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chaoter5-3 ケツワープ脱出作戦

 いきなりクビにされた挙句、死刑の方がまだマシなぐらい最悪なクソ映画を見せられる羽目になった月宮冬花!彼女は真っ白に燃え尽き、牢獄の隅っこで撃沈していた・・・・。

 一方サヨリは何かいい考えがあるらしいが・・・・?

 

 「んじゃあみてて!」

 「はい・・・」

 冬花は聞き取れるか微妙なぐらいのちっちゃい声で返答した。

 「ヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤッフー!!」

 奇抜な掛け声とともに壁に向かって後ろ幅跳びを連続で行った。目では追いきれないスピードで牢獄の壁を難なくすり抜け、どこかへ去っていった。

 「い・・・今のは!まさか・・・あのケツワープ!?」

 冬花は啞然としつつも少し元気になった。


 そしてサヨリがケツワープしてたどり着いたところは地下排水溝だった。ほぼ真っ暗で何も見えないうえに非常に臭くてたまらない。万が一に備えて習得しておいた光属性魔法”ラステー”を使った。 小さい光の球が頭上に現れ周囲を照らす。すると地下迷宮としか言いようがない光景が見えた。

 (え・・・・?想像以上に広いんだけどケツワープでいける・・・・いや逆に迷子になるか・・・)

 と考えながらも勘だけを頼りに進むしかなかった。


 一方蒼は公園でブランコでブラブラ揺れながら何か後悔しているようだ。時間帯はお昼辺りだ。

 「あぁ・・・・やり過ぎた!立場上仕方ないとはいえアレはやり過ぎた・・・・あーどうしよ・・・・・・・」

 そこに一人の幼女が現れた。年齢的に8~9歳ぐらいだと思われる。

 「あのー次いいですか・・・ってなんかすごい負のオーラ出てるんですけど!」

 「あぁごめんね・・・。すぐ変わるから。」

 蒼はヨボヨボした感じの表情で話した。

 「お姉ちゃん・・・・・何かあったの?」

 「えー・・・いやそのー・・・・言っても結構複雑というかー・・・なんでもないから大丈夫!ハハハハハ・・・・」

 「嘘つけ絶対なんかあったでしょ!友達とケンカしたとか?」

 「はい・・・そうです。(ケンカってレベルじゃない気もするけどここはケンカにしておこう)」

 「心をこめて”ごめんなさい”すれば大丈夫だと思うよ!後は何かお詫びの品的なの渡すとか?」

 幼女は純粋な目でそう答えた。

 「でも世の中には”ごめんなさい”で済むことはあまりないと思う・・・。」

 蒼は全身をガタガタ震わせながらつぶやいた。

 「うーーーーーん・・・よくわかんないけど言ったほうがいいよ!あとはそれから!」

 蒼はそのまま何も言わずうなずき、速やかに公園を去った。そして幼女は周囲の友達と一緒にブランコで遊び始めた。数秒後、蒼はピタッと足を止めブランコの方向を向いて敬礼した。

 「誰だかわかんなかったけどありがとう・・・!ってもうこんな時間か!」

 再びロゲエーオ城へ向かっていった。


  そして午後10時。相変わらずロゲエーオ王国特有のクソ残業は今日もあり、虚ろな目で蒼はコンビニで今日の夜飯を買いに行くところ、突然マンホールがガタガタ揺れていた。

 最初は幻覚だと思ったがマンホールが勢いよく飛び出た。中からコンニチワしたのはサヨリだした。

 「あのー何してんの?てかめっちゃ臭いし変なのくっついてるしボロボロだしどういうこと?」

 「あーそれはねーえーと・・・」

 サヨリはこれまでの状況みたいなのを話した。

 「やはりそうでしたか!しかしまぁよくやること。よし、私も人肌脱ぐわ!もうあんなブラック国家についていけないんで脱獄のお手伝いするね!」

 「頼んだよ!いやマジで!」


 そして深夜2時早速”月宮冬花を脱獄させようプロジェクト”がスタートした!

  まずはサヨリは蒼の手をつないでケツワープで城のセキュリティシステムをガン無視して牢獄に入り、蒼が牢屋のカギをこじ開け、ケツワープで撤収する流れだ!ただし方向を間違えると二度と戻れないらしい。


  「方角的にここでいいね。んじゃあ頼んだわ。」

 「なんか考えたウチが言うのもなんだけど他の方法がある気がするんだけど・・・」

 「確かに。この城結構セキュリティしっかりしているから意表を突いた方法でしか突破できないからさぁ・・・・」

 「うぅぅん・・・・わかった。じゃあ蒼ちゃんしっかり掴まってよ!すっごいスピード出るからね!」

 サヨリは蒼の手をガシッと掴み、城壁に向かって後ろ幅跳び小刻みに行った!

 「ヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤッフー!!」

 謎の叫びと共に二人は北東の壁を貫通し、地面をもすり抜け、そのまま南西方向にある牢獄へ一直線に超スピードで駆け抜けた。

 「のおおおお!!早いッ!これが噂のケツワープかぁ!ってちょっと待って!吐きそう・・・」

 「ええええ!?このタイミングで!?もうちょいで着くから我慢してぇ!!」


 一方牢獄では相変わらず冬花はやさぐれていた。

「はぁ・・・なんかサヨリと出会ってからなんかひどい目ばっかあってる気がするんだけど・・・もう色々疲れたよ・・・本当になんなのもぉ!」

 冬花はブツブツと愚痴をつぶやいていると、床からニュッとなんも前触れもなくサヨリたちが現れた。

 「ぎゃあああああああなんか出ぇたぁ!ってなんだぁ。もしかして助けに?」

 「うん!だってこんなウチを受け入れてくれたから、それなりに恩返ししたいし!まぁ蒼ちゃんは酔ってダウンしてるけど・・・てか予定とちょい座標がずれちゃったかなー・・・」


  蒼の酔いが覚めた後、急いで脱獄の準備をした。

 「当初とちょっと予定が変わったけどこの後は転移結晶でもう寮に戻って荷物まとめてこんなクソ国から出よう!」

 すぐに転移結晶を起動したけど”しかし不思議な力でかき消された!!”のメッセージが表示された。

 「ウカツ!ここセキュリティ結構厳しいのすっかり忘れてたぁ!!サヨリィ!ケツ何とかでピャーといこう!それしかない!」

 「お・・・おう・・・・行先はどうなるかはわかんないけど・・・・」

 

冬花は興味津々の表情でサヨリに迫った!

 「え・・・ちょっと待って?今ケツワープって・・・!それアタシもやりたい!というかやれるの!!」

 「た、たぶん使えるんじゃないかなハハハ・・・・」

 サヨリは少しめんどくさそうな顔でそっぽを向いた。

早速、冬花はケツワープを試した。

 「ヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤッフー!!」

 見事にケツワープが成功した!そしてそのままどこかへ消え去るのであった。

 「あっちょっと待ってよ!ヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤッフー!!」

 サヨリもケツワープで冬花を追いかけ、壁の向こうへと消え去った。

 

 「もうめんどうみきれよう。」

 そんなカオスな光景をみた蒼はこうつぶやき、その後自力で何とか牢獄から脱出し、寮へむかったとさ。                                                

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