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醒める  作者: 沙羅双樹
2/7

変わり目


男と暮らし始めて、数年

その日も昨日と変わらない今日が来ると当たり前に思っていた


でも、やっぱり神様は私が嫌いらしい


たった一人の私の味方だった祖母を突然取り上げたように

私の最愛となった、唯一となったその男をまた、奪った


いや、きっと、周りがいうように

分不相応な私を男から引き剝がし、正しい道に返したのだろう



男は隣国の侯爵家の嫡男で、政敵の陰謀であの森で死にかけていたらしい


たまたま、隣国へ行った男の尋ね人を見た冒険者の通報で

男を迎えにきた、男の侍従だというその人は記憶を失った男に色々と説明した



「皆が待っています、帰りましょう」

侍従は男にそう言った


はじめは取り合わない様子だった男だが

次第に迷い始め、また、あの遠くを見る目をし始めた頃

私はあきらめた


帰りなさい、そう言った私に縋り付いて

一緒に来てくれ、と震える体で哀願する男を振り払えなかった


だって、もう、男は私の唯一で、私の一部だった



でも、結局、私は愚かだった


辿り着いた先にいたのは男の家族

父と母、そして、”妻”だった。



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