ちょっと怖いなと思ったこと、色々
皆様は最近、友人・知人に手書きの手紙を送った事がありますか?
手書きではないけれど年賀状くらいなら、という方が殆どではないかと思います。
今はラインやメールといった便利なものがありますからね。
手書きで文書をしたためて、切手を貼って郵送する機会はめっきり減ったのではないかと思います。
何故こんな事を言い出したかと言いますと、以前、誤配によって困惑した事があったからです。
ある日の事。
集合ポストから新聞や郵便物を取り出しチェックしていたら、絵葉書がありました。
DMではなさそうですが、宛名を見ると我が家とは全く関係のない方のもの。誤配かな、と思い住所を見れば、町名も番地も部屋番号も我が家の物。
ん? と二度見しました。
部屋番号までは合っている、正しい住所です。
ただし、宛名が見ず知らずの方の名前なのです。
差出人を見れば、当然の事ながら知らない方です。
集合住宅のエントランスにある集合ポストというのは、時折別の部屋の方の郵便物が入っていたりします。そういう場合は、大抵ポストの上下左右が間違われていました。
本来は「誤配です」と書いた付箋をつけて郵便ポストに投函するべきですが、住所氏名が間違っているのではなく、郵便配達員のケアレスミスですから、まあ、そこは忖度いたしまして、私は正しい部屋番号のポストに入れています。何年に一回という頻度ですしね。
ですが、今回困ったのが、宛名が違うという事。
書かれた宛名人様の部屋番号が分からないのです。
賃貸マンションは、長く住んでいる方もいれば、転居していく方もいて、入れ替わりが早いもの。挨拶は交わすので、顔はなんとなく覚えるのですが、名前が分からない、という体たらく。
これは、私が悩んでいても仕方がないと早々に判断して、「誤配です」と付箋をつけて郵便ポストに投函しました。
絵葉書には、表面の下半分に小さめの文字でびっしりと私信が書かれていました。メール全盛のこのご時世。ハガキとはいえ、手書きは珍しいなあ、せっかくのハガキだからきちんと宛名人様に届くと良いなあ、と思いつつ、そんな事があった事も忘れかけた頃。
また、我が家のポストに絵葉書が届きました。
同じ様に住所は合っているけれど宛名が違う、同じ(と思われる)差出人からの絵葉書。
え? なんで? と思いながらも、再び「誤配です」の付箋をつけて郵便ポストへ。
暫くすると、郵便局から何やら確認したい旨の文書が届きました。
郵便配達業務を確実にする為に、住所及び全居住者氏名の届け出をお願いします、との事。
当時我が家は私の母と同居していたので名字が違う者が住んでいました。
この際ですから、確り認識してもらおうと届け出たのですが……
また、届きました。3通目です。
え? おかしくない?
宛名不明で差出人に戻されて無いの?
一度でも戻されていれば、何処かが違うんじゃないかと確認するものではないでしょうか。それも郵便という手段ではなく、電話等の直接的な手段で。住所合ってる? と。
差出人も疑問ですが、郵便配達員も疑問です。
つい先日、住所及び全居住者名を届け出たばかりです。
何故、届けに無い人物宛の郵便物が我が家のポストに配達されるのか。
恐らく、差出人が控えている住所が間違っているのでしょう。
しかしながら、私が「誤配です」と投函しても、慣れた配達員が正しい宛名人へ届けてしまう。
そして、これも恐らくですが、受け取った宛名人も自分宛の郵便物の住所が正しいかどうかなどチェックしない。
その結果、いつまでも差出人には、控えている住所が間違っているという情報が伝わらず、我が家に配達され続けているのかもしれません。
3通目を眺めながら、これは一筆書いて返送した方が良いかなぁ、と迷いました。
でもねぇ。私が一筆書いて切手貼って返送?
郵便局が宛名人不明で返送すべきだし、その方が色々問題が少ないと思うけど、3通目だしなぁ。
たぶん、配達員もシフトだろうから、同じ配達員が同じ絵葉書に当たっている訳では無さそうだし。だからこそ、我が家に届き続けてるのだろうし。この誤配は、そもそも差出人が住所の間違いを認識しない事には、無くならないだろうし。
だからといって、見ず知らずの他人に私の個人情報を晒したくはないので、近くの郵便局に行きました。これこれこういう訳で、誤配に困ってますと。差出人に確実に返送して下さいと。
ご迷惑おかけしましたといわれたので、は~やれやれ一件落着かな、とホッとしたのも束の間。
又々届きました。4通目です。
なんでだよ。
え? やっぱり私が一筆書かなきゃ駄目?
えええ??? しょうがないなぁ、と差出人の住所を確認しようとしたら───
書いて無い。
目を皿のようにして絵葉書の隅々まで確認しました。
他人宛の私信を読むのはマナー違反ですが、住所を確認するのが先と差出人に言い訳しつつ。
普通のハガキより二回り大きめの絵葉書の下半分に、相変わらず小さめな文字でみっしりと書かれた本文には、やはり住所は書かれていませんでした。万事休す。
ど、ど、どうしよう。
これ、郵便局も返送出来ないよねぇ。
うーーーん。
でも、地域の郵便局の窓口にいっても、何ら改善がみられないし、もう苦情としてお客様相談センターに言うしかないか、という結論に至りました。最初からそうしていれば良かったかな、と思いつつ電話してみました。
センターの担当者は丁寧な対応をして下さいました。区の本局の担当者は、忙しそうで、控え目に言っても御座なりな態度でしたが、業務の合間を縫って担当配達員を寄越してくれました。
やって来た配達員に、
これで誤配は4通目である事。
郵便局からの問合せに応じて居住者名の届け出をしている事。
近くの郵便局の窓口でも、差出人に返送して欲しいと頼んでいる事。
にも拘らず、まだ誤配が続いている事。等々話しました。
「あー、この宛名の人は〇〇〇号室ですねぇ」
そうなの?
というか、差出人の住所が書かれていないので宛名人に届けるしかないのですが、宛名人から住所が間違っている旨を差出人に伝えて貰わないと我が家に届き続けるから、その点を何とかしてくれとお願いしました。
何とかします。と言ってくれましたので、やっとこの件は終わったのです。
実際、そんな事があった事も忘れていました。ところが。
先日の事です。
インターホンが鳴りました。
「郵便局です。えーと、あの…定形外の郵便物のお届けに…」
定形外? 何かあったかな?
玄関を開けてみれば、配達員が手に持っているのは、いつも届くデパートのDMです。
???と疑問符を飛ばしていると、
「あっ、これは問題ありません! あの伺いたい事がありまして…」
ほうほう、何でしょう?
「最近、誤配がありませんでしたか?」
誤配? 最近は無いですよ。あ、去年はありましたけど。
「あぁ、でしたら良いんです!失礼しました!!」
ちょっと待て。
そそくさと帰ろうとするな。
ちゃんと説明していけや。
気になるだろうが!?
まさか。
まさか、ましゃか(噛んだ)
も・し・か・し・て、
あの絵葉書が、また、届いているの!?
ええええええーーーーー!?
実はあの後暫くして、宛名人と思われる部屋の方が退居していたのです。そして別の方が入居して居られます。
なのに、我が家に誤配を確認しに来たという事は……
差出人は、恐らく、未だに、住所の間違いを認識していない、かもしれないという事。
その状況の理由は、色々考えられます。が、考えても仕方がない事でもあります。ぶっちゃけ、我が家にとって面倒な事が無ければ良いのです。身勝手かもしれません。
でも、正直言って、気味が悪いんだよぉ!
前述しましたが、私は私信の内容を3通目から読んでいます。言い訳すると、3通目は不可抗力です。なにしろハガキですから、目に入ってしまうのです。読まれたくなければ封書で出して下さい、という話で。
4通目は住所が書かれていないか確認する為です。
読んでしまった内容は、仕事の愚痴、でしょうか。
普通と言えば普通の在り来りな内容と言えなくもないのですが、ただ一つ気になる事がありまして、それは相手に対する返信が一切無かったという事です。
印象としては、いわゆるジュリエットメールの様な、ひどく一方的な自分語りに終始していたのです。
宛名人と差出人がどういう人間関係だったのかは、分かりません。友人だったのか、ただの知人だったのか。
いつまでも差出人が住所の間違いを把握し無い事から、また、宛名人が転居している事から、邪推出来る事があります。
例えば、宛名人はうっかり差出人に住所を教えてしまった為、仲の良い友人であると差出人に誤解を与えてしまい、差出人から届く絵葉書に困っていた。宛名人にとってはただの知人に過ぎず、だからこそ、住所の部屋番号が間違っているのに気付いていても、差出人に知らせなかった、とか。
実に妄想が捗りますが、それはあくまでも邪推に過ぎません。小人閑居してってヤツですね!
繰返しますが私には、宛名人も差出人もその人となりが分かりません。
分からない人からの絵葉書が届く。何度も。
分からない事は、怖い、と実感した出来事でした。
手書きの手紙って、良いですよね。字を見れば誰から来たのか分かります。
そして、ほぼ均一料金で届けられる郵便制度、ありがたい限りです。いつまでも維持して頂きたいものです。
その為にも、自分宛に届いた郵便物の住所が正しいかどうか、また差し出す郵便物の宛先の確認は大事なんだなぁと思いました。
郵便配達員が困っているかもしれません。
間違って届けられて困惑している人がいるかもしれません。
差し出す方も、受け取る方も、届ける方も、確認が大事だと思った色々でした。
これ、書きようによっては、ホラーになるかなと思ったのですが、私にはそんな文才が有りませんでした(涙)。