3.1
土曜日になった。
今日はお店のイベントの日だ。出勤はしないけど、慣れた道を進み、店内に入る。
イベントの開催時間は一時間後だ。
「あれ?藍那ちゃん今日出勤だっけ?」
「おはようございます、マスター。いえ、今日は知り合いがイベントに参加すると聞いたのでお客さんとしてきました」
「そうなんだ。何呑む?」
「じゃあ、ファジーネーブルを」
「かしこまりました。因みに藍那ちゃんの知り合いって?」
「はい、祥平さんという方で」
「え?藍那ちゃん、祥平さん知り合いなの?」
「??はい。マスターも知っているんですか?」
「知っているも何もこの街の有名人でしょ笑。大きな家もそうだけど、それだけじゃない。彼はこの辺の飲食店をいくつか経営していてこの界隈の中でもトップクラスの人望だよ」
「そうなんですか!」
私、祥平さんのこと何も知らないんだな。
「このbarを始める前、僕はとある居酒屋で働いていてね、祥平さんに接客や経営やいろんなことを教わったんだ。ここの出資も彼がね最初出してくれて」
「そんな深いつながりがあったんですね」
「ちなみに出資してもらった資金は返し終わっているからね。ただ、数年前に祥平さんが表に一切出なくなって。みんな心配していたんだ」
「そうなんですか」
「最近また連絡があって、イベントに出たいって、もう俺嬉しくってさ。今日のイベントすげー楽しみで」
見たことない顔で嬉しそうに話すマスターに益々今日のイベントが楽しみになってきた。




