chapter4 in the Exploding parasite その1 ~爆発寄生虫フジツボム登場~
蒼とサヨリは今、買い物デート中であった。しかしサヨリはものすごい殺気のような物を感じ取った。
二人は急いで冬花のいるロゲエーオ王宮騎士団の寮へ急いで向かった。
45分後ぐらいに寮についたがあまりにも恐ろしい光景がそこにあった。
「た・・・・助け・・・・うぅ・・・・!」
そこにはフジツボのようなものが沢山くっついた冬花の姿がそこにあった!サヨリは声が出なかった。どえらい症状が現実に起きてしまったという現実を受け止められず、ただ虚ろな目で見つめるしかなかった。
蒼は急いで救急車を呼んだ。5分ぐらい経過した後、救急車がやってきた。救急隊員は冬花のフジツボだらけの巨体を持ち上げ急いで運んだ。男性2~3人と蒼とサヨリでで持ち上げるのがやっとでしかも蒼たちが住んでいる寮の部屋はなんと6階なのですご~く時間がかかったそうだ。
やっとの思いで救急車に冬花を乗せることに成功した。しかし、その救急車は・・・救急車っぽいデコレーションが施された馬車みたいなものだった。当然馬も白いし、体中に赤色灯を身に着けている。蒼は状況的にツッコむ余裕などなかった。ただ冬花の安全を願うしか頭になかった。
サヨリは悲しそうな声で蒼に話した。
「ごめん・・・・・本当にごめんなさいッ・・・!冬花ちゃんと一体化した後、身体の方に迷惑をかけないようにと色々気を使っていたけどまさかこんなことになるなんて・・・!」
「いいんだ・・・・・。誰のせいじゃない言って事は冬花もわかっているよ。とりあえず今はあの子の無事を祈ってそばにいてあげることが重要だと思うよ。」
蒼はサヨリを優しく抱きしめて慰めた。
気が落ち着いた後、二人はロゲエーオ中央病院に向かった。
「209号室・・・・ここだね。」
「あ・・・蒼ちゃ・・・・・ん皆来ていたんだ・・・・・。」
弱々しい声で冬花は蒼に喋った。その表情はどこか嬉しい感じがした。そして隣にいる看護婦から冬花の病状を語った。
「冬花さんの身体は寄生虫フジツボムに寄生されています。このままでは冬花さんの身体は爆発四散し、さらに周囲に胞子をばらまき、さらに多くの人がフジツボムに寄生される危険性があります!」
「そうですか・・・ではなぜご存知でしょうか?」
冬花は恐る恐る看護師に質問した。
「少し前に冬花さんと同じような症状の方がいたんです。その時は何とか手術に成功して取り除くことはできたのですがここまで感染しているのは冬花さんで初めてですね・・・。」
蒼とサヨリは目が点になった。
「応急措置として表面のフジツボは切除しましたが体内のコアは神経とつながっており、正直かなり難しいですね・・・・・。」
「そ・・・・そうですか・・・。」
それから1時間半特に何もしゃべらずにただ単に冬花のそばにいた。こういう時なんて話せばいいのか二人には分からなかった。ましては冬花もまともに喋れる状態でないため、沈黙と緊張状態がずっと続いた。するとさっきの看護婦がこちらにむかってきた。
「冬花さん、手術の時間です。」
冬花の重たい体を数人がかりで持ち上げ、手術室へと向かった。その後冬花の主治医だと思われる中年のおじさんが二人に今回の病状について説明した。
「どうも、冬花の手術担当をしている山崎です。今回の病状は正直言って初めて見ました。大まかな説明は看護婦から聞いたと思うけど体内のコアは・・・・脂肪をエネルギー源にしてどんどん増殖してる性質ですね。しかも神経と直接繋がっているもんだからうかつに手が出せずに難航を極めています…。」
「そんな・・・!冬花ちゃんはこのまま死ぬっていうの!?いやだよそんなオチ!!」
「ちょっと落ち着いてサヨリ!先生を責めるんじゃあない!!」
「本当に済まない…やるだけのことはやったんだが・・・・。」
山崎さんの顔は悔しさと怒りが混ざったような表情をしていた。
ふと、蒼が何か思いつく。
「先生、一応いろんな手術のやり方みたいなの試しているんですよね?」
「あ・・・・あぁ・・・・・色々試したうえでこの有様ですからねぇ・・・・・」
「こういうのはどうですか?正直バカげてるとは思いますけど・・・・何らかの方法で私自らがミクロ化して体内のコアの根っこを引きちぎるとか・・・。」
「ハハハ・・・そんなまさか・・・・随分面白いことを言いますね。」
「ですよね・・・。けどサヨリと冬花がもつバグパワーがあればそんな非現実的な方法が実現するかも。」
「バグパワーとは一体?」
「さぁ・・・・なんでしょうね?私は少なくとも≪物理法則とか物事の概念を捻じ曲げてヘンなことする≫能力だと解釈していますね・・・。」
蒼はそういうとサヨリをニヤリと見つめていた。
「?うん・・・・大丈夫?確かにできるっちゃできるっぽいけど・・・・・そのずっとミクロ化したまま元に戻らない・・・・とかなんて言うか確証が全くないやり方だと思うけど本当に大丈夫?」
「手術のことはさっぱりわからんけど、色んな方法でやっても手術成功できなかった。なら今言った方法でやるしかないと思う・・・・。それに使えるものは積極的に使わないと!」
蒼は覚悟に満ち溢れた凛とした表情でサヨリと山崎さんに話した。
「わかった。気にのそのアイディアにかけてみよう。」
「ありがとうございます。私なんかのバカげたアイディアを採用していただいて…。」
蒼は申し訳なさそうな顔で深々と頭を下げた。」
「まぁ若いモンはこのぐらい積極的でないとね‥‥。今時君みたいな人は割と珍しいと思いますよ。自分も昔、若さゆえに無茶な事をやった経験ありますし。とはいえ、君ほどぶっ飛んだ事はやれなかったんすけどね。ハハハ・・・・」
と、山崎さんは微笑んだ。その後蒼のアイディアをもとに手術の準備が始まった。
「本当に大丈夫?後悔しない?」
サヨリは蒼のことが心配で心配でどうしようもなかった。
「サヨリ・・・・・そこまで心配してくれたありがとう!ちゃんと帰還できるように転移石あるから。」
自慢げにコバルトブルーの長方形のキレイな石をサヨリに見せつけた。その後、サヨリは覚悟を決めた。
「どぉぉぉぉぉぉぉぉぉりやあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「グワーッ!!」
なんとサヨリはかかと落としで蒼の頭をぶっ叩いた!その時、不思議なことが起こった!蒼の身体がみるみる小さくなったのだ!そして肉眼でギリギリ見えるぐらいのサイズになった!
「ウー・・・・イテテ・・・マサカブツリデヤルトハ・・・・・・」
蒼は小さくなった影響か声が甲高くなったそうだ。
「とりあえず、成功か。じゃあこのカプセルに入ってください!」
山崎さんは床にそっとカプセルを置いた。
「ヨイショ・・・・・・ヨイショ・・・・・・! イガイトキョリアルナ!!セメテモウスコシチカクニオケヨ!!」
数分後、やっとの思いでカプセルに蒼は入った。甲高い声で合図をとった後、冬花の口に投入し、さらに胃カメラもいれた。
こうして体内に入ることが成功した。はたして神経と繋がっているというフジツボムを倒すことはできるのだろうか。




