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11.2
少しずつまばゆさを感じ目をあけると私は宙に浮いていた。
死神さんの声が乗内に響く。
『これは祥平の記憶だ。そして闇だ。お前は全て受け入れなければならない』
―――どうやら私は祥平さんの過去の記憶の中にいるらしい。
街並みは大きく変わらない。
そこには大きな声で働く祥平さんの姿があった。
「・・働く姿はじめてみた」
祥平さんと絡むお客さんは全員笑っている。
「楽しそう、かっこいい」
先ほどみた祥平さんとは違い目がキラキラしていた。
その様子を眺めていると一本の電話がお店に入る。
祥平さんはその電話を受け取り、しばらくすると、慌てて店を飛び出していった。
シーンは変わる。
息を切らす祥平さんが向かったのは病院だった。
“もしかして・・”
今見せられているシーンがなんなのか理解した。
「即死です」
医者が言う。祥平さんが声にならない声で叫ぶ。
同じ目線で同じようにその光景を見ている私も立ち尽くした。
ベットに横たわる死んだ最愛の彼女の姿は、私だった。




