9.2
ご飯はローストビーフだった。
相変わらずの美味。彼の料理は毎回どれも一級品だ。
「事情聴取お疲れ様」
「ありがとうございます」
「どうだった?」
「うーん、あたし疑われています。私が二人と接点があるので」
空気が変わる?
「は?なんでだよ」
「だいたい俺と居ただろ」
そうなんだよね~
「あたしの病歴とか調べられてて、あなた記憶なくすんですよね、って」
「なんだそれ、誰だその刑事ぶっころしてやる」
いつもの優しい表情ではない祥平さんがそこにいた。
「いや、刑事さんも仕事なんですからね」
愚痴ってたはずなのになぜか刑事さんおフォローをしだす私。
あれ???
「関係ねーよ、調子乗りやがってクソ刑事が!」
バン!!と大きな音がしたと思ったら、近くにある棚を祥平さんが思いっきり蹴っていた。
上に乗っていたものが一部下に落ちた。
「やめてください!」
思わず祥平さんに駆けよる私。棚から落ちたものを元に戻そうと手を差し伸べた。
「・・・これ」
「は?なに?」
そこに落ちていたのは見覚えのある青い蝶のネックレス。
「これ誰の?」
「しらねーどっかの女の?なんか服に引っかかっていた」
「これ、これね、同じの、、は、華さんが付けてて」
「へぇ」
「これ華さんのじゃないよね?」
「しらねーって」
刑事さんから見せられた死神の羽が頭をよぎる。
「祥平さん、あの日私が酔って帰った後、、」
「何?俺を疑ってんの?」
「ちが、そうじゃ、」
「そうだろうがよ。そうならどうする?俺が犯人だったら」
「、え??」
「怖いか?俺が」
「祥平さんはそんなことしない。優しい人だから」
「俺は優しくなんてねーよ」
「だって私を助けてくれた」
「俺が殺したよ」
たとえそうであっても、聞きたくなかった。
「俺が二人を殺した」
私の目から涙がこぼれ落ちる。
「俺が怖い?」
何も答えられない私に吐き捨てるように彼は言った。
「帰れ、二度と来るな、お前とはさよならだ」
涙は止まらなかった。
『死神は人を殺さないが、死神の側には死が付きまとう』
どこからか死神さんの声がした。




