転生した私の奮闘記(短編)
転生した私の奮闘記(短編)
桜の花が咲き乱れる
季節は春
そんな春の日に生まれ変わった私の名前は
桜花
母は春華、父は紅葉
美女と野獣を体言した両親に
月華という名前の美しい姉
対して私は名前は華やかだが
見た目は普通
私のお父様は
真っ赤な炎のような髪に紅玉のような瞳の
笑う子供がみただけで泣くという
強面のお父様
体格ががっしりとしていて
お母様と並ぶと一回り以上でかいという
ガチムチマッチョ
お母様はプラチナブロンドの髪に
新緑のような瞳
国一番、いやこの世界で一番美しいと
詠われている絶世の美女
まさに美女と野獣のお二人
お父様、どうやってお母様を口説き落として
ものにしたのかぜひ、大人になったら
聞かせてくださいませ
その2人の娘であるお姉様と私
お姉様は月の光の下、10年に一度しか
咲かない花が咲いた時に生まれたということで
月華という名前なのだが
母と同じプラチナブロンドの髪に
母似の面立ち
瞳は父と同じ紅玉色
2人のまさにいいところを受け継ぎました!!という
自慢のお姉様だ
ちなみに黙ってたって居れば儚い印象を受けるけど
一軍を率いる将軍様です
かなり強いのです。鬼姫将軍と呼ばれてるそうです。
で、私はといいますと
さきほどもいいましたとおり 普通です。
父譲りの黒に近い髪
母譲りの黒に近い緑の瞳
顔は美女というわけでもなく かわいいねと
いわれるぐらいの容姿
ちなみに 病弱で、よく寝込んでます
今年5歳になったのだが、一年ごとに
両親と姉が泣きながら無事一年過ごせたと
喜ぶのだ
別に、死ぬほどの病気を患っているわけではない
のだが・・・。
まぁ、そういう家族だが
自慢の家族だ
別に、ひいきされてるとかいじめられてるとかではない
過保護すぎるくらい過保護な家族だ
でも、大好きだ
前世では長女だったので
小さい頃は姉にあこがれていたが
転生してそれが叶えられるとは思いもしなかった
まぁ、なぜ転生したか・・・ということは
割愛させていただこう
そうそう、そういえば
転生したこの世界 異世界というやつらしい
それというものの
この世界、とっても不思議なのだ
日本ではない、中国でもない
アジア圏のどこでもない
のだが、そのすべてがミックスされているような
世界なのだ
言葉は日本語と中国語が混ざったようなもので
生活習慣も昔の日本とアジア圏のいろんな
ものがうまく混ざりあっている
文字は貴族だとか平民だとかで
使われている文字が違う
王族貴族は漢字、ひらがな、カタカナを使っていて
平民はカタカナ
神官なんかはハングルだ
魔法はないが妖術、秘術はある
魔物はいないが妖魔や神獣はいる
人々の寿命は長く
しかし見た目は私のもと生きていた世界にいた人と
なんら代わりはない
王族、貴族、平民によって差はあるが
もっとも長寿なのが王族で
次が貴族、そして平民となっている
ただ、美男美女が多いような気がするが
ちなみに私は王族に使える貴族という立場だ
といってもまだまだ子供なので
まぁ、難しいことは関われていない
そうだ、もう一つ
この世界の人には大なり小なり
生まれたときから入れ墨のような痣がある
それは人によって違うのだが
何に守られているのか?という現れなのだそうだ
姉にはきらびやかな黄金の鳥
父には真っ赤な雄々しい馬
母には真っ白な美しい狼
私には・・・実は何もいない
守られていないといえばそうなのだろう
なので肌をさらすことを家族全員に禁じられている
守られていないからなのか元からそういう体質なのか
ただ、単に子供だからなのか病気にもよくかかるし、体力もない だから病弱
見た目も平凡、痣もない、体も弱い
痣がなければ実は秘術も妖術も使えない
貴族として生まれながらお先真っ暗
それが私だ
そういうわけで
社会に出ていけば否応なしに無能だと言われ
立場がなくなるであろう私を
両親と姉はとても大事にしてくれる
姉だけではない この家に仕えてくれている
侍女さんや侍従さんたちも
私が生まれる前からいらっしゃる方々ばかりなのだが
大事にしてくれる
いまは子供だからいいが
大人になったらどうするべ?と
考えなくもないのだが
両親と姉が誰が嫁になどやるものか!!と
熱く語り合っているのを聞いたことがあるので
どうやら嫁には出されないらしい
姉に至っては
私より強いものでなければ
桜花の婿になど認めるものか
と意気込んでいた
お姉様 頼もしい限りです
「桜花!!」
そんな事をつらつらと考えていたら
聞きほれる美声の持ち主であるお姉様の登場である
満面の笑みで両手を広げてくる
美女 豊満な胸にくびれた腰
白磁の陶器のような肌
バラ色の唇に 揺れるプラチナブロンドのポニーテール
簡素な軍服に身を包んでいる
美女様だ
「おねえしゃま、おかえりにゃしゃいましぇ」
はい、すみません
まだ発音は完璧ではないのです
だって私はまだ5歳
舌っ足らずなのですよ
精神年齢では30を越えてますけどねー
そんな私の言葉にさらに笑みを深くしたお姉様は
軽々と私を抱き上げる
「桜花 ただいま」
「おねえしゃま
おしごとはおわったのでしゅか?」
「うん、それがな
部下たちが少しなまっていたから
しごいてやったら
使いものにならなくなってしまってな
今日の訓練は中止になってしまったのだ」
すばらしい笑顔ですねお姉様
頼もしい限りですが 程々にしてあげてください
「まったく軟弱なものたちばかりで
いざというときが心配だな」
「でも、おねえしゃまがいりゅから
だいじょうぶでしゅよね?」
なんたってお父様最強遺伝子を受け継いでいる
お姉様ですから
一騎当千で近隣諸国からおそれられているお父様と
並ぶほどの強さを持っているらしいの
お姉様なんですから
「もちろんだ!たとえ国が滅んだとしても
おまえだけは守って見せるからな!!」
「おかあしゃまは?」
「母上は父上が守るから大丈夫だ」
本当に頼もしいお姉様です。
まぁ、なんといいますか
頼もしい家族に守られて
第二の人生 それなりに楽しんでおります
とりあえず、この世界の結婚適齢期まで
あと30年ほど(だって長命なんですから)
家族に甘えていようと思います
チート能力どころか貧弱体質だし
まぁ、現時点で前世の知識を活用しまくって
神童なんてめんどくさいことに巻き込まれるのも
はっきりいってごめんなので
細々と生活していければと
そして、両親、姉が認めたお婿さんと
幸せな結婚生活を送って
ほのぼのな人生を送れるようがんばろうと
5歳ながら人生の目標をたててみたりしている
私です
そううまくいかないのが人生だと
気づくのはこれより少し後のことだったけどね
誤字脱字乱文で申し訳ありません。
ご感想いただけたらうれしいです。
よろしくお願いいたします。
以下は補足となります。
補足
桜花・・・転生トリップした主人公
現在5歳 精神年齢は30歳を越えているらしい
貧弱虚弱体質
後にいろいろと巻き込まれることになる
家族大好き シスコン5歳児
月華・・・妹大好き
最凶お姉様 20歳
妹至上主義で一軍を率いる将軍様
ただし、あまりに強いので訓練などしてしまったら
部下が使いものにならなくなることが多々ある
副将軍は胃痛持ち(笑)
紅葉・・・桜花と月華の父親
最凶で、最強なお父様 80歳
家族至上主義で万年新婚夫婦
美女と野獣を体言しているお父様
春華・・・桜花と月華の母親
世界で一番と言われているくらいの絶世の美女 60歳
家族至上主義で万年新婚夫婦
美女と野獣を大言しているお母様
いろいろ設定はありますが
今回は省略させていただきます。