9.1
彼の羽は独特だ。
黒といえば黒なんだが、真っ黒というわけではない。少し、紫のような青のようなそんな色をしていて光に当たるとキラっと光沢が目立つ。
その光沢は死神なのに綺麗だと思ってしまうほどに。
声をかけてきた死神を言葉を交わす・
「久しぶりじゃん。最近全然話しかけてこなかったよね?」
『俺様も色々忙しいし考えることもあるんだよ』
「あのさ、死神って人を殺すの?」
『最終的にはそういうような形になるが、人を殺すというより魂を回収するわけで、人間でいう、死んだ後の話になるからなぁ』
「そうなんだ。死神が人を包丁で刺し殺すことってある?」
『おいおい、何か勘違いしてないか?俺らは快楽殺人者じゃないぞ?それにそんなことしたらせっかく育てている魂がダメになっちゃうだろうが』
「魂にダメとかあるの?」
『あるさ、いろんな経験、特に感情の、それが多くあるほうがいい。そんな魂は美味だ。ただ、二度と生まれ変わることはできないが』
「それは死神さんの一部になるの?」
『記憶の一部は俺に引き継がれる。そういう意味ではそうなのかもしれないが、もう人間でもなければそいつと会話することは無理だな』
「・・・そっか」
死神と契約している祥平さんとは今世が最期なんだ。
なんだか無性に会いたくなった。
『本題を思い出した。祥平が料理を作っている。自分は迎えに行けないから行けと言われたんだ』
「それを早く言ってよ!」
私と死神さんは一緒に祥平さんの待つ家へ向かった。




