!」

 「冬花・・・・・・好き!」

 「あっそりゃどうもー・・・・っていい加減に壁ドン解除してくんない?圧力パネェんだけど!」

 蒼はパパっと冬花から距離を置いた。

 「ただ唯一の問題はスマホ太郎やデスマ次郎みたいな蔑称付けられる事がめちゃくちゃ怖いぐらいかなー・・・・?」

 「そこかよ!!!!まぁ手に入れた力に責任持っているだけいくらかマシ・・・・なのかな?冬花の場合・・・」

 すると、バダ美は冬花にこうアドバイスした。

 「大丈夫ですよ。アイアンパンメェンも超人的なパワーを持っていますが、いっつも必ず勝てるわけではありませんよ。色んな仲間と協力したり、戦闘以外の用途で力を使うなどで正義のヒーローとしての地位を確立し、今もこうして子供たちの憧れとして活躍できているのです。・・・・なので一番重要なのは真心と勇気だとおもいます!・・・まぁこれは自分の解釈ですが・・・・・。」

 その言葉を聞いた冬花の迷いは晴れた!そしてバグの塊に手を伸ばした!


 「にゅおおおおおおお!!力がみなぎる!魂が燃える!!あたしのマグマがほとばしるぅぅ!!

もう誰にも止められない気がするぅ!!!!!」

 冬花の身体はバグの塊のようなエネルギーでみなぎっている。見た目からしてなんか健康に害している感があまりにも強いので二人は不安そうな顔で冬花を見守った。


 「あー・・・全身の細胞がトップギアですわぁコレェ・・・・・・!!!たまらねぇぜ。」 

 「えー・・・これ大丈夫?エフェクト的に不安要素しかないんだけど!」

 「へへへ、蒼ぃ・・・そこら辺はダイジョウVよ!」

 冬花は笑顔で右手でVサインをした。

 「はぁ・・・。そのVサインが余命2年のサインじゃないことを祈るよ。」

 「さてと、そうと決まれば寿司食いにいこう!!腹減ったし!」

 「あぁ・・・・その前に抗議のために用意するもんあるからなぁ‥‥また別の機会で・・・・」

 「えぇー・・・・まぁしゃーないか。」


 10分後、蒼はドソ・キ木ーテに買いものに出かけた。

 「旗とかメガホンとか用意しないとな・・・・護身のためにバールのようなものも買っておくべきか…?」

 メモを見つめながらブツブツ独り言を呟いていると怪しい日本語で書かれた看板を見つけた。

<奴隷格安乜ール実施中!性欲を満たレたり極度勞动力確保にどラそ>

 興味がわいてきた蒼は地下へつつく階段へ進んだ。その地下の階段はおそらく5階ぐらい続いており、降りるたびになんとなくジメっと感じるようになった。階段を降り切ったところ周りには牢獄がいっぱいあった。しかもうめき声がめっちゃ聞こえる。

 これには蒼も驚きを隠せなかった。まさかドソ・キ木ーテの地下にこんな異様な空間があることに。

牢獄の中にはやせこけたおっさんがほとんどだったが、中には女性や子供、さらには宇宙人っぽいものまでジャンルは実に多彩であった。


 しばらく進むと偶然にも金髪ショートボブで肌は褐色の奴隷の少女と目が合った。

 その後互いにジーっと見つめていたが何か違和感を感じた。

 (アレ・・・・?昔の知り合いにクリソツな気がする・・・・・。)


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