第2章 マンション中庭の赤のスカートの女の子
理沙が車を降りると中庭の木の下に赤いスカートを履いた女の子が立っているのが見えた。「あなた、この雨の夜に女の子が木の下に立っているのわかる?」理沙が声を荒げた。慶次が見ても女の子は見えない暗闇のだけ。「見えねえな?マジか?それこの世のもんじゃねえな?」慶次は顔を引きつらせた。理沙は女の子の肩を叩いた。「何してるの?風邪ひいちゃうよ。」理沙は女の子の顔を見た。泣いていた。傘を女の子に渡した。「おばちゃん。有り難う。お母さんが迎えに来ないの?」女の子は理沙の顔を見つめた。女の子の顔は涙と雨でぐちゃぐちゃだったが可愛い顔をしているのがわかった。「ねえ、おばあちゃんの家来る?涼しいよ。お腹空いたでしょう?何か食べ物あるから食べに来ない?」理沙は女の子の顔を見て優しく微笑んだ。「ううん。お母さんに怒られるから行かない!知らない人に付いて行っちゃ駄目だって。」女の子は理沙の顔を見て微笑んだ。「ねえ!傘あげるから使っていいよ。お母さん来なかったらおばちゃんの家303号室だから遠慮なくおいでね。今、お菓子持ってくるから。」理沙はその場を離れお菓子とタオルを部屋にとりに行った。理沙はきのこの山を見つけると手に取った。エレベーターで下について駆け足で木の下に行ったが女の子の姿はなかった。きのこの山を置いて部屋に帰った。理沙はお母さんが来たのだとてっきり思って部屋に帰った。お風呂に入って就寝した。午前3時頃インターホンが鳴った。理沙はインターホンで「どちらさまですか」と尋ねても応答はなかった。仕方がなきのでドアを開けると先程の赤いスカートの女の子が立っていた。「あら!帰ったんじゃないの?お母さん来なかったんだね。中に入りなさい。外は暑いでしょ?」理沙は女の子の目を見て優しく微笑んだ。「ううん。大丈夫だよ。おばちゃんにさよならを言いに来たの。チョコレート有り難う。美味しかった。傘借りてるね。おばちゃんバイバイ。」女の子は涙を流し理沙に笑顔で微笑むと廊下をエレベーターへと歩いていった。後姿が気味悪かった。理沙は女の子は死んだんだと思った。理沙が朝木の下に行くと食べかけのきのこの山とタオルが置いてあった。理沙は泣いて手を合わせた。「名前聞かなかったね。ごめんね。ゆるしてね。」理沙は女の子の立っていた所に座り大声で泣いた。