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交差する君と俺

「長谷川....」

「何?」

「ほんとに嘘の恋人だろうな?」

「そんな、嫌なの?」

「俺の気持ちも考えろって言ってんだよ!!」

長谷川は、冷めた目で俺を見据えた。

深く息をはくと無視したように目線を変え、歩きだした。

「おい!!」

長谷川の肩を掴み動きを止めた。

「なに?」

「ちゃんとした理由じゃないと俺は賛同できない!!」

「だから、言ったじゃない。関にあきらめてもらうには嘘の恋人として付き合うしかない」

俺は、あきれて物も言えなくなった。

さっきと言ったことは同じだがとても”嘘”とは思えなった。

だって、未来を見るこいつの目は....悪魔だ。

未来から聞かされた”妬み”からの嫌がらせ。

確か、長谷川は未来と同じ美術部なはず....まさか。

「お前、もしかして....」

「ふ~ん、早いね気づくの」

「そんな、理由で!!」

「桜木さんがいけないの。私を抜くから」

長谷川は、口の端を曲げ爪を噛む。俺はそんな彼女の胸ぐらを掴んだ。

拳を握りしめて、思いっきり殴ろうとした。

「い、いいの?また不良に逆戻りよ?そしたら、あなたは桜木さんの行為を無駄にすることになるのよ」

「~~~~~~っ」

確かに、不良から戻れたのは未来のおかげだが、あいつを傷つけようとするやつは許せない。

振りかぶった拳が力なく垂れ下がった。

胸ぐらから手を離すと、彼女は笑う。高らかに。

「うふふ、藤野は桜木さんに弱いんだ....いいことに気づいちゃった!」

「!」

俺はもう、何も話せなくなった。

仕方ない。

「そーね、もし私の言う通りに動いてくれたら桜木さんにする嫌がらせはやめにするわ」

「やっぱりな、嫌がらせをしてたのは長谷川か」

「桜木さんは”才能”を開花させ過ぎた、だから私がそれを完全に止めようと思っただけ」

「それで、嫌がらせか?」

「そう」

冷たい風が体全体を引き裂いていった。嫌な汗をかく。

ごめん、未来。俺はお前のためにこいつの言いなりになるしかないんだ。

許してくれ。



未来との距離は離れるばかり。

だけど、そうしないと長谷川は.....。

お前の、邪魔をするから。




この日から、長谷川との行動が増えた。

まわりの人に見せびらかせ関に噂を進めるようにするため。

クラスのやつからは「桜木はどうした?」と何度も聞かれ、俺は言葉を濁す。

そんな日々を送った。

未来から完全に笑顔が消え、ついこの間までの俺になったみたいに感情を表に出さなくなった。



(ごめん、未来。もう少しの辛抱だから)と何度も心の中で思う。

しかし、その”思い”は未来には届くはずもなかった。



数日が経ち、俺らの前に関が現れた。

そいつは、俺と話がしたいと言い長谷川を抜いて違う場所で話すことになった。


「つきあってるってのは、本当だったんだな」

「.....ああ。もう流れてるだろ?」

「噂は聞いたから、これが証拠って呼べるものか」

「そうなる」

「妙に冷めてるな」

「そうか?」

声が部屋の中でこだまする。ここは体育館。

放課後は使われていない。静かな空間。

ここで、俺は長谷川がいないことを確認して関に真実を話そうと考えた。

しかし、油断はできなかった。未来と絵を見たときにもいたあいつならやりかねない、盗み聞き。

俺はあたりを見回すとそれらしき人影がいないことを再度確認して関に耳を貸すようにに言った。

関は黙って頷くと耳を傾け聞き耳を立てる。

「.......、.............」

「!!」

彼は心底驚いたように目を丸くして涙を流した。

「え!?」

「いや、悪い。お前脅されてたって聞いたから」

なんで、俺が長谷川の言いなりになったかも全て話した。

それに驚いているのか、悲しんでいるのかは分からないが彼はこう付け足した。

「そんなことするやつとは気づかなかったよ。なんでそんなやつなんかを」

関は悔し涙とも呼べる涙を静かに流す。

そして、「あり....」何かを言いかけた瞬間、大きい音によってそれは遮られた。

体育館のドアが勢いよく開かれた。

そこに立っていたのは、鬼の形相をした長谷川だった。

「私がいないことをいいことに、何話してんのよ!?」

「長谷川!!」

予想外だった。まさか、ドアの後ろにいたなんて。

通りで姿が見えない訳だった。気づかないはずだ。

「約束破るなんて!!最低!!」

そう彼女が叫んだとき、それを言い返したのは関だった。

「お前のほうが最低だ!!」

「は!?」

「おい、関?」

彼は、長谷川に声を浴びせた。走って長谷川に寄るとビンタをする。

「!!」

「何よ!?」

「最低だよ、長谷川。そんなやつだったなんて思いたくなかった」

「勝手にそう思い込んだのはそっちでしょ??」

長谷川は頬をさすりながら、言い返すとこちらに目線を送る。

「藤野、あんたは約束を破った!!桜木さんがどうなるか分かってるわよね!?」

彼女はそう叫んだあと、廊下を走っていった。沈黙があたりを包み込む。

関は固まったまま動かなかった。

俺が関に歩み寄り顔を覗く。

彼は横目で確認すると座りこんだ。

「?」

「ごめんな、藤野。止められなかった」

「いいや、いいよ」

「....そっか、ってか良いのか?追わなくて」

「追うよ、そりゃ」

「頑張れよ?桜木は長谷川みたいに曲がってないから、受け止めてくれる。けど、本当のこと話す前に

長谷川を止めるのが先だからな」

「ああ、ありがと。俺、行くわ」

俺は彼をその場に取り残し、走った。とにかく走った。













どうでしたか?


そろそろ、完結が近づいてきました。


これからも頑張っていきたいと思うので、よろしくお願いします!!

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