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1.3
死神さんの存在に気付いたのはアパートに来て数日のことだった。
窓から見えるお屋敷の庭に黒い影が見えた。
見た瞬間、それが人間でないことはすぐにわかった。
見た目はガイコツ、服はぼろぼろのマントのようなもの。そして宙に浮いていた。
私が気付いたことに気付いた“それ”は私のところで飛んできた。
『よう、調子はどうだ?』
“それ”はかなり陽気だった。
自分が死神であるということ、基本瞳は見えない存在であるということ、隣の屋敷の主人に使役されているということを教えてもらった。
そんな会話をしていると、
「見えるのか?」
そこに祥平さんがいた。
普通の人には見えないらしい。
「もしかして私死ぬのかな」
「それはないよ。契約しない限り、死ぬことはないんだ」
「死神さんは祥平さんに仕えているって言ってた。じゃあ祥平さんが死ぬの?」
「人はいつか死ぬよ。でも今じゃない。少なくとも君が死ぬまでは生きているさ」
「そう、そうよね」
死神が視えることは二人だけの秘密になった。




